アメリカで薬剤師の資格・免許をとるには?日本と比較した仕事・年収・立場の違いとは!?

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「アメリカで薬剤師として働きたい!!」
「日本の薬剤師免許はアメリカでも使えるの?」
「アメリカの薬剤師は日本と比べてどう違うの?」

あなたはアメリカで薬剤師として働きたいと思い、このような疑問が生まれ本記事に辿り着いたのではないでしょうか?

アメリカで薬剤師として働きたいと思っても、免許・資格の取り方や働き方など正直分からないことだらけかと思います。

結論からいうと、日本で薬剤師として働いていてもアメリカで薬剤師として働くには、新たに資格・免許が必要です。

また、TOEFLなどの点数も必要でもちろん英語力もかなり大事です。

そこで今回は、アメリカで薬剤師として働くために必要な免許や資格を解説していきます。

合わせて、アメリカの薬剤師の年収や仕事内容、立場などもご紹介していきますので、参考にして見てください。

この記事で分かること

  • アメリカの薬剤師で働くために必要な資格・免許
  • アメリカの薬剤師の資格・免許取得方法
  • 資格がなくてもアメリカで薬剤師として働く方法
  • 日本とアメリカの薬剤師の違いを比較
  • アメリカで薬剤師として働くことで得られるもの
目次

アメリカで薬剤師として働きたいならアメリカの薬剤師資格・免許が必要

まず、結論からいうと残念ながら日本の薬剤師免許を取得しても、アメリカで薬剤師としては働くことができません。

アメリカで薬剤師として働くには、新たに資格・免許を取得する必要があります。

また、日本での薬剤師免許は「国」が発行するものですが、アメリカの場合はその地域の「州」ごとに発行されているのも大きな違いです。

そのため、受験資格などが州ごとに異なり外国人の受験を認めていない州もあります。

その場合は、州が認定する薬学部に入学し受験資格を得なければなりません。

このように、日本とアメリカでは薬剤師免許の制度が大きく異なるのです。

アメリカで薬剤師の資格・免許をとるには?

アメリカでは、日本の薬剤師免許は通用しないことが分かりました。

では、アメリカで薬剤師の資格・免許を取得するためにはどのような方法があるのでしょうか?

以下では、アメリカで薬剤師として働くための2つの方法を解説していきましょう。

  • アメリカの薬学部を入学する
  • EPGEEの認定証を取得する

アメリカの薬学部を卒業する

まず1つ目の方法は、シンプルにアメリカの薬学部に入学し薬剤師免許を取得する方法です。

アメリカの薬学部を卒業すると「PharmD(ファーム・ディー)」と呼ばれる薬学における専門職学位が与えられます。

この学位は、アメリカの薬剤師免許を取得するための受験資格です。

アメリカでは、日本と同様に薬剤師になるためには、約6年間という長い時間を要します。

しかし、先述した通りアメリカでは州ごとに薬剤師免許が管理されているため、受験資格も州によって異なると解説しました。

そのため、州によっては編入が認められ薬学部で学ぶ期間が6年から最大で3年まで短縮可能です。

ですので、州ごとの薬学部情報を事前に調べることが重要になってくるでしょう。

またこの方法は、時間とお金の両方の負担は非常に大きいです。

しかし、アメリカの薬学知識を基礎からじっくり学ぶにはベストな方法だといえます。

FPGECの認定証を取得する。

2つ目の方法は、FPGEC(Foreign Pharmacy Graduate Examination Committee)が発行している認定証を取得するという方法です。

FPGECは日本語訳すると「外国薬学大学院審査委員会

つまり、アメリカ以外の国の薬学部を卒業した薬剤師が、アメリカの薬学部卒業と同等レベルなのかを審査するための機関です。

FPGECの認定証を取得するには以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • FPGECが主催する「FPGEE」試験に合格
  • TOEFLの得点が550点以上

1つ目の条件は、FPGECが主催するFPGE(Foreign Pharmacy Graduate Equivalency Examination)に合格することです。

FPGEは日本語訳すると「外国薬学大学院同等試験」

すなわち、外国の薬学部を卒業した薬剤師がアメリカの薬学部卒業と同等レベルなのかを測る試験です。

2つ目の条件は、TOEFL (Test of English as a ForeignLanguage)の 試験で550点以上を取得。

TOEFLは、英語でのコミュニケーション能力を測るための試験です。

以上、二つの条件を満たすとFPGECの認定証を取得することができ、薬剤師免許の受験資格が得られます。

ただし、FPGECの認定証後のインターン先などは自分で探さなければいけない点や、就労ビザの取得に苦労するなどの問題も出てくるでしょう。

しかしこの方法は、アメリカの薬学部に通うよりもはるかに、時間とお金を節約できるのでおすすめです。

注意事項として2004年以降に4年制の薬学部を卒業した人はFPGEEの受験資格を得られません。
自分がFPGEEの受験資格に当てはまるかどうかあらかじめ確認しておく必要があります。

資格を受けずにアメリカで薬剤師として働く方法

ここまで、アメリカで薬剤師免許の取得方法を解説してきました。

アメリカで薬剤師免許を取得するには、かなりハードルが高く難しいと感じてしまった方もいると思います。

そこで、この項目ではアメリカの薬剤師になるための資格を受けずとも、日本の薬剤師免許のみで働ける方法をご紹介していきましょう。

日系製薬会社に勤める

1つ目の方法は、アメリカ進出している日系製薬会社に勤務することです。

日本政府は2018年より日本の製薬会社の海外進出を支援する制度を作り製薬会社のグローバル化を後押ししています。(日本経済新聞より)

その結果、海外進出を果たした国内の大手製薬会社12社の2019年度海外売上高は、6割を占めました。

こうした背景から、アメリカには日本の製薬会社の支社がいくつもあります。
また、新薬開発や技術指導など日本人薬剤師のニーズも高いです。

そのため、日本の薬剤師免許だけでも日本人駐在員として採用してもらえる可能性があるでしょう。

日系病院に勤める

2つ目の方法は、アメリカにある日系病院に勤務することです。

日系病院は主に日本人を対象としている医療機関であるため、患者もほぼ日本人。

そのため、日本人医療スタッフとして勤務することが可能です。

しかし、日本の薬剤師免許はアメリカでは使用できないため、あくまで医療スタッフとしての採用となります。

ただ、日系病院は数も少ないのが現状で、募集があったとしても倍率が高くなることが予想され、狭き門となるでしょう。

日本の転職エージェントにも求人がある

アメリカの薬剤師募集は、現地のサイトにしか載ってないと思われがちですが、日本でも探すことは十分に可能です。

方法としては、日本の転職エージェントに登録し相談や求人紹介をしてもらいます。

登録することで、非公開の求人やあなたの要望を丁寧にヒアリングしてくれるので、現地で探すよりもスムーズに見つけられる可能性もあるでしょう。

日本薬剤師とアメリカ薬剤師の仕事内容の違い

日本とアメリカの薬剤師の仕事内容は、いくつか異なる点があります。

以下では、日本のとアメリカの薬剤師の仕事内容を比較し、それぞれの違いを認識しておきましょう。

日本では調剤業務や服薬指導が主な仕事

日本の薬剤師の主な仕事内容は調剤業務や服薬指導です。

また、薬剤師の役割について薬剤師法の第1条では、次のように定められています。

「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」

引用:薬剤師法より

さらに日本の薬剤師は、勤務先によっても仕事内容は変わってくるでしょう。

例えば、ドラッグストアであればOTC医薬品の販売や品出し、レジ打ちなど業務は多岐にわたります。

また製薬会社や行政機関などに勤務した場合は、新薬の開発研究や実験などの業務が中心です。

このように日本の薬剤師の仕事内容は業種によって異なりますが、薬剤師の役割は幅広いといえるでしょう。

アメリカ

次に、アメリカの薬剤師の仕事内容を見ていきましょう。

アメリカ合衆国労働省労働統計局が発行している「OCCUPATIONAL OUTLOOK HANDBOOK」(2012年度版)によると、アメリカ薬剤師の業務内容は以下の通りです。

  • 薬の処方内容と、患者の投薬量に関する医師の指示が適正であるかを確認。
  • 薬の処方内容が、患者が現在服用している別の薬または患者の健康状態にネガティブに作用しないかを確認。
  • 患者に対して、服薬指導をする他、副作用の可能性について説明する。
  • 食生活やエクササイズ、ストレスマネジメントの他、健康上の問題にもっとも効果的な健康器具や健康関連グッズについて患者に助言。
  • インフルエンザの予防接種と、ほとんどの州ではその他の予防接種も実施。
  • 保険証券用紙に記入し保険会社と協力して患者に必要な薬を提供する。
  • 調剤技師(Pharmacy Technicians)と研修中の薬剤師(インターン)の監督。
  • 記録の管理やその他の管理運営上の業務を実施。
  • 他の医療従事者に対して、患者への適正な薬物療法を教育。

日本との大きな業務内容の違いは、インフルエンザの予防接種と、薬剤師自体に処方権があるという点でしょう。

この違いの他にも、アメリカには入院患者の服薬ケアを行う臨床薬剤師やコンサルタント薬剤師など、日本では聞き慣れない業種も存在します。

このようにアメリカの薬剤師の仕事内容は、日本よりもさらに多種多様だといえるのです。

    日本薬剤師とアメリカ薬剤師の年収の違い

    日本のとアメリカの薬剤師では年収にも大きな差があります。

    以下では、年収について比較していきましょう。

    日本の平均は565万円

    以下の表は令和元年 賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、年代別の薬剤師平均年収をまとめました。

    年代 年収
    20代 ¥4,651,723
    30代 ¥5,596,283
    40代 ¥6,236,584
    50代 ¥6,711,078
    60代 ¥5,678,105
    70代以上 ¥5,035,289

    ※算出方法は支給する現金給与額×12ケ月分+年間賞与で計算

    これを全体の平均で見た時に割り出される薬剤師の年収は565万円です。

    アメリカの平均は1220万円

    アメリカの薬剤師平均年収は1220万円です。

    この金額は世界的に見ても非常に高い水準で、アメリカの報酬調査会社「payScale」によると国別薬剤師の平均年収では第1位となりました。

    国別薬剤師平均年収 TOP5 
    ランキング 国名 年収
    1位 アメリカ 1220万円
    2位 スイス 880万円
    3位 香港 730万円
    3位 カナダ 730万円
    5位 アイルランド 620万円

    参考元:payScale

    日本の平均年収である565万円と比較すると、実に倍以上の差があります。

    アメリカの薬剤師の平均年収がこれだけ高い背景には、やはり日本よりも免許の難易度の高さなどが挙げられるでしょう。

    また、アメリカは人口に対して薬剤師数が極端に少ないことも年収が高い理由の一つです。

    2017年のWHOの調査によると人口1千人あたりの薬剤師数は、日本が2.1人なのに対しアメリカでは0.8人という結果になりました。

    このことから、アメリカでは必然的に薬剤師の給与水準は高くなっているのです。

    日本薬剤師とアメリカ薬剤師の立場の違い

    日本とアメリカの薬剤師では社会的地位、つまり立場の違いも随分と異なっているようです。

    以下では、日本とアメリカの薬剤師の社会的地位の違いについて見ていきましょう。

    日本では医師>薬剤師

    日本の薬剤師の社会的な立場として一般的なのが「医師から処方された薬を調合し患者に渡す人」という認識です。

    また、ドラッグストアに勤めている薬剤師であればOTC医薬品の説明をしてくれるアドバイザー的な存在といったところでしょうか。

    このように日本での薬剤師としての地位は、医師の次に信頼をおける医療従事者といったイメージです。

    アメリカでは医師レベルの地位

    アメリカの薬剤師の社会的地位は、医師と同等かあるいはそれ以上の立場です。

    アメリカでは国民の医療保険への加入が義務付けられていません。

    そのため、日本のように「風邪を引いたから医者に行く」という文化はないのです。

    アメリカでは風邪を引いたらまずは、薬局に行って薬剤師から薬を処方してもらうのが一般的。

    なので、アメリカでは「医師よりも信頼がおける医療従事者が薬剤師」といっても過言ではありません。

    また、アメリカの薬剤師は処方権を持っており、医師の処方がなくても調剤が可能な点も日本とは大きく異なります。

    このように、アメリカの薬剤師の地位は、医師と同等の権限が与えられているため、日本よりもはるかに社会的な立場は高いといえるでしょう。

    アメリカの薬剤師を補佐する「テクニシャン」の存在

    日本では薬剤師という資格だけがありますが、アメリカでは薬剤師をアシストする「Pharmacy Technicians(テクニシャン)」という資格があります。

    テクニシャンは薬剤師の管理下のもと、以下のような業務を行います。

    • 顧客や医療従事者から処方薬を出すために必要な情報を収集。
    • 処方箋に必要な薬の量を軽量。
    • 処方薬をパッケージや容器に詰め、ラベルを貼り付ける
    • 在庫管理をして、薬や備品の在庫不足があれば薬剤師に情報提供する。
    • 処方箋支払いの受付と、保険給付支払手続を処理。
    • 顧客、患者の情報(過去の処方履歴含む)をデータとして記録する。
    • 顧客からの電話対応。
    • 顧客から薬や健康に関して質問がある場合、薬剤師に相談できる機会を調整する。

    彼らは、薬剤師の指導のもとこれらの業務をこなしていきます。

    このように薬剤師の地位が高くなった理由の一つには、薬剤師の補佐をするテクニシャンの存在があるのです。

    また近年では日本でも、厚生労働省が平成31年4月に「調剤業務のあり方について」の文書を通して、薬剤師以外のスタッフが行える業務を発表しました。

    日本で薬剤師以外の者が行える業務は、以下の通りです。

    • 医薬品(PTP シートまたはこれに準ずるものにより包装されたままの医薬品)の必要量を取り揃える
    • 一包化した薬剤の数量を確認する
    • 調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カートなどへ入れる
    • 電子画像を用いてお薬カレンダーを確認する
    • 調剤に必要な医薬品を取り寄せた場合などに、先に服薬指導を薬剤師が行ったうえで、患者の居宅などに調剤した薬剤を郵送する

    近い将来、日本でもアメリカのテクニシャンように、薬剤師の補佐的な職業が認知されることが期待されます。

    アメリカの薬剤師として働くことで得られるもの

    アメリカの薬剤師として働くことはとても難しく簡単なことではありません。

    しかし、それ以上にやりがいやメリット、得られるものは大きいはずです。

    以下では、アメリカで薬剤師として働くことで得られるものを見ていきましょう。

    アメリカで薬剤師として働くと得られるもの

    • 語学力
    • グローバルな医療知見
    • 異文化におけるコミュニュケーション能力
    • 医者と同等の権限

    語学力

    まず1つ目は、語学力です。

    薬剤師は、患者とのコミュニケーションで信頼関係を築いていく職業でもあります。

    そのため、アメリカで薬剤師を目指すには堪能な英語は必須です。

    FPGECの認定証にもTOEFLの試験で550点以上を取得が条件として挙げられています。

    アメリカで薬剤師を目指すことで、自然と高レベルな英語が身につくでしょう。

    グローバルな医療知見

    医療先進国であるアメリカ。

    近年では、医療のグローバル化が進み薬剤師にも国際的な知識が求められています。

    アメリカで薬剤師として勤務することでグローバルな医療知見が身につき、大きなキャリアアップにも繋がるでしょう。

    異文化におけるコミュニュケーション能力

    アメリカは移民が多い国でもあり、実にさまざまな文化が混在しています。

    そのため、日本では通じていたコミュニケーションが、アメリカでは通じないといったこともあり得るのです。

    そこで、アメリカで薬剤師をしていく中で、違った文化やコミュニケーション能力を身につけることができるでしょう。

    薬剤師としてだけではなく、一人の人間としてのスキルもアップするチャンスです。

    医師と同等の権限

    先述したとおり、アメリカにおける薬剤師の地位は非常に高く、処方権を有しているなど医師に近い存在です。

    一方で、日本における薬剤師の立場は、医師よりも低くアメリカに比べると遅れているといえます。

    アメリカで薬剤師になることができれば、日本よりも確実に高い給与や社会的立場が得られるのです。

    日本での薬剤師の立場に不満がある薬剤師にとって、アメリカはまさに理想の国だといえるでしょう。

    まとめ:アメリカの薬剤師は難易度は高めでやりがいは日本以上

    ここまで、アメリカで薬剤師になるための方法と、日本の薬剤師との違いを解説してきました。

    • アメリカで薬剤師になるにはアメリカの薬学部を卒業するかFPGECの認定証を取得する
    • 資格なしでも働く方法は日系企業か日系病院に勤務する
    • アメリカの薬剤師は日本の薬剤師に比べて年収・社会的地位がはるかに高い

    アメリカで薬剤師になる難易度は学力だけじゃなく様々な条件をクリアしなければならずかなり高めです。

    しかし、その分やりがいは日本の薬剤師以上にあることでしょう。

    アメリカで薬剤師を目指す人は、本記事を参考に是非検討してみてはいかがでしょうか?

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