ドラックストアや調剤薬局勤務よりも年収が高い「製薬会社で働く薬剤師」。
製薬会社勤務に憧れるものの、
「実際にどのくらいの年収なの?」
「具体的な仕事内容が知りたい」
そんな風に思われている方も多いのではないでしょうか?
今回は、製薬会社で働く薬剤師の仕事内容と年収を詳しくまとめました。
併せて、製薬会社勤めのメリットとデメリットもお伝えするので、自分に向いている仕事であるかがハッキリと分かるでしょう。
製薬会社への転職を成功させるポイントも解説するので、製薬会社勤務に魅力を感じる方は必読です。
- 製薬会社で働く薬剤師の平均年収は400~800万円
- 製薬会社勤務は「7つの職種」に分類される
- 年収が高いだけでなく福利厚生が整っていることも魅力
- 転勤や出張が多く、激務の可能性がある点がデメリットにあげられる
- 「薬剤師専用の求人サイト」を利用して納得のいく転職を!
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製薬会社で働く薬剤師の年収は高い!
「製薬会社で働く薬剤師は年収が高い」といった情報を見聞きしたことがありませんか?
実際に、ほかの職場(ドラックストア・調剤薬局・病院)と比較してみたところ製薬会社で働く薬剤師は年収が高い傾向があるようです。
業種 | 平均年収 |
企業(製薬会社) | 400~800万円 |
ドラックストア | 400~700万円 |
調剤薬局 | 400~650万円 |
病院 | 400~650万円 |
上記の表からも分かるように、初任給に差はありませんが経験を積めば大きく稼ぐことができます。
製薬会社には、実力に応じて年収1,000万円を超える薬剤師もいることが分かりました。
※参照:マイナビ薬剤師のデータ
【7つの職種】製薬会社で働く薬剤師の年収を徹底比較
一口に「製薬会社」といっても7つの職種に分類されます。
職種によって年収が異なるのでチェックしておきましょう。
職種 | 年収 |
管理薬剤師 | 600~900万円 |
治験コーディネーター | 400~800万円 |
MR | 500~1,000万円 |
DI・学術 | 300~700万円 |
研究職・開発職 | 500~900万円 |
企業内診療所の薬剤師 | 400~700万円 |
薬事職 | 400~1,000万円 |
大きく稼ぐことが一番の目標であれば、年収に着目して「MR」または「薬事職」を選ぶといいかもしれません。
しかし、やりがいや働きやすさを重視する人は、仕事内容を吟味して自分にピッタリ合う職種を選びましょう。
参照:厚生労働省の統計「令和元年賃金構造基本統計調査」
【業種別】製薬会社で働く薬剤師の仕事内容
ここからは、職種ごとの具体的な仕事内容をまとめていきます。
自分が働いているイメージを膨らませながら仕事内容を見ていきましょう。
職種 | 仕事内容 |
管理薬剤師 | 薬の品質を管理する |
治験コーディネーター | 新薬開発動向を把握する |
MR | 薬を販売する営業職 |
DI・学術 | 薬に関する情報を収集し、管理する |
研究職・開発職 | 開発されていない薬を研究・開発する |
企業内診療所の薬剤師 | 一般企業内での薬剤師業務 |
薬事職 | 新薬の申請を行う |
上記のなかで気になる職種からチェックしてみてくださいね。
製薬企業で品質管理を行う管理薬剤師
管理薬剤師は、「薬品の品質管理」や「薬剤における行政への対応」をする仕事です。
薬品を扱う場所には管理薬剤師の常駐が義務付けられています。
なお、管理薬剤師は、薬の調剤業務を行わないことも特徴の一つです。
企業における薬剤の最高責任者にあたるので、土日休みや長期休暇など優遇されやすい傾向にあります。
治験コーディネーター
治験コーディネーターとは、臨床試験の業務をサポートする仕事です。
具体的には、治験開始から終了までの期間、医師や患者に寄り添って新薬の開発に携わります。
新薬にかかわる部門の薬剤師や専門家、医師、治験被験者などと連絡をこまめに取る必要があるのでコミュニケーション能力が高い方が望ましいです。
また新薬の関連部門への資料提出といった事務的な業務もこなします。
高収入を狙えるMR
MRとは「Medical Representatives」の略語で医薬情報担当者のことです。
調剤薬局や病院へ訪問し、医薬品や医療機器の情報を伝えて、自社の製品を販売します。
医薬品の知識はもちろんのこと、営業スキルやコミュニケーション能力も必要な仕事です。
年収が1,000万円を超える薬剤師の方も多いので「営業に抵抗がない」「大きく稼ぎたい」といった人に向いています。
ただ最近では薬価改定、ジェネリックの普及などで報酬の高いMRは淘汰されつつあります。先行きもあまり明るくないため今後の動向はチェックが必要です。
関連:『MR』なら薬剤師でも1000万円可能?その年収や仕事内容と今後…
DI・学術
DI・学術は、医薬品のスペシャリストとしてMRに薬の情報提供をする仕事です。
同業者であるMRに薬学知識の研修をするため、関連する医薬品情報に精通していなくてはなりません。
医薬品に関する莫大な情報を収集し、処理をするため情報取集能力に長けている人に向いています。
海外の文献から情報を集めたり、最新情報を発信したりといった業務内容もあるので、英語力やライティングスキルも必要です。
研究職・開発職
研究職・開発職は、新薬の研究をして新しい薬を生み出す仕事です。
新しい薬を一つ開発するためには、10年以上の期間や200億を超える費用が必要ですので、研究職・開発職が活躍する場は大手企業であることがほとんどです。
この職種につける人は、ごくわずかですので転職するには「実績」や「経験」を積み重ねる必要があります。
一般的に、研究職・開発職の年収は500~900万円ですが、大手製薬会社の管理職に昇格されると2,000万円を超えるケースも少なくありません。
薬事職
薬事職は、厚生労働省へ新薬の承認申請手続きを行う仕事です。
新薬のみならず、医薬品、医療機器、化粧品、医薬部外品などの申請業務もこなします。
薬にかかわる企業のデータ収集から申請資料の翻訳、文書の作成といった書類と向き合う機会が多いことが特徴的です。
書類の内容を正しく理解し、文章に書き替える必要があるのでライティングスキルの高い人に向いています。
薬事職は、DI・学術業務と並行してこなしているケースも少なくありません。
ほかの業務と兼業している薬剤師の方は、年収が1,000万円を超えることもあるようです。
企業内診療所の薬剤師
企業内診療所とは、会社内にある診療所のことを指し、従業員の健康をサポートします。
主な仕事内容は、診療所内で調剤をしたり薬剤業務をしたりといった調剤薬局に在籍する薬剤師とほとんど変わりはありません。
ここまでお伝えしてきた7つの職種と比べるとマイナーで、求人が少ないことも特徴の一つです。
企業内診療所の薬剤師はの年収は、雇用形態や企業の規模によって大きく異なります。
【メリット・デメリット】製薬会社へ転職する前に必読
ここからは、製薬会社へ転職するメリットとデメリットをご紹介します。
転職を考えている最中は、メリットだけを知りたくなるものですが、デメリットも把握しておくべきです。
利点と欠点どちらも知った上で転職を検討すると、あとあと後悔することがないでしょう。
製薬会社で働く4つのメリット
では、製薬会社で働くメリットから見ていきましょう。
- ほかの職業よりも年収が高い
- 調剤薬局やドラックストアよりも待遇が良い
- 福利厚生や職場環境が整っている
- スキルアップしやすい
上記のように製薬会社で働くメリットは年収が高いだけではありません。
4つの魅力をしっかりとチェックして、自分の求めるものとマッチしているかを確認しましょう。
ほかの職業よりも年収が高い
製薬会社で働く薬剤師は、ほかの職業よりも年収が高い点が最大の魅力です。
一般的な調剤薬局や病院に勤める薬剤師 | 400~650万円 |
製薬会社で働く薬剤師 | 400~800万円 |
入社後の年収に大差はありませんが、実績や経験を積むことで年収800万円以上も目指せます。
なお、MRや薬事職に転職をすれば年収1,000万円超えも夢ではありません。
調剤薬局やドラックストアよりも待遇が良い
調剤薬局やドラックストアは、休みが不定期だったり、土日祝日が出勤になったりするケースも少なくありません。
しかし製薬会社は、土日祝日が休みの場合が多く、出勤時間も規則的のでプライベートを充実させやすい傾向にあります。
また長期休暇を取りやすい点も製薬会社で働くメリットといえるでしょう。
福利厚生や職場環境が整っている
製薬会社は、福利厚生や職場環境が整っている場合が多いです。
製薬会社の求人を見てみると、下記の制度の充実度が高いことが分かりました。
- 有給休暇
- 産休・育休
- 研修
などの制度を採用している企業が多いようです。
大半の製薬会社は、従業員の満足度が高まるよう努めていることが見受けられました。
スキルアップしやすい
病院や調剤薬局、ドラックストアに勤める薬剤師は、ルーティンワークですので大きなスキルアップには繋がらないでしょう。
一方、製薬会社では学会に出席する機会が多く、最先端の知識を得て薬剤師としてのスキルを磨くことができます。
ほかにもMRであれば、営業スキルやコミュニケーション能力の向上も見込めます。
製薬会社で経験を積んで大手企業に転職し、新薬の開発に携われば年収2,000万円近く稼げる点も魅力の一つです。
製薬会社で働く3つのデメリット
本記事でお伝えしてきた通り、製薬会社に転職することで年収アップが期待されます。
その反面、3つのデメリットもあるので把握しておきましょう。
- 未経験者は年収が低い
- 転勤・出張が多い
- 激務の可能性がある
上記の欠点をよく知り、納得したうえで転職活動をスタートしてくださいね。
未経験者は年収が低い
未経験者の場合は、年収が300~400万円と低い傾向にあります。
未経験者でなくてもブランクがあったり、業務における経験がない場合も年収が低くなります。
現在の勤め先が調剤薬局でれば、転職後に年収が下がってしまうケースも少なくありません。
企業によって設定している年収が大きく異なるので、未経験者からのスタートでも400万円以上の製薬会社を探すと良いでしょう。
転勤・出張が多い
大手企業であれば、複数の店舗を展開しているケースが多く、転勤になる可能性があります。
とくに営業職に分類される「MR」は、3年に1度勤務先が変わるといわれているようです。
学会の参加や研修などで遠方への出張をする機会が増える点もデメリットの一つ。
家族を持っている方であれば、なおさら転勤や出張が負担になるかと思います。
激務の可能性がある
製薬会社に勤める薬剤師は、激務の可能性があります。
とくに、MRは毎月ノルマが課せられることもあり、残業が続くケースも少なくないようです。
書類と向き合う職種であれば、役所や医療機関の閉館時間に間に合うよう動くなど時間に追われることも。
収入が増える分、多忙になることは覚悟しておいた方がいいのかもしれませんね。
【薬剤師が製薬会社に転職】成功するためのポイント4つ
ここまでは、製薬会社に勤める薬剤師の年収や仕事内容について解説してきました。
魅力的な職種がたくさんあるので、「製薬会社で働きたい」と思われた方も多いのではないでしょうか?
ここからは、製薬会社に転職を成功させるためのポイントをご紹介します。
- 転職しやすい4つの業種に絞る
- 大手企業に限定しない
- キャリアを積んでから転職する
- 薬剤師に特化したサイトで探す
上記のポイントを押さえて、製薬会社への転職活動に励んでみてくださいね。
転職しやすい4つの業種に絞る
「絶対にこの業種に就きたい」といった強いこだわりがなければ、転職しやすい業種に絞った方がいいでしょう。
製薬会社には7つの業種がありますが、下記の4つならば比較的に転職しやすいです。
- 管理薬剤師
- MR
- DI・学術業務
- 薬事職
一方、研究・開発、治験コーディネーターは、経験や実績を持つ薬剤師を採用する傾向にあるため難易度が高いです。
誇れる経験や実績がある薬剤師の方は、上記の研究や開発、治験コーディネーターに挑戦するといいでしょう。
しかしこれまでに薬剤師としてのスキルを持っていない場合は、転職のしやすさを重視した方が成功に繋がります。
大手企業に限定しない
大手企業でなくても年収が高く、福利厚生が整っている中小企業はたくさんあります。
「大手企業であれば安定した収入を得られる」と認識している人も多いのではないでしょうか?
しかし大手企業だから高収入・安定感があるとは限りません。
実際に薬剤師の口コミを調査したところ、「中小企業や地方の小さな製薬会社の方が年収が高かった」といったリアルな声もあるようです。
キャリアを積んでから転職する
製薬会社へ転職をしたい場合は、ある程度キャリアを積んでおくことをオススメします。
というのも、製薬会社で働くには基礎知識が十分になければ務まらないからです。
たとえば、調剤薬局や病院へ訪問し、医薬品や医療機器の情報を伝えるMRに転職をしたとしましょう。
医薬品や医療機器の基礎知識がなければ、営業に行くまでに多くの研修時間が必要となります。
そのため、すでに基礎知識が身についている経験豊富な薬剤師の方が採用される確率が高くなるのです。
MRだけでなくほかの職種においても、ある程度キャリアを積んでからの方が製薬会社への転職が有利になります。
薬剤師に特化したサイトで探す
一般的な求人サイトで仕事を探す薬剤師の方も多いかと思います。
しかし薬剤師に特化されている求人サイトを利用した方が選択肢が広がるでしょう。
ほかにも下記のようなメリットがあります。
- 一般的には公開していない「非公開求人」を紹介してもらえる
- 転職活動支援のプロに応募書類の添削をしてもらえる
- 企業ごとの面接における対策法を教えてもらえる
- 職場の雰囲気や福利厚生を教えてもらえる
一般的な求人サイトではない特別なサポート付きですので、登録をしておくといいかもしれませんね。
まとめ:年収1,000万以上も目指せるが調剤薬局や病院とは明らかに違う仕事内容
製薬会社で働く薬剤師は、年収1,000万円超えも夢ではありません。
そのうえ、調剤薬局やドラックストアよりも待遇が良く福利厚生も整っています。
しかしある程度のスキルやキャリアがなければ、転職しにくいことが大きな難点です。
製薬会社勤めを目指している薬剤師の方は、「薬剤師専用の求人サイト」を利用して納得のいく転職を成功させましょう。
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