毎日薬剤師として働いていると、調剤などの業務中に添付文書情報や検査値をすばやく参照したくなったり、副作用や相互作用について見直したくなったりすることはありませんか。
また、日々の忙しさの中で新薬情報や医療業界のニュースをアップデートしそびれ、「職場の皆は知っていたのに、自分だけが知らなかった…」という気まずい思いをした経験がある方もいるのではないでしょうか。
それらの情報一つ一つは、インターネットで検索することもできますがスマホで簡単にチェックできたほうが時短になります。そこで今回は、薬剤師の勉強からシフトなどの管理まで、さまざまな場面で役立つアプリを用途別にご紹介します。
無料で利用できるものをメインにご紹介していますので、気軽に試すことができますよ。
当サイトでは薬剤師の転職サイトの情報なども掲載しています。
もしかしたら薬剤師向けの転職サイトなどを使ってあなたの年収を100万以上上げることも可能かもしれません。
今の職場に不満を少しでも持っている方は下記のおすすめの薬剤師の転職サイトをチェック!
最新医療ニュース・業界情報をアップデートしたい
医療・医薬品にまつわる最新ニュースや薬価改定などに関する情報は、日々アップデートされていくため乗り遅れないようにアンテナを張り巡らせておく必要があります。
アプリを一つインストールしておくだけで重要な情報がスマホに配信されてくると、とても便利ですよね。最新の情報収集に便利なアプリを3つ紹介。
ファルマラボ+
引用元:Google play
薬剤師求人・転職サービスのファルマラボを提供する株式会社メディカルリソースのアプリ『ファルマラボ+(プラス)』を使えば、最新の薬剤師業界ニュースやスキルアップに活かせるコラム、一問一答式クイズなど薬剤師に必要な情報を一挙に手に入れることが可能です。
業界情報だけでなく添付文書検索機能も付いているのがこのファルマラボ+の特徴で、一つのアプリで「ニュース」と「添付文書」の両方を収集したい薬剤師の人にはこのアプリが大変おすすめです。
添付文書検索では医療用医薬品とOTC医薬品で、同成分薬・同効薬を検索することが可能です。方法は毎月改定されているので、最新情報をチェックすることができますね。
クイズやマンガなど息抜きできるコンテンツや、時短料理のレシピ紹介などもあるので仕事に暮らしにお役立ちのアプリです!
m3.com(エムスリードットコム)
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薬剤師転職サイト薬キャリAGENTを運営するエムスリー株式会社による、日本最大級の医師・薬剤師専用アプリがこの『m3.com(エムスリードットコム)』です。
最新の医療情報、医薬品情報、医療ニュースをいつでもどこでも視聴できるので、このアプリを使えば情報に乗り遅れることがありません。
薬剤師コラムとして、「患者タイプ別 服薬指導のツボ」「薬剤師業界が変わる!調剤報酬改定」など実用的なコンテンツも多数配信されています。
転職支援サービス薬キャリとも連動しているため、ニュースを調べる合間に最新の薬剤師求人情報も調べることが可能です。
毎日出題されるクイズ形式の医療知識も楽しく、最新情報をアップデートしながら転職やスキルアップを意識したい方におすすめですよ。
日経DIメディカル
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こちらは有料となりますが、日経BP社が発行する薬剤師向けの月刊専門情報誌「日経ドラッグインフォメーション(DI)プレミアム版」をスマホやタブレットで読めるアプリが、この『日経DIメディカル』です。
「日経ドラッグインフォメーションプレミアム版を愛読している・愛読したい」という方におすすめのアプリです。
「日経ドラッグインフォメーション」と言えば薬剤師の業務にまつわる最新情報や実践的なノウハウが集約された薬剤師専用の月刊誌であり、スキルアップを目指す薬剤師やマネジメントする立場の人にとって必携の情報誌と言えます。
服薬指導のコツが凝縮された「日経DIクイズ」、新薬の処方監査・服薬指導のポイントや、臨床医による薬剤師向けコラムなど充実した誌面の全文を、雑誌と同じレイアウトで読むことができます。
雑誌だと置き場所に困りますが、アプリならスマホ一台にすべて入るため場所を取らないのも大きな魅力。
本棚内の複数号をまとめてキーワード検索できるので、業務中の調べ事にも便利です。
ひとつ注意点として、こちらのアプリを利用するには日経IDの登録が必要です。
アプリから有料申し込みすることは出来ず、まずはインターネットで「日経デジタル」のウェブサイトにアクセスして日経デジタルの有料会員に登録するか、日経DIの各号を単品購入する必要があります。
月額利用料は一般料金1080円(税込)、日経DIプレミアム版書籍の定期購読者では240円(税込)となっています。(2021年5月27日現在)
アプリで添付文書・医薬品情報を検索したい
添付文書情報はPMDA添付文書検索でネット検索するのが一般的ですが、システムメンテナンス時に一時的に閲覧できなくなることもありますよね。
そんなときでも、以下のアプリが便利です。
添付文書検索機能だけでなく、アプリによっては薬価や相互作用のチェック機能も付いているので業務を効率化できますよ。
リクナビ薬剤師が提供する『ヤクチエ』シリーズの『ヤクチエ添付文書』
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「添付文書をすばやく調べたい!薬価も一緒にすぐ知りたい!」そんな薬剤師におすすめなのが、リクナビ薬剤師が提供する『ヤクチエ添付文書』です。
添付文書情報だけでなく、剤型写真や薬価、同一成分の先発・後発品なども併せて調べることができるので使いやすさをとことん追求された医薬品事典と言うことができます!
起動や検索が早いので業務の合間に活用するにも便利です。
情報はほぼ月1回の頻度で更新されているので、乗り遅れずに知識をアップデートしていくことが可能です!
ちなみに、リクナビ薬剤師が運営する『ヤクチエ』には3種類のアプリがあり、添付文書ならば『ヤクチエ添付文書』、検査値は『ヤクチエ検査値』、業務必携の薬剤一覧表を見たい場合は『ヤクチエ早見表』をインストールするのがおすすめです。
『ヤクチエ添付文書』以外の2つのアプリについても、併せて紹介しますね。
ヤクチエ検査値
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医歯薬出版株式会社の書籍版「最新 臨床検査項目辞典」(櫻林郁之介・熊坂一成 監修)を許諾のもとで完全転載しているのが、この『ヤクチエ検査値』です。
完全無料で使用でき、書籍中の1166項目の臨床検査値について、基準値や異常値の解釈などを検索することができます。書籍内の図表も収載されているので、本一冊分の知識を得られて大変お得です。
検査値を業務中にすぐ参照したいときや、もう一度きちんと検査値を勉強し直したいときに重宝するアプリです。
ヤクチエ早見表
引用元:Google play
薬剤師が業務中に確認したくなる重要項目9項目を、早見表にまとめてくれているのがこの『ヤクチエ早見表』です。具体的な早見表の内容ですが、
- 【ステロイド剤の強度一覧 】:ステロイド剤の強さランク
- 【睡眠薬の効果長さ一覧 】:効果持続時間や作用発現時間
- 【糖尿病治療薬配合剤の成分一覧 】:糖尿病治療薬配合剤の成分と含有量
- 【吸入薬一覧】:デバイスや剤形、適応ごとの用法用量
- 【降圧薬一覧】:降圧薬の用法用量
- 【降圧薬配合剤の成分一覧 】:降圧薬配合剤の成分と含有量
- 【抗血小板薬・抗凝固薬の休薬期間一覧】:手術の内容に伴う抗血小板薬・抗凝固薬の休薬期間
- 【抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬の眠気強度、運転可否一覧】:経口抗ヒスタミン薬の眠気強度や発現・持続時間など
- 【後発品と適応が違う先発品の一覧】:先発品と後発品で一部の適応が違う医薬品
以上の9項目となっています。
…いかがでしょうか。実際に働いていて、とっさに知識が出てこなくて困った経験はありませんか?
薬剤師として働く以上、「覚えていない」では済まされないこの9項目を無料で閲覧できるのが、『ヤクチエ早見表』の魅力です。
実用的な早見表が欲しいという方には、ぜひ検討してもらいたいアプリと言えます。
安心処方infobox
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医療情報とテクノロジーを提供するグローバル企業IQVIAソリューションズジャパン株式会社が提供する『安心処方infobox』は、医薬品の副作用・相互作用、医療用・OTCの安全性情報の検索に強い無料アプリです。
医師・薬剤師・看護師・介護士・大学関係者限定で、もともとwebサービスだったものがアプリになって使いやすくなっています。
相互作用をすばやく確認したいという人におすすめしたいのがこのアプリ。
相互作用サーチが便利で、10薬剤まで薬剤指定し、2薬剤間の相互作用の有無が検索可能です。医療用医薬品とOTC医薬品の相互作用検索もできるのが便利です。
緊急安全性情報や使用上の注意の改訂情報も随時掲載されているので、情報のアップデートに役立ちます。
アプリで保険調剤を学ぶことができるサービス
保険薬局で健康保険の調剤に従事する薬剤師は、保険薬剤師として「保険調剤のルール」を熟知していることが業務の前提となります。
しかし、医薬品の知識は豊富であるにもかかわらず、保険制度の理解が足らないまま働いてしまう薬剤師も少なくありません。
保険調剤を自信を持って行いたい方にぜひ検討してほしいのが、次のアプリです。
薬トレ保険調剤
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保険制度や調剤報酬の知識に不安がある薬剤師の人には、『薬トレ保険調剤』がおすすめです。
大手薬局チェーン・日本調剤をグループ会社に持つ、株式会社メディカルリソースが提供する薬剤師用アプリで、無料で使用することができます。
このアプリは「保険制度と調剤実務」「調剤報酬」「服薬指導と薬歴管理」3章から構成されており、医療保険制度や調剤報酬の仕組み・詳細や、処方せんの読み方、調剤過誤防止のための注意点、服薬指導時のポイント等が集約されています。
「赤シート機能」で、ページ内の赤字になっている箇所を消したり出したりすることができます。暗記するのに便利ですね!
年に1回、調剤報酬の改定を踏まえて更新されるため、最新の保険知識を身につけながらスキルアップしていくことができますよ。
データベースをアプリでチェック!スマホでいつでも携帯
膨大なデータを書籍で持ち歩くのは、大変ですよね。
そんなときにもアプリがあれば、スマホ一台で解決できるので軽くて便利です。次の2つのアプリを紹介します。
治療薬ハンドブック
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薬剤師におなじみの、株式会社じほうの医薬品情報集『治療薬ハンドブック』のアプリ版です。
この「治療薬ハンドブックアプリ」は、『治療薬ハンドブック』の書籍版を購入した人のみ、特典として無料で使用することができます。
『治療薬ハンドブック』を使っている薬剤師は、このアプリもインストールすることをおすすめします!
分厚い辞典を持ち歩かずに、書籍の内容をサクサクとスマホで検索することが可能ですよ。
アプリで便利なのが「医薬品JANコード・GS1コード検索機能」で、起動時画面で医療用医薬品のJANコード・GS1コードを撮影し、フォーカスが合うと自動的にコード検索して薬剤名等を表示してくれます。
MSDマニュアルプロフェッショナル版・家庭版
MSD株式会社が提供する、医学事典「MSDマニュアル」の日本語版モバイルアプリがこの『MSDマニュアルプロフェッショナル版(家庭版)』です。
MSDマニュアルはWebサイト版をインターネットで見ることができますが、このアプリでダウンロードすると、オフライン環境でも情報を閲覧できるので大変便利です。
「MSDマニュアル」はMSD株式会社が社会貢献事業として約120年に渡って提供し続けている医学事典で、病気の診断・治療、子どもの発達、高齢者介護など幅広い分野で信頼性の高い医学情報が公開されています。
患者さんの病態について基礎知識からしっかり学びたい薬剤師に、MSDマニュアルがおすすめです。
医師ら専門家向けのプロフェッショナル版、一般向けの家庭版がありますから、「とりあえず、かいつまんで病態について確認したい」というような場合は「家庭版」をチェックすると効率的ですよ。
検査値や投与量の計算をアプリで効率化したい
腎機能や投与量の計算は、とっさに行わなければならないにもかかわらず、不慣れだと手惑うことも多いものです。
そんなときに安心なのが、こちらの計算アプリです。
抗生剤や抗癌剤の計算をすばやく安心に行えたり、バラ錠を即座にカウントできたりと、業務の効率化にも役立ちますよ。
HOKUTO医師向け医療ガイドライン、薬辞典
引用元:『HOKUTO医師向け医療ガイドライン、薬辞典』アプリ内画像
この『HOKUTO医師向け医療ガイドライン、薬辞典』は多機能で、ガイドラインや医薬品添付文書、Pubmedの論文などを検索することもできるのですが、とくにおススメの機能が「抗菌薬計算」です!
この抗菌薬計算で、腎機能(クレアチニンクリアランス値)の応じた投与量や投与間隔を記載してあり、患者の年齢・体重・血清Cr値が分かればクレアチニンクリアランスを算出してくれるため、患者に適した投与量と間隔をすぐ調べることができます。
開発元の株式会社HOKUTOは医師向けアプリを複数展開している企業で、このアプリも医師向けですが、薬剤師でも完全無料で使用できるのが魅力的ですよね。
MSDマニュアルプロフェッショナル版へのリンクもあり、ガイドラインや論文と合わせて、病態をしっかり勉強したい薬剤師にもおすすめです。
株式会社HOKUTO
投与量計算機
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大鵬薬品工業株式会社が提供しているアプリ『投与量計算機』は、抗癌剤の適正使用を推進するために開発したもので、医師・薬剤師・看護師などの医療従事者向けのアプリです。
大鵬薬品の抗癌剤である「ティーエスワン」「アブラキサン」「ロンサーフ」の投与量計算と、腎機能・体表面積を簡単に算出することができるので、忙しい業務中にも素早く参照できて役立ちます。
これらの抗癌剤を扱っている薬剤師は導入すると安心ですよ。
Mediscount
引用元:Google play
韓国企業のMedilityが提供するバラ錠カウントアプリ『Mediscount』を使うと、バラの錠剤やカプセルを写真で撮影するだけで、一種運のうちに高精度で数えげることが可能です。
100錠以上の錠剤が含まれている写真を、0.5秒程度でカウントしてくれるので在庫管理の効率化に役立てることができます。
言語がハングル語または英語であること、職場や氏名、メールアドレスなどの個人情報の登録が必要となることに注意が必要です。
シフト管理・連絡ツールに使えるアプリ
最後に、シフト管理や職場メンバー間での連絡手段として利用できるアプリをご紹介します。
シフトヤ
『シフトヤ〜薬剤師のシフト管理表&スケジュール帳アプリ』は、100人の薬剤師の意見をもとに作成された、薬剤師専用の勤務表アプリです。
提供元のメディクル株式会社は医療・介護・保育で働く人向けのサービスを展開しており、薬剤師用の「シフトヤ」のほかにも看護師用の「シフトナ」、介護士用の「シフトカイゴ」なども提供しています。
シンプルな使いやすさを重視したレイアウトなので見やすく使いやすいのが特徴です。
30秒で1ヶ月分のシフトが入力でき、 lineやメールで勤務表を友人に共有することができたり、同じシフトに入る勤務メンバーも管理できたりと便利ですよ!
シフト管理を簡単にしたいという薬剤師におすすめです。
引用元:メディクル株式会社
メディライン
『メディライン』は医師や薬剤師、訪問看護師など複数の医療スタッフ同士が連携してオンライン上でやり取りするためのメディカルメッセージサービスアプリです。
個人で使用するアプリではなく、複数の医療スタッフが患者情報や勉強会資料などを共有したり、スタッフの連絡網として使用したりするアプリです。
職場全体で導入することにより、スタッフ間の情報共有がスムーズになり、薬剤師会やセミナーなどの資料配布が容易にできます。
提供元は医療用ソフトウェア、アプリケーションの企画開発などを手掛ける株式会社シェアメディカルです。
引用元:Google play
まとめ
以上、薬剤師業務に使えるおすすめのアプリを用途別に13種類ご紹介しました。
自分のニーズに合わせたアプリを使って、日々の勉強や業務に役立ててくださいね。
*なお、各アプリをインストール・利用する際はそれぞれの利用規約等を精読の上、ご自身の判断でご利用ください。
*当記事の記載内容は2021年5月27日時点の情報です。
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