薬剤師のスキルアップに役立つ資格!収入アップや転職に有利なのは?

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薬剤師って勤勉で認定資格、FPやスポーツファーマシストなど様々な資格に興味を持つ方も多です。あなたもその1人なのではないでしょうか?

「薬剤師としてスキルアップしたいけれど、何から始めたらよいか分からない」

「薬剤師のスキルアップに役立つ資格にはどんなものがあるの?」

薬剤師としてスキルアップしたいけど、どんな資格があり、本当にためになる資格なのか正直わからない方も多いのではないでしょうか?

私は現在薬局で働いていますが、薬剤師を目指し始めた当初は、病院薬剤師になって専門薬剤師の資格を取ることを考えていました。

今回は当時のリサーチ内容をもとに、薬剤師のスキルアップに役立つ資格について解説します。

スキルアップといってもさまざまな方向性があります。

がむしゃらに資格の勉強を始めても、取得した資格を今の職場で活かせるかどうかは分かりません。

記事を読んで、スキルアップの方向性と今すぐできるファーストステップを知りましょう。

本記事内では主に、認定薬剤師などの薬剤師に関わる資格について解説しています。

ただ結論からいってしまうと薬剤師として役に立つ資格と収入アップに繋がる資格は全く別です。

知識アップなどを目的としているなら薬剤師関連の資格をとった方がよいですが、収入アップに繋げたいなら他の資格をとった方がよいでしょう。

例えば宅建や社労士など薬剤師関連以外の資格をとることで副業や不動産系に強くなり、薬剤師とは別の収入を得ることで年収アップなども可能。

薬剤師とは違う他の資格に興味がある方はアガルートというサイトでオンライン講座が受講できるので資料請求などしてみるとよいでしょう。

目次

他の薬剤師と差別化!?資格を取ることで得られる3つのメリット

まずは、資格を取得するメリットの紹介です。

薬剤師国家試験に合格すれば誰でも薬剤師として仕事ができますが、さらに資格を取得することで他の薬剤師との差別化が図れます。

資格取得を通したスキルアップをすることのメリットは3つです。

最新の知識を現場に還元できる

1つ目のメリットは、勉強した分野のエキスパートとして現場で活躍できることです。

資格を取得するためには、特定の領域についてより深く学ぶ必要があります。

そして一度取得したら学び続けることになるので、頭の中の情報が常にアップデートされていきます。

最新かつ専門性の高い情報を提供できる薬剤師は、どの現場でも重宝されるでしょう。

信頼度アップにつながる

2つ目のメリットは、他の医療従事者や患者さんからの信頼度アップにつながることです。

他の医療従事者が知らない情報を提示することでより質の高い医療を患者さんに提供できたり、患者さんが抱える不安や疑問を迅速に取り除くことができるからです。

特定の分野に精通した薬剤師だからこそできる処方提案で他の医療従事者に新たな気づきを与えられれば、あなたの価値はグッと高まるでしょう。

また、的確な情報をもとに分かりやすい説明ができれば、患者さんはきっと安心して治療を受けられるはずです。

資格取得は周りからの信頼度を高める上で大いに役立ちます。

年収アップの可能性が高まる

3つ目のメリットは、年収アップの可能性が高まることです。

現場での貢献度や信頼度が上がれば、お金として自分に還元されやすくなります。

例えばがん専門薬剤師の資格を持ってがん専門病院で仕事をすれば、自分の知識やスキルが現場で求められているものにマッチするので、年収が上がる可能性が高まります。

現場のニーズと取得した資格が合わない場合は無条件に年収アップを望むのは難しいですが、給料の交渉は有利に進みやすくなるでしょう。

今いる環境や目指す環境で必要とされている知識と技術を身につけて年収がアップすれば、現場にとっても自分にとってもプラスになりますね。

薬剤師としての専門性アップ!認定薬剤師と専門薬剤師の違い

薬剤師のスキルアップには大きく2つの方向性があります。

1つ目は薬剤師としての専門性を高めること、2つ目は薬学以外の資格取得を通して知識の幅を広げることです。

このパートでは、専門性を高める際に役立つ「認定薬剤師」と「専門薬剤師」について解説します。

認定薬剤師

特定の分野における専門薬剤師になる上でのファーストステップとなる資格です。

現場経験を前提として、専門分野に関連する研修や試験を受けることで認定されます。

分野によっては、専門薬剤師ではなく認定薬剤師が最上位とされている場合もあります。

専門薬剤師

認定薬剤師を取得した上で、さらなるステップアップを目指す方のための資格です。

認定薬剤師同様、専門分野に関する研修や試験を受けることは必須です。

加えて、分野によっては論文執筆や学会発表を求められることもあります。

専門性を高める第一歩!領域別認定薬剤師の種類と道のり

薬剤師として専門性を高める方向にスキルアップすることを考えている方は、まず最初の目標として認定薬剤師の資格取得がおすすめです。

認定薬剤師には以下の領域からなる20の資格があります。

  • がん領域
  • 感染症領域
  • 精神科領域
  • 産婦人科領域
  • 小児科領域
  • 腎臓病領域
  • 糖尿病領域
  • 漢方領域
  • 実務実習関連
  • その他

認定薬剤師取得の条件や資格の難易度、資格取得のために今すぐできるファーストステップをまとめました。

難易度は、資格取得までに必要とされる現場経験、学会発表や論文執筆などの研究要素、到達レベルをはかる試験などの条件をもとに設定しています。

 興味がある分野や今の環境で役立ちそうな領域から選んでみてください。

がん領域

がん薬物療法認定薬剤師

難易度:★★★★☆

認定機関:日本病院薬剤師会

 

がん薬物療法に対する高度な知識と技術を身につけている薬剤師として認定される資格です。

資格取得を通して、病院や診療所でのがん薬物療法に関する知識、技能、現場経験が得られます。

一般の病院業務に必要なスキルは習得した上で、がん領域に精通した薬剤師として差別化を図れます。

 

後述しますが、がん薬物療法認定薬剤師の資格を得るためには、日病薬病院薬学認定薬剤師の資格を取得していなければなりません。

資格取得の過程で、病院薬剤師としてチーム医療に主体的に参加できる実践力も鍛えられるでしょう。

そしてがん治療において薬の専門家としてチーム医療に関わり、他の医療従事者に助言・提案しながらより最適ながん薬物療法の実現に貢献できます。

さらに、治療に対する患者さんやご家族の理解度を深め、安心して治療を受けられるようフォローすることも、がん薬物療法認定薬剤師ならではの重要な役割です。

資格取得のための詳しい条件は以下の通りです。

(1)日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。

(2)薬剤師としての実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、別に定める団体のいずれかの会員であればこれを満たす。

(3)別に定める学会のいずれかの会員であること。

(4)日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度 により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。

(5)申請時において、病院または診療所に勤務し、がん薬物療法に3年以上、かつ、申請時に引き続いて1年以上従事していること(所属長の証明が必要)。

(6)日本病院薬剤師会が認定する研修施設(以下「研修施設」という。)において日本病院薬剤師会が別に定める実施要綱・コアカリキュラムに基づく実技研修を履修していること、または、研修施設において3年以上、がん薬物療法に従事していること (所属長の証明が必要)。

(7)日本病院薬剤師会が認定するがん領域の講習会、及び別に定める学会が主催するがん領域の講習会などを所定の単位(40時間、20単位以上)履修していること。 ただし、40時間のうち日本病院薬剤師会主催のがん専門薬剤師に関する講習会 12時間、6単位以上を取得すること。

(8)がん患者への薬剤管理指導の実績50症例以上(複数の癌種)を満たしていること。

(9)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(10)日本病院薬剤師会が行うがん薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。

がん薬物療法認定薬剤師認定申請資格に関する事項

 

1.(2)で「別に定める団体」とは、以下の通りである。

● 日本薬剤師会 ● 日本女性薬剤師会

2.(3)、(7)で「別に定める学会」とは、以下の通りである。

● 日本医療薬学会 ● 日本癌治療学会 ● 日本薬学会 ● 日本臨床腫瘍学会 ● 日本臨床薬理学会

● 日本緩和医療学会 ● 日本癌学会 ● 日本緩和医療薬学会 ● 日本臨床腫瘍薬学会

3.(7)で「日本病院薬剤師会が認定するがん領域の講習会」とは、以下の団体が実施す る講習会である。

● 日本病院薬剤師会 ● 日本病院薬剤師会が実施するeラーニング

● 各都道府県病院薬剤師会(ブロック開催も含む)

4.(6)に定める実技研修の履修者に限り(7)の「日本病院薬剤師会が認定するがん領域の講習会」として、以下に定める機関が実施する講義研修を認める。

● がん専門薬剤師研修事業において日本病院薬剤師会が認定する研修施設

 

引用:日本病院薬剤師会

指定された学会の会員であることが、資格取得条件の1つになっています。

後ほど資格取得にかかる費用を示しますが、日本病院薬剤師会の会員と非会員では認定審査料が異なります。

まだ学会に所属していない方は、日本病院薬剤師会に入会するのがおすすめです。

 

また、がん薬物療法認定薬剤師を取得するには、現場でがん薬物療法に携わっている必要があります

今の職場でがん薬物療法の処方を経験できない場合は、現場経験を積める職場に転職することがファーストステップです。

すでに現場経験を積める環境にいる場合は、研修の申し込みを済ませましょう。

研修の申し込みはこちら(「日病薬専門領域」のタブに募集に関するお知らせがあります)

 

最後に認定薬剤師の認定期間及び資格取得と更新にかかる費用をまとめました。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
 認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定/更新)

緩和薬物療法認定薬剤師

難易度:★★★★☆

認定機関:日本緩和医療薬学会

 

緩和薬物療法認定薬剤師は、がん医療における緩和医療の重要性が認知され始めたことで作られた制度です。

緩和医療が普及する中で、患者さんのQOLを維持しながらがん治療を行うことが求められるようになりました。

そこで1人1人の患者さんに適切な緩和医療を提供するために、現場の薬剤師が医療用麻薬の適正使用支援など、より専門的な知識や技能を身につける必要性が出てきています。

緩和薬物療法認定薬剤師の資格を取得することで、緩和医療に関する現場経験と知識、研究活動や症例報告の実績などが蓄積されます。

高齢化が進みがん患者が増え、緩和ケア病棟やホスピスなどの施設に対するニーズが高まることが予想される中で、緩和薬物療法に対する専門知識を身につけた薬剤師は今後ますます重宝されるでしょう。

 

緩和薬物療法認定薬剤師の資格取得には、下記10の条件が必要です。

  1. 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること
  2. 申請時において、薬剤師としての実務歴を5年以上有する日本緩和医療薬学会(以下、本学会)の会員であること。
  3. 申請時において、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、あるいは日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師のいずれかであること。
  4. 申請時において、引き続いて3年以上、緩和ケアチームまたは緩和ケア病棟を有している病院、診療所等のいずれかの施設において緩和医療に従事している薬剤師であること(所属長の証明が必要)、あるいは申請時において、引き続いて3年以上、麻薬小売業者免許を取得し、かつ、がん診療を行っている在宅療養支援診療所等の医療機関と連携する保険薬局等に勤務し、緩和医療に従事していること(依頼する医師および薬局開設者の証明が必要)。
  5. 過去5年以内で、かつ、本会会員として認定対象となる講習等を所定の単位(計100単位、毎年20単位)以上履修していること。過去5年以内に、疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会(がん疼痛緩和と医療用麻薬の適正使用推進のための講習会)(厚生労働省、麻薬・覚せい剤乱用防止センター等主催)に1回以上参加していること。
  6. 薬剤師として実務に従事している期間中に、本学会年会あるいは別に規定する学術集会において緩和医療領域に関する学会発表(一般演題)を2回以上(少なくとも1回は発表者)行っていること。
  7. 病院等に勤務する薬剤師は緩和医療領域薬剤管理指導の実績について本学会所定の様式に従い30症例提示できること。保険薬局に勤務する薬剤師は緩和医療領域服薬指導等の実績について本学会所定の様式に従い15症例提示できること。
  8. 所属長(病院長あるいは施設長等)または保険薬局においては開設者の推薦があること。
  9. 上記 ⅰ~ⅷのすべてを満たした者は本学会が行う緩和薬物療法認定薬剤師認定試験を受験できる。
  10. 認定試験に合格した者は認定の申請を行うことができる。

引用:日本緩和医療薬学会

上記の条件を満たすと認定試験の受験資格が得られ、試験に合格すると認定薬剤師の資格申請ができます。

生涯研修認定制度による認定薬剤師または医療薬学専門薬剤師の資格を取得していることが前提条件にあるので、まだ取得していない方はそちらを先に取得しましょう。

認定薬剤師は所定の講座やe-ラーニングを受講することで取得できるので、ファーストステップとしては認定薬剤師をおすすめします。

そして認定薬剤師または医療薬学専門薬剤師の資格を取得している方は、日本緩和医療学会が指定する講習等を受講して単位を取得する必要があります。

緩和医療学会に入会していないと講習を受けても単位として認められないので、受講前に必ず学会への入会を済ませてください。

また、緩和薬物療法認定薬剤師もがん薬物療法認定薬剤師と同様、現場での実務経験が必須です。

今働いている職場が緩和ケアに携われる病院や診療所、薬局ではない場合、転職も考慮しなければなりません。

今いる環境でのニーズと身につけたいスキルのどちらを優先するかは十分に検討しましょう。

 

最後は認定期間および資格申請と更新にかかる費用をチェック。

認定期間 5年
更新審査料 10,000円(税込)

参照:日本緩和医療薬学会

※新型コロナウイルスの影響で2020年度の募集は中止しており、最新の申請費用は記載なし

外来がん治療認定薬剤師

難易度:★★★☆☆

認定機関:日本臨床腫瘍薬学会

 

外来でのがん薬物療法を安全に行うための知識と技能を身につけていて、地域がん医療において患者さんと家族をトータルサポートできる薬剤師であることを認定する資格です。

新たな抗がん剤や分子標的薬の登場により、外来でがん薬物療法を受けられる患者さんが増えてきました。

外来でがん薬物療法を行えることでQOLが向上する一方、自宅での治療に不安を抱える患者さんのフォローが必須になっています。

資格を取得することで、がん治療をしている患者さんやがん治療に関わる医療従事者からの信頼度が高まり、病院でも薬局でも頼られる存在になれます。

勉強したことを現場に還元できるので、大きなやりがいにつながるでしょう。

 

資格取得に必要な条件は以下の通りです。

1.1 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること。

1.2 薬剤師としての実務の経験を3年以上有すること。

1.3 本法人の正会員であって、申請の時点で会費が未納でないこと。

1.4 日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師、日本薬剤師会生涯学習支援システム「JPALS」クリニカルラダーレベル5のいずれかの認定を取得していること。

1.5 本法人が認定するがん領域の講習または研修で60単位以上を履修していること。

1.6 外来のがん患者の薬学的介入実績の要約(事例)を10例提出すること。

1.7 所属施設長の同意があること。

1.8 上記1.1~1.7をすべて満たし、申請手続き上の不備・不足がなかった者は、本法人が実施する外来がん治療認定薬剤師認定試験の筆記試験を受験できる。

1.9 事例審査および筆記試験の合格者は面接試験の受験資格を得る。

1.10 認定試験すべてに合格したものは認定の登録申請をすることができる。

引用:日本臨床腫瘍薬学会

平成31年に実施された認定試験の合格率は41%と半分に満たないことから、難易度は比較的高いといえます。

1.6の条件より、現場での実務経験も必須です。

ファーストステップとしては、1.4の条件に記載されている認定薬剤師の資格取得が挙げられます。

参考までに、病院薬剤師と薬局薬剤師それぞれの研修認定薬剤師制度に関するページを掲載するのでご覧ください。

日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師

日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師

 

認定期間、資格申請と更新にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 3年
審査・試験料 22,000円(税込)
登録料 11,000円(税込)
更新審査料 16,500円(税込)

参照:日本臨床腫瘍薬学会(申請/更新)

感染症領域

感染制御認定薬剤師

難易度:★★☆☆☆

認定機関:日本病院薬剤師会

 

感染制御に関する知識と技能が一定の水準に達している薬剤師に対して認定される資格です。

上位の資格として感染制御専門薬剤師があるので、さらなるステップアップもできます。

資格取得に向けた勉強を通して、感染制御だけでなく衛生的な環境づくりを行うための知識も身につきます。

医療現場では、感染症治療の専門家として大いに貢献できるでしょう。

衛生面の知識を活かして、感染予防や正しい消毒方法の研修を行うこともあります。

 

資格取得に必要な条件は下記の通りです。

(1)日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。

(2)薬剤師としての実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であること。た だし、別に定める団体のいずれかの会員であればこれを満たす。

(3)別に定める学会のいずれかの会員であること。

(4)日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度 により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。

(5)申請時において、病院または診療所に勤務し、3年以上、かつ、申請時に引き続い て1年以上施設内において、感染制御活動(院内感染防止対策委員会、院内感染対 策チーム、抗菌薬適正使用支援チーム(以下、委員会・チーム)の一員、委員会・ チームと連携した活動、あるいは他施設の委員会・チームと連携した活動など)に 従事していること(所属長の証明が必要)。

(6)施設内において、感染制御に貢献した業務内容及び薬剤師としての薬学的介入によ り実施した対策の内容を20例以上報告できること。

(7)日本病院薬剤師会が認定する感染制御領域の講習会、及び別に定める学会が主催す る感染制御領域の講習会などを所定の単位(20時間、10単位)以上履修してい ること。 ただし、日本病院薬剤師会主催の感染制御に関する講習会を1回以上受講している こと。

(8)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(9)日本病院薬剤師会が行う感染制御認定薬剤師認定試験に合格していること。

 

1.(2)で「別に定める団体」とは、以下の通りである。

● 日本薬剤師会 ● 日本女性薬剤師会

2.(3)、(7)で「別に定める学会」とは、以下の通りである。

● 日本医療薬学会 ● 日本薬学会 ● 日本臨床薬理学会 ● 日本TDM学会

● ICD制度協議会に加盟している学会・研究会

3.(6)で「感染制御に貢献した内容」とは、以下の通りである。

● 院内ラウンドの実施 ● 薬物血中濃度モニタリング業務への参画

● 院内感染対策マニュアル及び抗菌薬使用ガイドラインの作成

● 感染制御に関する各種サーベイランスへの参加 等

4.(7)で「日本病院薬剤師会が認定する感染制御領域の講習会」とは、以下の機関ま たは団体が実施する講習会である。

● 厚生労働省・都道府県 ● 日本病院薬剤師会 ● 日本病院薬剤師会が実施する e ラーニング

● 各都道府県病院薬剤師会(ブロック開催も含む)

5.(7)で「別に定める学会が主催する感染制御領域の講習会など」に、次の講習会を 対象とする。

● ICD協議会が主催する講習会 ● 四病院団体協議会のICS養成のための講習会

引用:日本病院薬剤師会

病院や診療所にて3年以上感染制御活動に従事した経験が必要です。

薬剤師としての実務経験も3年以上必要なので、1年目から感染制御にかかわることができれば最短で経験を積むことができますね。

学会会員は日本病院薬剤師会でなくても構いませんが、日本病院薬剤師会の会員と非会員で受験料が異なります。

まだどこの学会にも入会していない方は、日本病院薬剤師会に入ることをおすすめします。

その後は必要な単位数の取得と症例報告の準備を始めます。

ただし、日病薬病院薬学認定薬剤師でない方は、先に認定薬剤師の資格を取得しましょう。

日病薬病院薬学認定薬剤師についてはこちら

すでに取得済みの方は、感染制御に関する講習会受講を始めてください。

 

最後は認定期間、資格申請及び更新にかかる費用のまとめです。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定期間/認定/更新)

抗菌化学療法認定薬剤師

難易度:★★☆☆☆

認定機関:日本化学療法学会

 

抗菌化学療法に関して十分な知識と技能を習得していることを認める資格です。

血中薬物濃度モニタリング(TDM)を活用して抗菌薬の投与設計を医師に提案したり、感染制御チーム(ICT)内で薬の専門家として貢献したりと、幅広い活躍の場が期待できます。

ICTの一員になれば、薬物療法のサポートのみにとどまらず、院内感染予防や職員教育、職員健康管理や抗菌薬の適正使用など、多岐にわたる業務を経験できるでしょう。

万が一院内感染が起こってしまった場合や伝染性感染症のパンデミック時などにも対応が求められます。

抗菌薬のスペシャリストとして活躍したい薬剤師におすすめです。

 

資格取得に必要な条件を下記に示します。

  1. 本邦における薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格及び抗菌化学療法の見識を備えている。
  2. 申請時に、薬剤師として抗菌化学療法に5年以上かかわっていることを示す所属する施設長又は感染対策委員長の証明が得られる。
  3. 申請時において、本学会の正会員である。
  4. 医療機関において、薬剤管理指導・TDM(治療薬物モニタリング)・DI(医薬品情報)などの業務を通じて感染症患者の治療(処方設計支援を含む)に自ら参加した15例以上の症例を報告できる。
  5. 本学会の抗菌薬適正使用生涯教育セミナー・認定委員会の指定する研修プログラムなどにおいて、別に定める単位数を取得している。

引用:日本化学療法学会

現場での抗菌化学療法が5年以上必要なので、ある程度取得までに時間がかかります。

今すでに経験を積める環境にいるのであれば、症例報告ができるように少しずつ準備を進めましょう。

同時並行で単位の取得もできるとなおスムーズです。

新生児に日本化学療法学会の会員になることも覚えておきましょう。

 

認定期間と資格取得までに必要な費用は以下の通りです。

認定期間 5年
申請・更新料 10,000円(税込)

参照:日本化学療法学会

HIV感染症薬物療法認定薬剤師

難易度:★★★☆☆

認定機関:日本病院薬剤師会

 

HIV感染症の知識やスキル、コミュニケーション力を学ぶとともに、臨床経験もある薬剤師として認められる資格です。

HIV感染症治療に使われる薬剤の特徴を理解して、患者さんに最適なサポートを提供します。

HIV感染症に使われる薬の中には重大な副作用を起こす可能性のある薬剤などもあるため、治療を行う本人だけでなく、家族や周りの人に理解してもらえるよう説明する必要があります。

患者さんや家族の理解を得て服薬コンプライアンスを向上させることも重要な役割です。

 

資格認定条件は以下の通りです。

(1)日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。

(2)薬剤師としての実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であること。た だし、別に定める団体のいずれかの会員であればこれを満たす。

(3)別に定める学会のいずれかの会員であること。

(4)日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度 により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。

(5)申請時において、病院または診療所もしくは保険薬局に勤務し、HIV感染症患者 に対する指導に3年以上、かつ、申請時に引き続いて 1 年以上従事していること(所 属長の証明が必要)。

(6)日本病院薬剤師会が認定する研修施設(以下「研修施設」という)において、日本 病院薬剤師会が主催するHIV感染症薬物療法認定薬剤師養成研修(実地研修を1 6時間以上)を履修していること、または、研修施設において3年以上、HIV感 染症患者に対する指導に従事していること(所属長の証明が必要)。

(7)日本病院薬剤師会が認定するHIV感染症領域の講習会、及び別に定める学会が主 催するHIV感染症領域の講習会などを所定の単位(10時間、5単位)以上履修 していること。

(8)HIV感染症患者に対する指導実績が10症例以上を満たしていること。

(9)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(10)日本病院薬剤師会が行うHIV感染症薬物療法認定薬剤師認定試験に合格している こと。

 

1.(2)で「別に定める団体」とは、以下の通りである。

● 日本薬剤師会 ● 日本女性薬剤師会 ● 日本保険薬局協会

ただし、日本保険薬局協会は、会員である保険薬局に勤務する薬剤師であればこれ を満たす。

2.(3)、(7)で「別に定める学会」とは、以下の通りである。

● 日本医療薬学会 ● 日本薬学会 ● 日本臨床薬理学会 ● 日本エイズ学会

3.(5)、(6)、(8)で「HIV感染症患者に対する指導」とは、良好なコミュニケー ションを通して患者の意思を尊重した服薬支援など、薬物療法を中心とした総合的 な支援を行うことで、HIV感染症の薬物療法を有効かつ安全に実施できるよう努 めることである。

4.(7)で「日本病院薬剤師会が認定するHIV感染症領域の講習会」とは、以下の機 関または団体が実施する講習会である。

● 日本病院薬剤師会 ● 日本病院薬剤師会が実施する e ラーニング

● 各都道府県病院薬剤師会(ブロック開催も含む)

● 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 エイズ治療・研究開発センタ ー

● HIV/AIDSブロック拠点病院

● HIV感染症薬物療法認定薬剤師養成研修事業において日本病院薬剤師会が認 定する研修施設

引用:日本病院薬剤師会

薬剤師としての実務経験およびHIV感染症の症例に携わった経験がともに3年以上必要なので、資格取得を目指すならHIV感染症患者の指導を行える環境で実績を積むことをおすすめします。

日病薬病院薬学認定薬剤師の資格取得も合わせて求められているので、まだ認定を取得していない方は取得しましょう。

日病薬病院薬学認定薬剤師についてはこちら

認定薬剤師取得済みの方は、HIV感染症に関する指定の講習を受講して単位取得を始めてください。

講習にはe-ラーニングもあるので、都合をつけるのが難しい場合はe-ラーニングで自宅学習もおすすめです。

 

最後に認定期間と必要な費用を示します。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定期間/認定/更新)

精神科領域

精神科薬物療法認定薬剤師

難易度:★★☆☆☆

認定機関:日本病院薬剤師会

 

精神疾患領域の薬物治療に関して、より深い知識や技術を身につけ、治療を有効かつ安全に行える薬剤師として認定されます。

精神疾患患者数が年々増え続ける中で、ニーズが高まるであろう資格です。

精神疾患患者の薬物治療は、効果や副作用の出方、アドヒアランスに個人差が大きく、また患者さんの生活習慣や環境によっても治療効果が左右されます。

薬の選択や量の細かな調整が必要になることが予想される中で、薬の専門家として適切な提案をすることや副作用のモニタリングをすることなどが主な業務です。

さらなるステップアップである精神科専門薬剤師を目指せます。

 

資格取得条件は以下の通りです。

(1)日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。

(2)薬剤師としての実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、別に定める団体のいずれかの会員であればこれを満たす。

(3)別に定める学会のいずれかの会員であること。

(4)日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度 により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。

(5)申請時において、精神科を標榜する病院または診療所もしくは精神科の処方せんを 応需している保険薬局に勤務し、精神科薬物療法に3年以上、かつ、申請時に引き 続いて1年以上直接従事していること(所属長の証明が必要)。

(6)日本病院薬剤師会が認定する精神科領域の講習会、及び別に定める学会及び団体が 主催する精神科領域の講習会などを所定の単位(40時間、20単位)以上履修し ていること。 ただし、日本病院薬剤師会主催の精神科に関する講習会を1回以上受講しているこ と。

(7)精神疾患患者に対する指導実績が30症例以上(複数の精神疾患)を満たしている こと。

(8)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(9)日本病院薬剤師会が行う精神科薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。

 

1.(2)で「別に定める団体」とは、以下の通りである。

● 日本薬剤師会 ● 日本女性薬剤師会 ● 日本保険薬局協会

ただし、日本保険薬局協会は、会員である保険薬局に勤務する薬剤師であればこれ を満たす。

2.(3)で「別に定める学会」とは、以下の通りである。

● 日本医療薬学会 ● 日本生物学的精神医学会 ● 日本薬学会 ● 日本病院・地域精神医学会

● 日本臨床薬理学会 ● 日本社会精神医学会 ● 日本精神神経学会 ● 日本老年精神医学会

● 日本神経精神薬理学会 ● 日本精神科救急学会 ● 日本臨床精神神経薬理学会 ● 日本認知症学会

● 日本精神薬学会

3.(6)で「別に定める学会及び団体」とは、以下の通りである。

● 日本医療薬学会 ● 日本生物学的精神医学会 ● 日本薬学会 ● 日本病院・地域精神医学会

● 日本臨床薬理学会 ● 日本社会精神医学会 ● 日本精神神経学会 ● 日本老年精神医学会

● 日本神経精神薬理学会 ● 日本精神科救急学会 ● 日本臨床精神神経薬理学会

● 日本精神科病院協会 ● 日本認知症学会 ● 日本精神薬学会

4.(6)で「日本病院薬剤師会が認定する精神科領域の講習会」とは、以下の団体が実 施する講習会である。

● 日本病院薬剤師会 ● 日本病院薬剤師会が実施する e ラーニング

● 各都道府県病院薬剤師会(ブロック開催も含む)

引用:日本病院薬剤師会

病院薬剤師でも薬局薬剤師でも目指せるのがポイントです。

精神科薬物療法に3年以上携わった経験が必要なので、環境が整っている人は30症例以上に携われるよう継続しましょう。

申請時に現場から離れてしまっていると経験を積んでいても条件として認められないのでご注意ください。

合わせて講習会の単位取得もスタートしておくとよいですね。

また、指定された学会の会員になる必要があるので申請前までには入会しましょう。

日本病院薬剤師会の会員と非会員では認定審査料が異なるので、まだ何も学会に入っていない方は日本病院薬剤師会の会員になることをおすすめします。

 

認定期間及び資格取得にかかる費用を最後にお示しします。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定期間/認定/更新)

 産婦人科領域

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師

難易度:★★★☆☆

認定機関:日本病院薬剤師会

 

妊娠・授乳期における安全かつ適切な薬物治療を行うための知識と技術を兼ね備えた薬剤師として認定されます。

妊娠中の女性が抱える症状や疾患について、胎児の月齢にあった治療方法の選択と提案が求められます。

医師をはじめとする医療従事者への提案にとどまらず、患者さんの不安や悩みを理解しながら、薬について正しい理解が得られるよう服薬指導を行うのも重要な役目です。

妊婦・授乳婦に対する薬物治療の専門家として、母体・胎児・乳児にとって最適な治療を提供する上で大いに貢献できるでしょう。

さらなるステップアップとして妊婦・授乳婦専門薬剤師を目指すことも可能です。

 

資格認定条件は以下の通りです。

(1) 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。

(2)薬剤師としての実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であること。た だし、別に定める団体のいずれかの会員であればこれを満たす。

(3)別に定める学会のいずれかの会員であること。

(4)日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度 により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。

(5)申請時において、病院または診療所に勤務し、妊婦・授乳婦の薬剤指導に3年以上、 かつ、申請時に引き続いて1年以上従事していること(所属長の証明が必要)。

(6)日本病院薬剤師会が認定する研修施設(以下「研修施設」という。)において、「模 擬妊婦・模擬授乳婦とのロールプレイ」を含めたカウンセリング技術等や、情報評 価スキルの確認トレーニング等の実技研修を40時間以上履修していること、また は研修施設において3年以上、妊婦・授乳婦の薬剤指導に従事していること(所属 長の証明が必要)。

(7)日本病院薬剤師会が認定する妊婦・授乳婦領域の講習会、及び別に定める学会が主 催する妊婦・授乳婦領域の講習会などを所定の単位(20時間、10単位)以上履 修していること。 ただし、日本病院薬剤師会主催の妊婦・授乳婦に関する講習会を1回以上受講して いること。

(8)妊婦・授乳婦の薬剤指導実績が15症例以上(複数の疾患)を満たしていること。

(9)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(10)日本病院薬剤師会が行う妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師認定試験に合格している こと。

 

1.(2)で「別に定める団体」とは、以下の通りである。

● 日本薬剤師会 ● 日本女性薬剤師会

2.(3)、(7)で「別に定める学会」とは、以下の通りである。

● 日本医療薬学会 ● 日本産科婦人科学会 ● 日本薬学会 ● 日本小児科学会

● 日本臨床薬理学会 ● 日本先天異常学会

3.(5)、(6)、(8)で「妊婦・授乳婦の薬剤指導」とは、妊婦・授乳婦を対象とした 薬剤管理指導のうち、妊婦・授乳婦に対する薬物療法の胎児毒性・乳児毒性に関す る評価・カウンセリング、妊娠と薬情報センター(国が国立研究開発法人国立成育 医療研究センターに設置したもの)利用による妊婦・授乳婦カウンセリング等であ る。

4.(7)で「日本病院薬剤師会が認定する妊婦・授乳婦領域の講習会」とは、以下の機 関または団体が実施する講習会である。

● 日本病院薬剤師会 ● 日本病院薬剤師会が実施する e ラーニング

● 各都道府県病院薬剤師会(ブロック開催も含む)

● 妊娠と薬情報センター(国が国立研究開発法人国立成育医療研究センターに設 置したもの

引用:日本病院薬剤師会

病院や診療所で妊婦・授乳婦の症例に3年以上携わった経験が必要です。

申請時に1年以上妊婦・授乳婦の治療を経験していなければいけないため、今現場にいる方はぜひ継続してください。

異なる疾患に対する15症例以上の服薬指導実績が条件になるので、業務をしながら実績を積みましょう。

合わせて,指定の単位取得も始めましょう。

申請前には学会への入会も済ませておいてくださいね。

日本病院薬剤師会の会員と非会員で申請審査料が異なるので、どの学会に入るか迷っている方は日本病院薬剤師会に入会することをおすすめします。

 

認定期間及び資格取得にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定期間/認定/更新)

 小児科領域

小児薬物療法認定薬剤師

難易度:★★☆☆☆

認定機関:日本薬剤師研修センター

 

小児薬物療法の専門家として,適切な薬物療法を行えるよう支援するための資格です。

小児特有の疾患への対処や成人と異なる用法・用量など,小児ならではの注意点を加味して他の医療従事者に提案やアドバイスを行います。

小児薬物治療においては、本人もさることながら保護者の理解も必要です。

そのため、保護者に対して服用方法や治療の意図、副作用対策などを的確に伝えることも求められます。

少子高齢化が進む中で、医療従事者としての役割だけでなく、小児の健康を守るための仕組みづくりに向けた教育者としての側面も期待される役割の1つです。

 

資格取得条件は以下の通りです。

(1)研修センターと日本小児臨床薬理学会は、以下の(2)を満たし、3に定 める認定試験結果通知書の有効期間内に所定の手続きによって認定申請した 者を小児薬物療法認定薬剤師として認定する。

(2)認定の要件等 以下の要件を満たす薬剤師であること。なお、①の「小児薬物療法研修会」の 受講要件は、保険薬局または病院・診療所での実務経験が3年以上あり、現に 保険薬局または病院・診療所に勤務している薬剤師とする。

①研修センターと日本小児臨床薬理学会が実施する小児薬物療法研修会を修 了していること。

②認定試験に合格していること。

③研修センターに登録された、小児科病棟において薬剤管理指導業務を実施 している病院での1日(原則6時間)の小児関連実務研修を修了しているこ と。なお、本実務研修は、当該年の小児薬物療法研修開始以降、認定試験合 格年の末日(12 月末日)までに修了していること。

引用:日本薬剤師研修センター

まずは病院や診療所、保健薬局のいずれかで3年以上薬剤師としての実務経験を積みましょう。

症例報告等は必要とされていませんが、実務経験で小児医療に携わる機会があるとなお実践的ですね。

実務経験を積みながら、指定された研修を受講して認定試験に備えてください。

 

最後は認定期間と資格取得にかかる費用を下にまとめました。

認定期間 3年
受験料 11,000円(税込)
認定証発行手数料(初回・更新) 22,000円(税込)

参照:日本薬剤師研修センター

 腎臓病領域

腎臓病薬物療法認定薬剤師

難易度:★★★★☆

認定機関:日本腎臓病薬物療法学会

 

腎臓病患者に対する薬物療法の知識と技術を持ち合わせた薬剤師として認定されます。

腎機能が低下すると薬物動態が変わるので,変化を加味した処方提案が必要になります。

できる限り腎機能を保ちながら、患者さん1人1人の腎機能に合わせた薬の投与設計をするのが仕事です。

慢性腎障害だけでなく、急性腎障害や腎機能が未発達な小児への薬物治療など、幅広い分野で関わります。

腎臓病・透析・慢性腎障害等に対する知識を総動員して、患者さんのアドヒアランス向上と有効で安全な薬物治療の提供に貢献できるでしょう。

 

認定条件は以下の通りです。

(1)日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師としての優れた人格および識見を備えていること。

(2)薬剤師歴 5 年以上、申請時において 3 年以上本学会会員であること。薬剤師歴は医 療機関での常勤並み勤務の通算とする。また、直近 2 年間は常勤並みの継続勤務を必要と する。注 1)

(3)日本腎臓病薬物療法学会が示す単位基準の修得単位が、受験年の直近 4 年間で 12 単位以上あること(2020 年度の単位取得は問わない)。注 2)

(4)日本腎臓病薬物療法学会(日本腎と薬剤研究会も含む)、日本腎臓学会、日本透析医 学会、日本医療薬学会、日本薬剤師会学術大会などの全国レベルの学会や関連する国際学会 において、腎臓病および透析患者の薬物療法に関する学会発表が、申請年の直近 10 年間で 3 回以上(うち,少なくとも 1 回は筆頭発表者)あること。注 3)

(5)申請時に、直近 5 年間の 30 自験例を提出できること。注 4)

(6)認定試験(筆記試験)に合格した者 注 5)

 

注 1) 薬剤師歴 5 年以上とは、病院・診療所、保険薬局などの医療現場にて薬剤師として通 算 5 年以上従事 (勤務)していることを意味し、勤務状況を証明する文書が必要です。申 請受付開始日から遡っ て 2 年間(2019 年 5 月 1 日~2021 年 4 月 30 日)は継続勤務 (常勤並み)が条件となります。 会員歴の 3 年以上は、2019 年度・2020 年度・2021 年 度の会員であれば認められます。 学会の会員年度は前年の 9 月 1 日~本年の 8 月 31 日で、2021 年度会員は 2020 年 9 月 1 日~2021 年 8 月 31 日の年会費を納めている 人です(ご自身の学会歴は学会事務局にご確認ください)。

注 2) 直近 4 年間とは、申請受付開始日から遡って 4 年間が対象となります。したがって 2017 年 5 月 1 日~2021 年 4 月 30 日の 4 年間となります。

注 3) 全国レベルの学会には地方大会などは含まれません。単位基準一覧に示されている大 会での発表であれば間違いありません。また、発表内容は腎臓病および透析患者の薬物療法 に関するものが主である内容でなければならず、その内容は厳しく審査されます。 発表は 申請者オリジナルの研究発表(一般演題)である必要があります。シンポジストや教育講演 など は該当しません。

注 4) 直近 5 年間とは、申請受付開始日から遡って 5 年間が対象となります。提出方法は 別紙「認定薬剤師の 認定資格における自験例・提出要項」を参照下さい。

注 5) 合否判定は自験例と筆記試験の総合評価で決定します。

引用:日本腎臓病薬物療法学会

5年以上の実務経験,学会発表や症例報告など,研修の受講以外でもやるべきことが多く,取得までに時間がかかる事が予想されます。

出来る限り早く取得したい方は,早めに学会発表の機会を得られるよう,日々の業務の中で研究テーマを考えておくようにしましょう。

また、申請時時点で3年以上日本腎臓病薬物療法学会の会員でなくてはならないので、資格取得を決めたらまずは学会の会員になることをおすすめします。

 

なお,認定期間と資格取得にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 5年
書類審査料 11,000円(税込)
認定試験受験料 16,500円(税込)
更新料 11,000円(税込)

参照:日本腎臓病薬物療法学会(認定/更新)


糖尿病領域

糖尿病薬物療法認定薬剤師

難易度:★★★★☆

認定機関:日本くすりと糖尿病学会

 

糖尿病に関する資格はさまざまありますが,その中でも薬物療法に特化しているのが糖尿病薬物療法認定薬剤師の資格です。

糖尿病患者の数は増加していて、治療法も複雑化しているため、専門家の介入が必要不可欠です。

新薬の登場で複雑化した治療やインスリンの自己注射,低血糖やシックデイへの対応など幅広い知識を必要とされています。

患者さんにとって最適な薬物療法を、他の医療従事者と患者さんの双方に提案することが主な役割です。

現場での業務にとどまらず、研究領域での活躍も望まれています。

学会発表などを通して基礎薬学や医療薬学の向上を目指し、糖尿病薬物療法の発展に貢献できるでしょう。

 

資格取得条件は以下の通りです。

(1)日本国の薬剤師免許を有していること。

(2)本学会が認定した准認定薬剤師として2年以上継続して本学会会員であること。

(3)本学会が示す単位基準の習得単位が、受験年の直近2年間で20単位以上あること。

(4)本学会において、筆頭発表者として1回以上の学会発表があること。

(5)直近5年間の自験例を10例有すること。または、糖尿病に関連した原著論文が3報以上(うち1報以上は筆頭者)あること。

(6)本学会が開催するアドバンスト編技能研修会のすべての種類(過去5年以内)に参加していること。

引用:日本くすりと糖尿病学会

資格取得を決めたら、まずは日本くすりと糖尿病学会の会員になりましょう。

なぜなら、本会員になってから2年以上経過しないと認定薬剤師の資格を取得できないからです。

すでに学会会員になっている方は、指定された単位取得を始めてください。

単位取得の他に学会発表や症例報告が必要なことから,取得申請までの準備はある程度時間がかかることが予想されます。

糖尿病患者さんにかかわる機会がある場合は,報告できるように症例をまとめておきましょう。

 

最後は認定期間および資格取得にかかる費用を示します。

認定期間 5年
書類審査料 10,000円(税込)
認定試験受験料 15,000円(税込)
更新審査料 10,000円(税込)

参照:日本くすりと糖尿病学会(認定期間/申請・更新)

漢方領域

漢方薬・生薬認定薬剤師

難易度:★☆☆☆☆

認定機関:日本薬剤師研修センター

漢方薬や生薬を使った薬物療法において高度な知識と技術を持ち、症状に対する薬物療法を安全かつ適切に行える薬剤師として認められる資格です。

漢方は複数の生薬を患者さんに合わせて組み合わせて処方します。

そのため、患者さんの体質や病態、併用薬との飲み合わせを正しく判断して処方を決める必要があります。

漢方薬・生薬認定薬剤師として専門知識を持っていることで、患者さんへの服薬指導時により的確な説明ができるだけでなく、医師と連携して漢方薬の利用推進に貢献できます。

 

資格取得条件は以下の通りです。

1) 試問受験資格は次の2つのいずれかに該当するものとする。
① 上記の研修会に参加し、原則として、出席率80%以上で薬用植物園実習レポートを提出したものとする。受験資格は受講修了後2ヵ年有効とする。
② 認定期間が切れた翌年から10年以内の元漢方薬・生薬認定薬剤師であり、認定期限後、継続して漢方薬・生薬に関する研修で、原則として毎年2単位以上を取得したものとする。
2)試問の場所、期日等に関しては、研修センターが定め公表する。
3)試問合格者には「合格通知書」を発行する。合格通知書の有効期間は1ヵ年とする。ただし、本項1)の①における試問不合格者は「試問受験証明」により次年度の試問を受験することができるが、再受験は1回のみとする。

引用:日本薬剤師研修センター

「漢方薬・生薬研修会」への参加と 試問試験への合格が必要条件です。

漢方薬・生薬研修会の詳細はこちら

まずは指定された研修の受講を始めましょう。

 

認定期間および資格取得にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 3年
認定・更新手数料 22,000円(税込)

参照:日本薬剤師研修センター(認定期間/認定/更新)

 実務実習関連

日病薬認定指導薬剤師

難易度:★☆☆☆☆

認定機関:日本病院薬剤師会

 

病院で薬学生の実務実習を十分に行えるよう指導・監督するための資格です。

主に病院実習において、学生を指導・監督するためのアプローチ方法やマネジメントが学ぶことが可能です。

6年制の薬学教育課程が始まってから、長期の参加型実習がカリキュラムに組み込まれました。

薬学生が実習を通して医療従事者に必要な倫理観や問題解決能力を身につけられるよう導き、サポートすることが現場の薬剤師には求められています。

日病薬認定指導薬剤師は、病院実習における薬学生の指導を中心となって行うことが業務です。

 

資格取得条件は以下の通りです。

1) 日本病院薬剤師会の会員であること
2) 薬剤師としての実務経験が5年以上あること。
3) 病院における実務経験が申請時点において継続して3年以上であること。
4) 下記のいずれかの資格を取得していること。
 1 日本病院薬剤師会生涯研修認定薬剤師または、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師
 2 日病薬病院薬学認定薬剤師または、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師
 3 日本医療薬学会認定薬剤師(日本医療薬学会専門薬剤師)
5) (財)日本薬剤師研修センター主(共)催による次の認定実務実習指導薬剤師養成講習会(集合講習会、ビデオ集合講習会、CS-TV講習会)を受講していること。
 ア)学生の指導について
 イ)薬剤師に必要な理念について(講座1)
 ウ)実務実習モデル・コアカリキュラムについて(講座2)
 エ)最新の業務について
 オ)参加型実務実習の実施方法について(講座3)

* なお、認定申請を行う時点から過去5年以内に、病院又は薬局で学生指導に携わった経験を有する場合にあっては、ア)の受講は免除する。

* 認定申請を行う時点に至るまでの間、継続して病院又は薬局で薬剤師業務に携わっている場合にあっては、エ)の受講は免除する。

引用:日本病院薬剤師会

病院薬剤師として十分な実務経験を積む必要があるほか,指導者としての知識も必要です。

5年間の実務経験を積みながら,研修認定薬剤師の資格を取得するのがおすすめです。

 

認定期間および認定に必要な費用は以下の通りです。

認定期間 6年
認定・更新申請料 3,300円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定/更新)

認定実務実習指導薬剤師

難易度:★☆☆☆☆

認定機関:日本薬剤師研修センター

 

医療現場で薬学生の指導に当たることのできる薬剤師を認定する資格です。

薬学部が6年制になってから、長期の実務実習がカリキュラムに組み込まれました。

長期の実務実習を通して、病院では調剤業務や病棟業務に加えてチーム医療への参画を身につけさせることなどが課題です。

また薬局では保険調剤業務に加えて,在宅医療や地域医療支援などの役割を習得させることを必要とされています。

このようなニーズに応えられる薬剤師を増やす目的で設立されたのが認定実務実習指導薬剤師の資格といえるでしょう。

指導としての役割だけでなく、薬学生の精神的なフォローアップも大切な仕事です。

 

認定条件は次の通りです。

(1)認定実務実習指導薬剤師となるための基本的素養等 認定実務実習指導薬剤師は、次の素養等を有する者とする。

①十分な実務経験を有し薬剤師としての本来の業務を日常的に行っていること。

②薬剤師を志す学生に対する実習指導に情熱を持っていること。

③常日頃から職能の向上に努めていること。

④実習の成果について適正な評価ができること。

⑤認定取得後も継続的かつ日常的に薬剤師実務に従事する見込みがあること。

⑥実務実習生の受入期間中、恒常的に指導することができること。

(2)認定要件 次の認定実務実習指導薬剤師養成研修をすべて修了した薬剤師であること。

①ワークショップ形式の研修 一般社団法人薬学教育協議会が認めるワークショップとする。 なお、平成22年度までに開催された認定実務実習指導薬剤師養成ワークショップ又 は平成16年度以前の薬学教育者ワークショップを含む。

②講習会形式の研修

講座① 薬剤師の理念

講座② 薬学教育モデル・コアカリキュラム及び薬学実務実習に関するガイドラ イン

講座③ 学生の指導(法的問題)、学生の指導(薬局関係)及び学生の指導(病 院関係) なお、講習会形式の研修は、講座番号の若い順に受講するものとする。

引用:日本薬剤師研修センター

5年間の実務経験が必要ですが,6年制の教育を受けた薬剤師であれば4年目から研修を受けられます。

取得を考えている方は4年目に研修を受けておくことで、5年の実務経験を積んだ後すぐに指導薬剤師として仕事ができます。

 

認定機関および資格取得に必要な費用は次の通りです。

認定期間 6年
認定・更新申請料 5,500円(税込)


その他

救急認定薬剤師

難易度:★☆☆☆☆

認定機関:日本臨床救急医学会

 

救急医療の薬物療法に必要な知識と技能を身につけていることを認定する資格です。

救急・集中治療室や救命救急センターなどの施設で、感染症やケガなど緊急で対処が必要な患者さんの薬物療法に従事します。

具体的には、医師への処方提案や薬物の血中濃度モニタリング(TDM)、持参薬の確認などを行います。

現場だけでなく教育や研究にも携わることで、救急医療における薬物療法の研鑽と薬剤師の育成にも貢献できるでしょう。

 

認定資格は以下の通りです。

1)本邦における薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格及び救急医療における薬物 療法に関する見識を備えていること。

2)申請時において、薬剤師としての病院・診療所勤務歴を5年以上有し、そのうち2年 以上救急医療に従事していること。

3)申請時において、本学会の正会員であり会員歴が2年以上あり、かつ会費を完納して いること。

4)日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師 (2022年度申請時まで有効)、日本医療薬学会認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構に より認証された認定薬剤師、あるいは日本臨床薬理学会認定薬剤師の資格を有している こと。

5)医療機関において、救急医療に関する業務を通じて患者の治療に自ら参加した25例以 上の症例を報告できること。

6)認定薬剤師認定委員会が指定し、理事会の承認を得た学術集会、研究発表などにおい て、細則に定める単位数を履修していること。

7)認定薬剤師認定委員会が開催する講習会を受講していること。

8)日本臨床救急医学会評議員または所属施設長の推薦があること。

引用:日本臨床救急医学会

症例報告が必要なので,現場での経験は必須です。

学会の加入期間も2年以上必要なため,取得を考えている人は早めに学会に加入しておきましょう。

 

資格取得に必要な費用は以下の通りです。

認定期間 5年
申請・更新手数料 10,000円(税込)
認定料(新規) 20,000円(税込)
認定料(更新) 10,000円(税込)

参照:日本臨床救急医学会

公認スポーツファーマシスト

難易度:★☆☆☆☆ 

認定機関:日本アンチ・ドーピング機構

 

ドーピング防止などの専門知識を持つ薬剤師が認定されます。

国際的なスポーツ大会が増えていること、スポーツ選手のドーピング事例が増えていることからこの資格が設立されました。

ドーピングに関する最新の知識を有していて、スポーツ選手や指導者に薬の使い方をアドバイスしたり、学校などでドーピングに関する講義を行ったりします。

意図的なドーピングではなくても、OTCなどに含まれている成分で「うっかりドーピング」をしてしまう場合があります。

スポーツファーマシストには、そういったドーピングを未然に防ぐ役割があります。

 

資格認定条件は以下の通りです。

  1. 薬剤師免許を有すること
  2. 基礎講習会と実務実習を受講すること
  3. 知能到達度確認試験に合格すること

薬剤師の資格があれば講習を受けられるので,1年目から目指せる資格です。

 

認定期間と資格取得にかかる費用は次の通りです。

認定期間 4年
受講料 7,600円(税込)
認定料 21,000円(税込)

参照:日本アンチ・ドーピング機構

研修認定薬剤師

難易度:★☆☆☆☆

認定機関:日本薬剤師研修センター

 

「薬剤師にふさわしい資質維持のための努力をしている」として認定される資格です。

倫理、基礎薬学、医療薬学、衛生薬学、法規など幅広い分野において資質を向上させられるように支援し、成果を客観的に認定する目的で設定された制度です。

研修認定薬剤師になると,かかりつけ薬剤師として仕事ができるようになります。

患者さん1人1人に寄り添った服薬指導ができるようになり、現場でも重宝されるでしょう。

 

初めて申請する場合、4年以内に40単位以上(各年5単位以上)を取得する必要があります。

1単位でも足りないと最初からやり直しになるので、計画的に取り組みましょう。

薬局薬剤師であればかかりつけ薬剤師になる上での必要条件なので,早めに取得することをおすすめします。

新規申請は4年以内に40単位を取得することが条件で,比較的取得しやすい資格と言えます。

 

認定期間および資格取得にかかる費用を下に示します。

認定期間 3年
認定手数料 認定証のみ 11,000円(税込)
認定証+IDカード 12,540円(税込)

参照:日本薬剤師研修センター

プライマリ・ケア認定薬剤師

難易度:★☆☆☆☆

認定機関:日本プライマリ・ケア連合学会

 

医療全般におけるさまざまなサポートスキルを身につけられる資格です。

患者さんに必要なケアの提案、他職種連携など、地域医療における薬剤師の活躍の幅を広げられます

薬剤師以外の医療従事者も取得することができるので、それぞれの専門を生かして質の高い地域医療を提供できるようになるでしょう。

特に地域医療の窓口となる薬局では、患者さんの健康相談に乗るなど力を発揮できる機会が多くあります。

 

資格認定条件は以下の通りです。

  1. 薬剤師免許を有すること
  2. 初回単位取得から4年以内に50単位取得すること(30/50単位以上は学会関連単位であること)
  3. 認定試験に合格すること

研修認定薬剤師の単位も一部認められます(研修受講は20単位まで、e-ラーニング等は15単位まで)。

研修を受講し,試験に合格すれば1年目からでも取得できる資格です。

薬局薬剤師で地域密着医療に興味がある方はぜひ挑戦してみてください。

 

認定期間および資格取得にかかる費用は次の通りです。

認定期間 3年
認定・更新審査料 学会会員 10,000円(税込)
学会非会員 15,000円(税込)
登録料 10,000円(税込)

参照:日本プライマリ・ケア連合学会

在宅療養支援認定薬剤師

難易度:★★★☆☆

認定機関:日本在宅薬学会

 

居宅や施設での薬物療法において、適切な知識、技能、態度を兼ね備えた薬剤師として認定されます。

在宅医療の専門家として必要な倫理観も兼ね備えていて、患者さんの意思を尊重しながら他職種と連携して最適な医療を届けるという役割があります。

要介護者や要支援者の状態にあった薬物治療を提供する上で中心となって活躍できるでしょう。

 

認定条件は以下の通りです。

1. 認定薬剤師を申請しようとする者は,日本国の薬剤師資格を有し3年以上の薬剤師実務経験があ ること.

2. 下記いずれかの資格を取得していること.

1) 薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師

2) 日本病院薬剤師会生涯研修認定薬剤師

3) 日本医療薬学会認定薬剤師

3. 所定の研修講座受講により40単位以上の研修単位を取得していること.

4. 本学会主催の学術大会参加証の写しの提示.

5. バイタルサイン講習会受講の修了証の写しの提示.

6. 所定の様式による5事例の事例報告書の提出.

7. 試験 認定試験に合格すること.

引用:日本在宅薬学会

認定には事例報告が必要です。

薬局などで在宅の患者さんを受け持っている場合はぜひ挑戦してみてください。

指定の単位取得も必要なので,合わせて単位取得を始めましょう。

 

認定機関および資格取得にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 3年
認定・更新審査料 10,000円(税込)
登録料 10,000円(税込)

参照:日本在宅薬学会

スペシャリストを目指すあなたに!領域別専門薬剤師の種類と道のり

認定薬剤師を取得した後に、一部の分野ではさらなるステップアップとして専門薬剤師の制度があります。

認定薬剤師よりも取得のレベルは上がりますが、取得すればより現場で重宝される人材になれるでしょう。

認定薬剤師には以下の領域からなる資格があります。

  • がん領域
  • 感染症領域
  • 精神科領域
  • 産婦人科領域
  • 腎臓病領域
  • その他

専門薬剤師取得の条件や資格の難易度、資格取得のために今すぐできるファーストステップをまとめています。

難易度は認定薬剤師同様、資格取得までに必要とされる現場経験、学会発表や論文執筆などの研究要素、到達レベルをはかる試験などの条件をもとに設定しています。

がん領域

がん専門薬剤師

難易度:★★★★★

認定機関:日本医療薬学会

 

がん薬物療法認定薬剤師のステップアップ資格です。

認定薬剤師よりもさらに安全かつ的確ながん薬物療法が行える薬剤師として認定されます。

医療法上の広告も可能な資格です。

現場では、抗がん剤を選択する上でのサポート、薬剤の種類や量、用法などを記載した計画書(レジメン)の作成、副作用対策などを行います。

医療従事者や患者さんに、治療を行う上で必要な情報提供を行うのも重要な役割です。

 

資格取得条件は以下の通りです。

(1)日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること。

(2)薬剤師としての実務経験を5年以上有すること。

(3)申請時において、引き続き5年以上継続して本学会の会員であること。

(4)「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師」、「日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師」、 「日本薬剤師会生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上」、いずれかの認定を 受けていること。

(5)本学会が認定する「がん専門薬剤師研修施設」において、本学会の定めた研修ガイドライン に従って、がん薬物療法に関する5年以上の研修歴を有すること。

(6)別に定めるクレジットを5年で50単位以上取得していること。

(7)がん専門薬剤師集中教育講座に1回以上参加したこと。

(8)本学会の年会に1回以上参加したこと。

(9)自ら実施した5年のがん患者への薬学的介入を伴った症例報告50症例(3領域以上のが ん種)を提出すること。

(10)以下の研究活動のうち、発表あるいは論文の条件のどちらか一方を満たすこと。 学会発表:医療薬学に関する全国学会あるいは国際学会での発表が2回以上あること。本学会 が主催する年会において本人が筆頭発表者となった発表を含んでいること。 論文:本人が筆頭著者である医療薬学に関する学術論文を1報以上有すること。学術論文は、 国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に複数査読制による審査を経て掲載された医療 薬学に関する学術論文あるいは症例報告であること(編集委員以外の複数の専門家による査読を経ていない論文は本条の対象外)。

(11)本学会が実施するがん専門薬剤師認定試験に合格すること

 

引用:日本医療薬学会

※(6)クレジットに関してはこちら

 

認定薬剤師取得の際に求められていた症例報告に加えて、論文または学会発表が条件に入っています。

現場での経験に加えて、研究分野への貢献も求められる専門薬剤師。

ハードルは高いですが、目指しがいのある資格です。

がん専門薬剤師を目指す場合は、まずがん薬物療法認定薬剤師を目指しましょう。

 

認定期間および資格申請にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 5年
認定審査料 11,000円(税込)
認定料 22,000円(税込)
更新審査料 22,000円(税込)

参照:日本医療薬学会(認定/更新)

感染症領域

感染制御専門薬剤師

難易度:★★★★★

認定機関:日本病院薬剤師会

 

感染制御認定薬剤師のステップアップ資格です。

感染リスクが高い患者に対して、抗生物質の適性使用や副作用管理などを行います。

また、感染予防について医療従事者へ適切な情報提供なども行えます。

施設内にとどまらず、地域や他の施設と連携して感染制御に関する勉強会を開催して関係者の指導を行うことも重要な役割です。

 

認定条件は以下の通りです。

(1)申請時において、感染制御認定薬剤師あるいはICD制度協議会が認定するインフ ェクションコントロールドクター(以下「ICD」という。)の資格を有している者 であり、かつ、ICD制度協議会に加盟している学会・研究会のいずれかの会員で あること。

(2)日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本TDM学会、ICD制度協 議会に加盟している学会・研究会、日本薬剤師会学術大会、関連する国際学会ある いは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において感染制御領域に関する学会発表が 2回以上(うち、少なくとも1回は発表者)、複数査読制のある国際的あるいは全国 的な学会誌・学術雑誌に感染制御領域に関する学術論文が1編以上(うち、少なく とも1編は筆頭著者)の全てを満たしていること。

(3)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(4)日本病院薬剤師会が行う感染制御専門薬剤師認定試験に合格していること。

引用:日本病院薬剤師会

※ICDについてはこちら

現場経験のみならず、研究者としての活躍も求められます。

感染制御のエキスパートを目指すのであれば、ぜひ取得しておきたい資格です。

感染制御専門薬剤師を目指す方は、まず認定薬剤師の資格を取得しましょう。

 

認定期間と資格取得にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定/更新)

HIV感染症専門薬剤師

難易度:★★★★★

認定機関:日本病院薬剤師会

 

HIV感染症薬物療法認定薬剤師のステップアップ資格です。

HIVの薬物治療に関するより高度な知識と臨床経験を持ち合わせて、症状に合わせた適切な薬物治療を提案できる薬剤師として認められます。

また、HIVの専門家としての倫理観をそなえ、患者さんの意思を尊重した最適な治療を行うことに貢献する役割もあります。

主な仕事内容は、医師をはじめとした医療従事者や患者さんに、個々の状態に合わせた治療方法を提案することです。

今までに蓄積した知識と臨床経験から、相互作用や副作用の問題解決に向けた専門的な助言も求められるでしょう。

また、臨床試験の段階から情報収集を行い、適切な情報提供を行うことも重要な役割です。

 

資格認定条件は以下の通りです。

(1)申請時において、HIV感染症薬物療法認定薬剤師であり、かつ、日本エイズ学会 の会員であること。

(2)日本医療薬学会、日本薬学会、日本薬剤師会学術大会、日本エイズ学会、関連する 国際学会、全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において、 HIV感染症領域に関する学会発表が2回以上(うち、少なくとも1回は発表者)、 複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌にHIV感染症領域に関 する学術論文が1編以上(筆頭著者)の全てを満たしていること。

(3)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(4)日本病院薬剤師会が行うHIV感染症専門薬剤師認定試験に合格していること。

引用:日本病院薬剤師会

専門薬剤師の資格を取得するためには、まず認定薬剤師になる必要があります

認定薬剤師を未取得の方は、まず認定薬剤師に挑戦しましょう。

認定を取得されている方は、学会発表や論文執筆の準備を始めましょう。

 

認定期間および資格取得にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定/更新)

 精神科領域

精神科専門薬剤師

難易度:★★★★★

認定機関:日本病院薬剤師会

 

精神科薬物療法認定薬剤師のステップアップ資格です。

認定薬剤師同様、精神疾患の薬物治療に関してより高度な知識と技術をもち、有効かつ安全な薬物治療を提供できる薬剤師として認められます。

主な仕事内容は、豊富な知識と臨床経験を生かして、医師をはじめとする医療従事者や患者さんに最適な治療を提案し、治療をスムーズに進められるようサポートすることです。

薬物療法に携わるだけでなく、精神疾患患者さんの社会復帰に向けた支援も重要な仕事です。

また、認定薬剤師から専門薬剤師になると、精神疾患や薬物療法に関する研究も業務の1つになります。

 

資格取得条件は以下の通りです。

(1)申請時において精神科薬物療法認定薬剤師であり、かつ、日本精神神経学会、日本 神経精神薬理学会、日本臨床精神神経薬理学会、日本生物学的精神医学会、日本病 院・地域精神医学会、日本社会精神医学会、日本老年精神医学会、日本精神科救急学 会、日本認知症学会、日本精神薬学会のいずれかの会員であること。

(2)日本医療薬学会、日本薬学会、日本薬剤師会学術大会、上記精神科領域の学会、関 連する国際学会、全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会に おいて、精神科領域に関する学会発表が2回以上(うち、少なくとも1回は発表者)、 複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に精神科領域の学術論文 が1編以上(うち、少なくとも1編は筆頭著者)の全てを満たしていること。

(3)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(4)日本病院薬剤師会が行う精神科専門薬剤師認定試験に合格していること。

引用:日本病院薬剤師会

まずは認定薬剤師の資格取得が必要です。

学会発表や論文執筆も求められるので、認定薬剤師の資格を取得した方は学会発表の準備を始めましょう。

 

認定期間および資格取得に必要な費用は以下の通りです。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定/更新)


産婦人科領域

妊婦・授乳婦専門薬剤師

難易度:★★★★★

認定機関:日本病院薬剤師会

 

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師のステップアップ資格です。

妊婦や授乳婦に対する薬物療法に関する高度な知識と技術をそなえ、症状に対する薬物療法を有効かつ安全に行える専門薬剤師として認められます。

「妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師」として経験を積むことで取得できる資格です。

主な仕事内容は、薬物治療を必要とする妊婦・授乳婦に対して、胎児や乳児に影響を及ぼさないように適切な治療を提案することです。

他の医療従事者と連携しながら、生命倫理に配慮した服薬指導を求められるでしょう。

現場での仕事にとどまらず、妊婦・授乳婦に関する薬物治療を発展させるための疫学研究を行うことも重要な役割です。

 

資格取得条件は次の通りです。

(1)申請時において妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師であり、かつ、日本産科婦人科学 会、日本小児科学会、日本先天異常学会のいずれかの会員であること。

(2)日本医療薬学会、日本薬学会、日本薬剤師会学術大会、上記妊婦・授乳婦領域の学 会、関連する国際学会、全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術 大会において、妊婦・授乳婦領域に関する学会発表が3回以上(うち、少なくとも 1回は発表者)、複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に妊婦・ 授乳婦領域の学術論文が1編以上(うち、少なくとも1編は筆頭著者)の全てを満 たしていること。

(3)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(4)日本病院薬剤師会が行う妊婦・授乳婦専門薬剤師認定試験に合格していること。

引用:日本病院薬剤師会

認定薬剤師未取得の方は、まず認定薬剤師の取得から始めましょう。

すでに認定薬剤師の方は、現場経験を積むことと並行で学会発表や論文執筆のための準備をしていきましょう。

 

認定期間および資格取得にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 5年
認定・更新審査料 会員 11,000円(税込)
非会員 16,500円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本病院薬剤師会(認定/更新)

認定女性ヘルスケア専門薬剤師

難易度:★★★★☆

認定機関:日本女性医学学会

 

薬剤師に限らず、医療従事者や女性医学に関わる方であれば取得できる資格です。

女性特有の疾患に対する専門知識と技術を持ち合わせているとして認定されます。

年齢によって大きく変化する女性の生理機能や精神状態に寄り添いながら、生涯に渡る充実したヘルスケアの実現を目指します。

主な仕事内容は、年齢や体調など、複数の原因が絡んだ女性特有の症状に対して最適なヘルスケアを患者さんに提案していくことです。

薬剤師の場合、薬物療法に関する知識と豊富な臨床経験を生かして、医学・薬学についての専門的なアドバイスが可能です。

女性は年齢によって体の状態が大きく変化するので、必要になるヘルスケアも変化します。

思春期から更年期までそれぞれの患者さんが求めるものを理解することで、社会的、精神的にも快適に生活できるようになサポートが必要となるでしょう。

資格認定条件は以下の通りです。

    1. 医師(各基幹学会専門医、又は専門医および専門資格制度委員会により申請資格ありと認定された医師)、医療従事者(国家資格又は専門資格を持つ歯科医師、看護師、助産師、保健師、薬剤師、栄養士、心理士、理学療法士、作業療法士など)、その他、更年期医療等の女性医学の分野で活動する者(本制度専門医資格取得医師が推薦し、専門医および専門資格制度委員会で申請資格ありと認定した者)
    2. 本会会員歴が継続3年以上
    3. 本会が定める研修単位30単位以上の取得
単  位
本会学術集会に筆頭演者として参加 15単位
本会学術集会に参加 10単位
本会ワークショップに参加 5単位
本会学会誌に筆頭著者として論文掲載 10単位
本会学会誌に共同著者として論文掲載 5単位
本会ニューズレター執筆 5単位

なお、1回の学術集会における単位の取得は15単位を上限とする。

   4. 本会会費を完納している
(本学会専門医および専門規則制度規則第4章第1条に順ずる)
上記については認定制度規則が承認された平成20年度から平成29年12月31日までに開催(発行)されたものを単位の対象とする

引用:日本女性医学学会

単位取得には学会発表や論文執筆などの実績が必要です。

3年以上学会会員であることが条件なので、資格取得には最低でも3年かかります。

まずは学会の会員に登録するところから始めましょう。

 

認定期間および資格取得にかかる費用を下に示します。

認定期間 5年
審査料 30,000円(税込)
認定登録料 20,000円(税込)

参照:日本女性医学学会

 腎臓病領域

腎臓病薬物療法専門薬剤師

難易度:★★★★★

認定機関:日本腎臓病薬物療法学会

 

腎臓病薬物療法認定薬剤師のステップアップ資格です。

腎臓病患者への薬物療法に関して十分な知識と技術を持ち合わせ、質の高い腎臓病薬物療法を実践するとともに教育や研究へも従事できる薬剤師として認定されます。

主な仕事内容は、患者さんの腎機能障害の程度に合わせた医薬品の選択や用法・用量を医師に処方提案することです。

患者さんの腎機能を保ちながら、適切な薬物療法を提供することが求められるでしょう。

また、患者さんや家族の理解を得てアドヒアランスを向上させるための服薬指導を行うことも重要な業務です。

医療現場における教育や指導、医療の質を上げるために継続した研究を行うことも、専門薬剤師の役割と言えるでしょう。

資格認定条件は以下の通りです。

(1)腎臓病薬物療法認定薬剤師として、腎臓病および透析患者の薬物療法などに関連する医療 に3年以上携わっていること。

(2)申請時において、本学会の会員であること。

(3)日本腎臓病薬物療法学会(日本腎と薬剤研究会も含む)、日本腎臓学会、日本透析医学会、 日本医療薬学会、日本薬剤師会学術大会などの全国レベルの学会や関連する国際学会にお いて、腎臓病および透析患者の薬物療法に関する学会発表が、申請年の直近 10 年間で 5 回 以上(うち、少なくとも 2 回は筆頭発表者)、複数査読制のある国際的あるいは全国的学 会誌・学術雑誌に腎臓病薬物療法に関する学術論文の投稿が 3 編以上(うち、少なくとも 1 編は筆頭著者)の全てを満たしていること。

引用:日本腎臓病薬物療法学会

認定薬剤師になってから最低3年以上の実務経験が必要です。

また、学会発表および論文執筆の両方が実績として求められます。

現場での役割と研究者としての役割の側面で高いレベルを必要とされる、目指しがいのある資格です。

まずは認定薬剤師を取得して、学会発表や論文執筆のための準備を始めましょう。

 

認定期間および資格取得に必要な費用は以下の通りです。

認定期間 5年
書類審査料(新規・更新) 11,000円(税込)
認定試験受験料 16,500円(税込)

参照:日本腎臓病薬物療法学会(認定/更新)

その他

医薬品情報専門薬剤師

難易度:★★★★★

認定機関:日本医薬品情報学会

 

医薬品情報に対する高度な知識、技術、倫理観をもち、医薬品の適正使用に貢献する薬剤師として認定されます。

主な仕事内容は、医薬品情報の検索・調査をスムーズに行い、根拠に基づいた評価を加えたうえで、目的に応じた情報提供を行うことです。

また、自分自身が情報を取り扱うだけでなく、情報に関わる教育を実施することも重要な役割です。

適切な情報を伝えるために、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も求められるでしょう。

病院や薬局だけでなく、卸会社や企業、教育機関での活躍も期待されています。

 

資格認定条件は以下の通りです。

第1条.日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えているこ と。

第2条.医薬品情報に関わる業務経験が通算5年以上であること(所属長の証 明が必要)。

第3条.申請時において、日本医薬品情報学会の会員であり、本学会が指定す る生涯教育セミナーに参加し、60 単位以上(必修 40 単位以上を含む)を 取得していること。

第4条.全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会におい て、医薬品情報領域に関する学会発表が 2回以上(少なくとも 1回は発表 者)及び複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に医薬 品情報領域の学術論文が1編以上(筆頭著者)あること。

第5条.各職域における医薬品情報に関わる教育、業務実績を証明できること。

第6条.施設長、所属長等の推薦があること。

第7条.上記、第1条~6条までの条件を満たした後、本学会が実施する認定 試験に合格すること。

引用:日本医薬品情報学会

学会発表や論文執筆も求められることから、教育者としても研究者としてもエキスパートであることが求められます。

医薬品情報に関わる業務経験を今の職場で積んでいる場合は、引き続き経験を積みながら単位取得を行いましょう。

 

認定期間および資格取得に必要な費用は以下の通りです。

認定期間 5年
受験料 11,000円(税込)
認定・更新審査料 11,000円(税込)
認定・更新料 22,000円(税込)

参照:日本医薬品情報学会

薬物療法専門薬剤師

難易度:★★★★★

認定機関:日本医療薬学会

 

高度化・複雑化する薬物療法に対応するため、幅広い薬物療法の知識と臨床経験を持ち合わせた薬剤師として認定されます。

幅広い視点を持った薬剤師が薬物療法を実施することで、他の医療従事者と連携して患者さんのQOL向上に貢献することが重要な役割です。

主な仕事内容は、幅広い領域における高いレベルの知識と経験を生かした薬物療法を実施し、患者さんに最適な治療法をアドバイスすることです。

薬物治療に伴う相互作用や副作用などの問題解決に向けて、他の医療従事者からも専門的なアドバイスが求められるでしょう。

患者さんに対しても、疾患や病態、生活環境などさまざまな疑問や不安を的確に取り除くことができるようになります。

総合力のある薬剤師としての強みを生かして、複数の疾患領域での活躍が期待されます。

 

資格認定条件は以下の通りです。

(1)日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること。

(2)薬剤師としての実務経験を5年以上有すること。

(3)申請時において、引き続き5年以上継続して本学会会員であること。

(4)「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師」、「日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師」、 「日本薬剤師会生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上」、いずれかの認定を 受けていること。

(5)本学会が認定する「薬物療法専門薬剤師研修施設」において、本学会の定めた研修ガイドラ インに従って、薬物療法に関する5年以上の研修歴を有すること。

(6)別に定めるクレジットを5年で50単位以上取得していること。

(7)専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義を1回以上参加したこと。

(8)本学会の年会に1回以上参加したこと。

(9)自ら実施した5年の薬学的介入を伴った症例報告50症例(4領域以上の疾患)を提出する こと。

(10)以下の研究活動のうち、発表あるいは論文の条件のどちらか一方を満たすこと。 学会発表:医療薬学に関する全国学会あるいは国際学会での発表が2回以上あること。本学会 が主催する年会において本人が筆頭発表者となった発表を含んでいること。 論文:本人が筆頭著者である医療薬学に関する学術論文を1報以上有すること。学術論文は、 国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に複数査読制による審査を経て掲載された医療 薬学に関する学術論文あるいは症例報告であること(編集委員以外の複数の専門家によ る査読を経ていない論文は、本条の対象外)。

(11)本学会が実施する専門薬剤師認定試験に合格すること。

引用:日本医療薬学会

※(6)クレジットについてはこちら

ジェネラリストとして、幅広く高度な知識の提供が求められます。

病院でも薬局でも活躍が期待されます。

5年間の実務経験を積みながら、症例報告や学会発表、論文執筆の準備を進めましょう。

 

認定機関および資格取得に必要な費用は以下の通りです。

認定期間 5年
認定審査料 11,000円(税込)
認定料 22,000円(税込)
更新審査料 16,500円(税込)

参照:日本医療薬学会(認定/更新)

幅広い知識でスキルアップ!現場で役立つケアマネージャーの資格

認定薬剤師や専門薬剤師は、薬剤師としての専門性を高める方向へのスキルアップでした。

一方で、薬学以外の知識を身につけることでもスキルアップは可能です。

医療現場で役立つ資格として、ケアマネージャーの資格を紹介します。

ケアマネージャー(介護支援専門員)

難易度:★★★★★

認定機関:厚生労働省

要介護者や要支援者に対し、訪問介護やデイサービスなどを受けられるようケアプランを立てたり、市町村やサービス事業者、施設等と連携を取るための国家資格です。

薬剤師に限らず、医療福祉系の職種で取得ができます。

主な仕事内容は、要介護者や要支援者が適切なサービスを受けられるよう、サービスの種類や利用日程などのケアプランを決めることです。

ケアプランの作成以外にも、市町村やサービス事業者と利用者ご家族との連絡連携、サービスを受ける上での必要書類の作成代行なども行います。

ケアプラン作成後は定期的にチェックを行い、利用者に適したサービスが提供できているかを確認し、必要に応じて改善します。

高齢化が進み在宅での介護が増加する中で、今後必要性が増す資格となるでしょう。

 

資格認定に必要な条件は以下の通りです。

  1. 保険・医療・福祉分野での実務経験5年以上
  2. 介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
  3. 介護支援専門員実務研修を受講する

参照:厚生労働省

薬剤師からケアマネージャーの資格を取得するためには、まず現場で5年以上の実務経験を積む必要があります。

医療機関で働きながら、介護支援専門員実務研修受講試験の勉強を同時進行で行っていきましょう。

 

認定期間および申請にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 5年
受験手数料 12,800円(東京都の場合。都道府県により異なる)

参照:東京都福祉保健財団

ドラッグストアで大活躍!サプリメントやアロマの資格

薬局やドラッグストアなどで働く薬剤師に役立つ、薬学の知識を派生させて取得できる資格の紹介です。

ドラッグストアは処方箋医薬品だけでなく、市販薬や化粧品などさまざまな商品が販売されています。

市販薬はもちろんのこと、サプリメントなどについても知っておくと、さらに活躍の場を広げられます。

NR・サプリメントアドバイザー

難易度:★☆☆☆☆

認定機関:日本臨床栄養協会

保健機能食品やサプリメントなどの商品について、個々に合わせた適切なアドバイスや提案ができる知識や能力があることを認める資格です。

薬剤師だけでなく、医師や管理栄養士などさまざまな医療従事者が資格を取得しています。

予防医学やセルフメディケーションの普及とともに、世の中の健康意識は高まってきています。

健康意識が高まる中で、保健機能食品やサプリメントを利用する人は増加傾向です。

薬局やドラッグストアで薬以外の相談に来られる方もいらっしゃいます。

NR・サプリメントアドバイザーになれば、保健機能食品やサプリメントの消費者からの相談に対応すること、また適正な使用方法を知ってもらうことが可能です。

専門知識を踏まえて、1人1人の栄養状態に合わせた最適なアドバイスができるようになるでしょう。

資格取得条件は以下の通りです。

  1. 日本臨床栄養協会の会員であること
  2. 研修単位を取得すること(通信教育にて40単位、または学術大会への参加10単位×4年間)
  3. 認定試験に合格すること

参照:日本臨床栄養協会

通信教育であれば自分のペースで勉強を進められるのでおすすめです。

まずは協会の会員登録を行い、通信教育で勉強する場合はテキストを購入しましょう。

 

認定期間および資格申請にかかる費用は以下の通りです。

認定期間 5年
受験料 15,300円(税込)

参照:日本臨床栄養協会

メディカルアロマセラピスト

難易度:★☆☆☆☆

認定機関:日本統合医学協会など複数

 

アロマを使用して心身の不調を予防、改善することを目的とした施術を行える資格です。

複数の協会が認定を行なっていて、医療機関などでの活躍が期待できます。

主な仕事内容は、アロマを使用してさまざまな症状の改善や予防を行うことです。

アロマセラピーは国内では医療行為ではありませんが、さまざまな基礎研究・臨床研究が進められています。

また、欧米では古くから医療行為として認められており、アロマによるリラックス効果で心身の不調を改善するのに役立ちます。

 

資格認定条件については、各団体のホームページをご覧ください。

下記は一例です。

 ・国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟

日本統合医学協会

独立を目指すあなたは簿記に挑戦!経営の知識を身につけよう

将来薬局経営に挑戦したい方は、薬学の知識に加えて会計知識も学ぶ必要があります。

日商簿記の資格は、経営知識を身につける上で有効です。

日商簿記

難易度:級数により異なる

認定機関:商工会議所

 

3級は業種に関わらず、ビジネスパーソンであれば身につけておきたい会計知識が身につきます。

就活などでも有利になるので、ぜひ取得しておきたい資格です。

1級は極めて難関で、税理士や公認会計士への登竜門となる資格です。

 

年に2回試験が行われていて、受験料は以下の通りです。

1級 7,850円(税込)
2級 4,720円(税込)
3級 2,850円(税込)

詳細はホームページをご確認ください。

商工会議所

まとめ

薬剤師としてスキルアップするための資格はたくさん用意されています。

薬剤師としての専門性を高めるのか、より幅広い知識を身につけるのか。

自分がどんな方向性にスキルアップしていきたいか考えて、目指す方向性に合った資格取得をしましょう。

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