パート薬剤師は、ライフスタイルにあった働き方ができるうえに、時給が高いことが魅力です。
「パート薬剤師の年収はどのくらい?」
「時給が2,000円以上って本当?」
「パートで働くメリットとデメリットが気になる…。」
そんな風にお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、パート薬剤師の平均時給を「都道府県」「職業」「働く時間」の3つに分けて解説します。
併せて、正社員と比較してパート勤めのメリット・デメリットもお伝えするので、ぜひチェックしてみてくださいね。
パートで働く利点と欠点を把握することで、自分がパート薬剤師になるべきかがハッキリと分かるでしょう。
- 薬剤師のパートは時給2,000円以上を狙うのは難しくはない
- 時給換算だけすると正社員の時給よりも高い場合もある
- メリットとしては正社員よりも自由な時間は多い
- デメリットとして突然仕事がなくなることも多い
パート薬剤師の時給は2,200円!都道府県ごとに平均時給を比較
厚生労働省の調査によると「パート薬剤師」の平均時給は、2,200円といったデータが出ています。
しかし全国の平均的な時給が2,200円あり、各都道府県ごとに平均時給が多少異なるので、自分のエリアを把握しておくといいでしょう。
薬剤師は、都市部よりも地方の方が人手不足であるため、比較的に時給が高く設定されています。
まず、都市部で働くパート薬剤師の平均時給を見ていきましょう。
都市部 | パート薬剤師の平均時給 |
東京 | 2,372円 |
神奈川 | 2,231円 |
京都 | 2,061円 |
大阪 | 2,078円 |
福岡 | 2,164円 |
参照:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」
比較的に「時給が低い」と認知されている都市部でも、時給2,000円を下回ることはないようです。
続いて、地方のパート薬剤師の平均時給を見ていきましょう。
地方 | パート薬剤師の平均時給 |
青森 | 2,526円 |
山梨 | 2,560円 |
静岡 | 2,388円 |
島根 | 2,597円 |
静岡県以外は2,500円を上回るほどの高時給であることが分かりました。
調査結果から見ても分かるように、薬剤師の人数が足りていない地方ほど、年収が高く設定されているようです。
一方、都市部には薬学部がある大学が多いため、薬剤師の人手が足りており、時給を低めに設定されています。
【業種別】どの職場で働くパート薬剤師の平均時給が高い?
「パート薬剤師」とひとくちに言っても働く職場によって時給が異なります。
職場 | 時給 |
病院 | 1,800~2,000円 |
調剤薬局 | 2,000~2,200円 |
ドラッグストア | 2,000~3,000円 |
上記の3つに分けてお伝えするので参考にしてみてくださいね。
それぞれ仕事内容と年収、労働環境についてまとめていきます。
病院
病院で働くパート薬剤師の平均時給は、1,800円~2,200円と低めに設定されています。
病院は、薬剤師にとって働きやすい環境であるため競争率の高い業種に分類されます。
そのため、時給が低くてもパート希望者が多く集まるため、比較的に低く設定する経営者が多いです。
病院勤務は、薬剤師として経験を積むことができたり、チーム医療や最先端医薬品の知識を得られたりといったメリットがあります。
仕事内容
- 外来患者の薬の調剤
- 注射薬の調剤
- 病院内で使用する薬の製剤
- 服薬指導
- 薬歴管理
- 薬品管理
- 薬物投与計画の検討
参照:マイナビ薬剤師「病院・クリニックの薬剤師求人一覧」
調剤薬局
調剤薬局で働くパート薬剤師の平均時給は、2,000~2,200円です。
調剤薬局は、病院と隣接されていることが多く、提携している病院の専門ジャンルによって扱う薬が異なります。
病院の数だけある調剤薬局は、薬剤師の人員不足が深刻化しているので時給が高いようです。
平均時給は、2,000~2,200円ですが、2,500円を上回る高時給で募集している企業も少なくありません。
併設されている病院の営業時間と合わせていることが多いので、休日出勤や深夜勤務がない点も調剤薬局で働くメリットの一つです。
仕事内容
- 処方箋の受付
- 処方監査(アレルギー、薬歴の確認)
- 過去、現在の服薬状況の確認(お薬手帳の確認)
- 調剤
- お薬を渡すときの服薬指導、相談
ドラッグストア
ドラッグストアは、多店舗展開やM&Aに伴い、薬剤師の人手不足が深刻化しています。
そのため、平均時給が2,000~3,000円と最も高く設定されているようです。
店頭に置いてある商品をすべて把握して、お客様への対応を行うので薬剤師としてのスキルアップはあまり期待できません。
なお、深夜勤務や休日出勤を任される職場もあるので、パート先として選ぶ際には募集要項をしっかりとチェックしましょう。
仕事内容
- OTCの説明、販売
- お客さんの健康相談
- 服薬状況の確認、病院から処方されているお薬とOTCの飲み合わせの相談など
- 服薬指導
- サプリメントや生活用品の商品案内
- 商品の品出し、レジ打ち
- 商品の在庫管理、発注
【正社員と比較】薬剤師がパートで働くメリット
ここからは、薬剤師がパートとして働くメリットについて詳しくまとめていきます。
- 仕事とプライベートを両立できる
- やりがいを感じられる
- 高時給で働ける
- 近くの職場で働ける
- 転職・転勤がない
パート薬剤師として働くべきかを迷われている方は、決断する材料のひとつにしてみてくださいね。
仕事とプライベートを両立できる
パート薬剤師は、仕事とプライベートを両立しやすいメリットがあります。
たとえば、「子供が幼稚園に行っている時間に働きたい」といった薬剤師ママにとっても働きやすい環境だと言えるでしょう。
「子供が小さいうちは家庭を優先したいけど、薬剤師としてのブランクが気になる…。」という葛藤を持っているママは、短時間で勤めるのもアリかと思います。
なお、平均的に時給が2,000円以上ですので、短時間でも大きく稼ぐことができます。
やりがいを感じられる
薬剤師の仕事は偉大であり、薬を通して多くの人の役に立ちます。
とくにドラッグストアや調剤薬局では、直接、お客様と会話をする機会がたくさんあるので、感謝が伝わり、やりがいを感じる薬剤師の方が多いです。
またドラッグストアの薬剤師は、「病院に行くほどではないけど、体調が悪い…。誰かに相談したい…。」といったときに頼りになる貴重な存在。
地域の健康相談窓口になり、お客様の症状にあう薬をおすすめすることができるので、住民の役に立つことができるのです。
高時給で働ける
一般的には、「パート=低賃金」といった認識がありますが、薬剤師であれば高時給で働けるのでむしろパートの方がいいケースもあります。
正社員と比較したので参考にしてみてくださいね。
雇用形態 | 年収 |
正社員 | 469万円 |
パート | 464万円 |
パートの内訳
時給:2,200円
1日8時間×22日=387,200円
年収:4,646,400円
※実際にはパート希望の場合は短い勤務時間を選ぶのであくまでMAXで計算した場合です。
なお、時給が高い職場を選べば、正社員の年収を上回ることができます。
近くの職場で働ける
薬剤師が活躍する病院、ドラグストア、調剤薬局は、多くの店舗を持っており自宅の近くにあるはずです。
駅ビルやショッピングモール、商店街など人通りの多い場所に、店舗を構えているので「勤務先が遠すぎる」「通勤に往復1時間以上かかる」ということは極めて少ないでしょう。
自宅から近ければ、通勤に使う時間が短縮でき、プライベートの時間を確保しやすい点も魅力の一つ。
転職・転勤がない
パートの薬剤師は、転職や転勤を命じられることがありません。
そのため、長期間同じ職場で安定したワーキングライフを送ることができるでしょう。
職場によって異なりますが、正社員の薬剤師は転勤が多い傾向にあるので、パート勤めの大きな魅力と言えます。
「子どもを転校させたくない」「自宅を購入した」という生活拠点を変えたくない人には、パート薬剤師の方が向いているかもしれませんね。
【正社員と比較】薬剤師がパートで働くデメリット
ここからは、薬剤師がパートで働くデメリットをまとめていきます。
- ボーナスがない
- シフトになかなか入れない可能性がある
パートで働く欠点を知り、納得したうえで検討するといいでしょう。
ボーナスがない
パート薬剤師の場合は、ボーナスなどの特別な手当てがないことが最大の欠点です。
基本的に正社員の薬剤師は、育児手当、住宅手当などさまざまな優遇制度を受けられます。
しかしパートであれば時給以外の費用はほとんど発生しないので、手当を期待できないということを念頭に置いておきましょう。
シフトになかなか入れない可能性がある
パート薬剤師は、シフトになかなか入れてもらえず「思っていたよりも働けなかった」というケースも。
勤務時間は、正社員のシフトを確保したうえで、パート薬剤師の割り振りを行います。
そのため、人手が足りていれば希望していた曜日や時間に働くことができなくなるのです。
ですので、面接のときに「どのくらい働けるのか」を担当者に聞いておくといいでしょう。
パート先の状況の変化によってはすれば真っ先に仕事を切られる
あなたのパート先で常に仕事があるとはかぎりません。
- 会社の業績の悪化
- 正社員が充填される
- 契約期間の満了
など理由は様々あります。特に契約内容にもよりますが、産休していた正社員が戻ってくるななどで労働力が充填された場合はシフトがしまう場合もあります。
会社の業績が悪化すれば正社員よりもパートの方が切られる可能も高いでしょう。
このようにパート薬剤師は比較的自由にはたらける反面、安定、収入の面はデメリットになるのです。
パート薬剤師の時給をあげる3つのコツ
ここでは、パート薬剤師の時給をあげるコツについて解説します。
パート薬剤師の平均時給は、2,200円ですが3,000円以上の高時給で働ける会社もあるようです。
少しでも時給をアップさせて大きく稼ぎたい方は、下記の3つを実践してみてくださいね。
- 時給相場が高い時間と曜日に働く
- 交渉をして時給をあげる
- 穴場エリアを狙う
①時給相場が高い時間と曜日に働く
24時間365日営業のドラッグストアでは、夜勤や土日・祝日に働ける可能性があります。
深夜や土日・祝日は、平日の時給から100~200円ほど高い傾向にあるので狙い目です。
パート薬剤師は、家族と休日を合わせたい方が多いため、17時以降や土日祝日は、人手が足りなくなります。
高時給で効率よく働きたい方は、あえて人手が不足しがちな時間帯を狙うと良いでしょう。
②交渉をして時給をあげる
パート薬剤師は、交渉によって時給をあげることができます。
交渉の具体例として「人手不足の時間帯に働ける」「とくべつなスキルを持っている」などを担当者に伝えると良いでしょう。
なお、近隣のパート薬剤師よりも時給が低い場合は、その理由を尋ねてみるのも一つの手です。
しかし「交渉は苦手」「時給を上げられる気がしない」という方は、転職サイトのコンサルタントに代行してもらうといいかもしれませんね。
時給交渉有りの薬剤師専門の転職サイトに登録をして、高時給で効率よく稼ぎましょう。
③穴場エリアを狙う
薬剤師は、働く場所によって給料に大きく差が出ます。
東京のパート薬剤師の平均時給は、2,372円ですが、青森は2,526円です。
このように都市部よりも地方の方が200~300円ほど時給が高い傾向にあります。
ですので、時給を重視するのであれば、地方の穴場エリアに勤めることをおすすめします。
穴場エリアを見つけるポイントとしては、
- 近隣に薬学部の大学がない
- 子育て環境が整ったエリア
- 3大都市圏以外の地方
上記の3つを踏まえたうえで探してみると、高時給の募集が集中しているかと思います。
要注意!パート薬剤師が押さえておくべきポイント
薬剤師がパートとして働く前に押さえておくべきポイントをお伝えします。
- 税金関係の知識をつける
- 薬剤師ならではパート探しをする
上記の2点を押さえておけば、快適なパートライフを送れるでしょう。
扶養内で働く場合は「税金関係」の知識をつける
薬剤師のパートは、一般的なパートよりも時給が高いので稼ぎ過ぎて税金がかかるケースも。
所得税を抑えるために、収入を調整しているパート薬剤師の方も多いようです。
具体的には、103万円以下であれば所得税がかからないので、それ以下に抑えるといった節税対策をしているとのこと。
パート薬剤師の年収が103万円以下であれば「配偶者控除」が適用されるため、所得税は0円となります。
なお、103万円を超える場合は、年金や社会保険料を納める必要があるので、念頭に置いておきましょう。
参照:「国税庁」パートの年収はいくらまで所得税がかからないのか
薬剤師ならではパート探しをする
パートを探すときに、「ハローワーク(職業安定所)」や「総合型転職サイト」を利用する方が多いかと思います。
しかし、薬剤師の求人は、ハローワークや総合型転職サイトでは見つかりにくくなっています。
というのも、「薬剤師専門の転職サイト」が存在するため、上記のような手段で求人を出している経営者が少ないからです。
薬剤師専門の転職サイトは、薬剤師に特化されており、登録することで多くの情報を収集できるメリットも。
ほかにも、
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 面接の練習をしてくれる
- 人事にアプローチをしてくれる
- 面倒な手続きを代わりに行ってくれる
- 時給の交渉をしてくれる
といった利点があるので、薬剤師の方は専門サイトを活用して自分にピッタリ合う求人を見つけましょう。
まとめ:パート薬剤師は年収が高く労働環境が良い
パート薬剤師の平均時給は、2,200円とほかのパートよりもはるかに高いです。
働く時間を深夜、休日に限定したり、地方にある人手不足の会社に勤めたりすると時給3,000円以上もあり得ます。
薬剤師としてのキャリアを磨きながら気軽に働ける「パート薬剤師」になって、プライベートと仕事を両立させるライフスタイルも理想的ですよね。
高時給で都合よく働ける好条件なパート先を見つけるために、薬剤師専門の求人サイトを活用しましょう。
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