薬剤師の給料の手取りはどのくらい?正社員やパートで額面から引かれる税金

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「薬剤師の手取りって結局いくら?」
「奨学金の返済で手元に残らない・・・」
「手取りを増やす方法ってある?」

薬剤師は、一般の企業に勤めるサラリーマンに比べて確かに年収は高いです。

しかし、6年制の薬学部を卒業して社会に出ると手取りの少なさに驚く人も多いでしょう。

また、毎月の奨学金の返済で生活するのがやっとで、貯金にまで回せる余裕がない薬剤師もいるはず。

そこで今回は、薬剤師の給与から引かれる税金の種類と、手取り額を増やす方法を解説していきます。

また、いくつかの給与シュミレーションとともに、薬剤師の平均手取り額を見ていきましょう。

この記事で分かることは、以下の通りです。

この記事で分かること

  • 薬剤師の給与から引かれる税金の種類
  • パターン別薬剤師の手取り額をシュミレーション
  • 職場別の平均手取り額とボーナス
  • 薬剤師が手取り額をアップさせる方法
目次

薬剤師の給料から分かる手取り額とは

薬剤師の手取り額

薬剤師の給与から引かれる税金には、さまざまな種類があります。

以下では、薬剤師の給与から引かれる税金の種類と、仕組みについて解説していきましょう。

引かれる税金の種類

そもそも、手取り額とは薬剤師の給与からさまざまな税金が引かれ、手元に残るお金のことです。

国民には、納税の義務があるので会社は給与から税金を引いて、薬剤師に残りの金額を手取り額として支給するのです。

給与から引かれる具体的な税金の種類は、以下の通りです。

薬剤師の給与から引かれる税金の種類

  • 【所得税】
    所得の額に応じて5%〜45%の税率で支払う税金。
    最終的な納付額は、年末調整で決定し過不足があれば徴収または還付される。
  • 【国民健康保険料】
    労働者が医療機関にかかったときに、診察費や治療薬の負担を軽くする保険。
    また、病気や怪我で働けなくなった場合の休業補償や出産したときに給付金が受け取れる制度(出産育児一時金)がある。
  • 【厚生年金保険料】
    定年退職後の公的年金や、定年前に障害を負ったときの障害年金、死亡したときの遺族年金を受け取るための保険。
    雇用主と労働者が折半で支払う。
  • 【雇用保険】
    雇用保険とは、労働者が失業したときの失業保険や育児休業給付金を受け取れる制度。
  • 【住民税】
    地方税の一種で、都道府県民税と市民税の2種類に分かれており、教育・福祉・ゴミ処理などの公共事業に役立てられる。
  • 【介護保険料】(40歳以上)
    40歳から46歳の労働者に納付の義務がある保険料。
    寝たきりや認知症などになったときに、介護サービスが受けられる制度。

    保険料は会社と折半。

上記のような税金が給与が引かれます。

ただ、厳密にいうと所得税と住民税以外は、保険料であり毎月支払っていると医療や介護などさんまざまなサービスが受けられるのです。

税金は会社が半分負担してくれている

税金の中でも、国民健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険の4つの社会保険料は、会社と社員が半分ずつ折半して納付しています。

つまり、企業側は給与の他に社員から天引きされている税金と同じくらいの金額を負担してくれているのです。

また。雇用保険制度の加入は事業者の義務であり、労働者は自分が雇用保険に加入しているのかハローワークに問い合わせて確認することができます。

2年目からは手取りがさらに減る!?

国に収める税金は、一年前の収入が反映されるものがあります。

例えば「住民税」が代表的な例です。

住民税は、前年度の収入額に合わせて徴収される税金なので、新卒で入社した場合に住民税はかかりません。

しかし、2年目からは1年目の年収から住民税を算出し、2年目の給与から毎月天引きされます。

そのため、給与が上がっても1年目よりも2年目の手取りが減る人が多いのです。

奨学金を借りている人などは、2年目からは手取り額が減るということを頭に入れておき、計画的な返済計画を立てることが大切でしょう。

給料が上がれば引かれる税金も上がる

昇進や勤続年数に応じて給与が上がるのは、喜ばしいことですがそれに比例して、引かれる税金も当然アップします。

基本的に額面から約2割程度を差し引いだ額が手取り額になると言われているので、ほんの少し給料が上がっただけでは、逆に引かれる税金が増えて「手取りが減った」なんて人もいるのです。

また、会社独自の労働組合費や社員旅行積立などさまざまな項目があるので、入社前には必ずチェックしておきたいポイントになるでしょう。

パターン別薬剤師の平均手取り額

雇用形態別の手取り額

ここからは、いくつかの雇用パターンを上げながら実際にもらえる手取り額をシュミレーションしていきます。

新卒・正社員・パートの3つのパターンから手取り額をみていきましょう。

新卒の手取り平均は20.8万円

薬剤師の平均初任給は、約20万円〜30万円が相場だと言われています。

そこで、薬剤師の初任給の額面を25万円とした時の手取り額を計算していきましょう。

新卒薬剤師の場合
総支給額(額面) 25万円
控除される税金の種類
健康保険料 1万1,844円
雇用保険料 750円
厚生年金保険料 2万1,960円
所得税 6,530円(※扶養なし)
合計 4万1,084円
25万円−4万1,084円
手取り額 20万8,916円

正社員の手取り平均は29.9万円

厚生労働省の「平成27年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の正社員での平均給与は38万1,600円。

今回はその額面から、手取り額を計算していきましょう。

正社員薬剤師の場合
総支給額(額面) 38万1,600円
控除される税金の種類
健康保険料 1万8,810円
雇用保険料 1,140円
厚生年金保険料 3万4,770円
所得税 9,208円(※扶養なし)
住民税(東京都の場合) 1万8,025円
合計 8万1,953円
38万1,600円−8万1,953万円
手取り額 29万9,647円

新卒の場合は、住民税が課税されない分引かれる金額は大きくありませんでしたが、住民税が加わることでかなり手取りが少なくなります。

また住民税については、お住まいの都道府県によって変動してくるので、今回は東京都の税率で計算しました。

このように、額面が30万円を超えても手取りで考えると、30万円をきってしまうのです。

パート22.8万円

次に、パート薬剤師の毎月の手取りをシュミレーションしていきましょう。

全国のパート薬剤師の平均時給は、約2,200円です。(「平成28年 賃金構造基本統計調査」より)

この時給で、1日6時間・週5日で働いた時の月収は、29万400円です。
そこから手取り額を計算してみます。

パート薬剤師 時給2,200円 1日6時間 週5日で働いた場合
総支給額(額面) 29万400円
控除される税金の種類
健康保険料 1万4,805円
雇用保険料 871円
厚生年金保険料 2万7,450円
所得税 6,420円(※扶養なし)
住民税(東京都の場合) 1万2,175円
合計 6万1,721円
29万400円−6万1,721円
手取り額 22万8,679円

パート薬剤師の場合、年収がいくらかによって課税される税金が変わってきます。

例えば、年収が100万円以下の場合住民税は、課税されません。
また、年収が103万円以下の場合は所得税は非課税です。

このように、パートの納税義務には「〇〇万円の壁」といういくつもの壁があり、それを超えると課税されていくシステムです。

しかし、パート薬剤師は時給も高く年収も軽く100万円は超えてしまうので、必然的に税金が発生するでしょう。

そのため、扶養範囲内や非課税で働きたい場合には、合計年収が非課税対象額内で働くことがポイントです。

【職場別】薬剤師の手取り額とボーナス

薬剤師の職場別の手取り額

薬剤師は、働く職場によっても手取り額が大きく変動してきます。

以下では、職場別にそれぞれの薬剤師手取り額をシュミレーションしていきましょう。

なお、シュミレーション雇用形態は全て正社員と仮定しています。

職種 平均年収 ボーナス 手取り額
ドラッグストア 450万円〜750万円 90万円 28万円〜42万円
調剤薬局 450万円〜700万円 70万円 28万円〜40万円
病院 400万円〜650万円 60万円 28万円〜40万円
製薬会社(MR) 650万円〜1,000万円 100万円 26万円〜54万円

ドラッグストア手取り平均は28万円〜42万円

ドラッグストアの平均年収は、450万円〜750万円です。
年収のうちドラッグストアの平均ボーナスが90万円。

これを月収にすると、37万円〜62万円になります。

手取りにすると、28万円〜42万円の収入。

ドラッグストアは、薬剤師の職場の中でも高給な職種であり人気が高いです。

しかし、営業時間が長くシフト制勤務の職場が多く生活が不規則になりがち。
また、残業も多い職種なのでそこが給与が高くなる要因だと考えられるでしょう。

調剤薬局の手取り平均は28万円〜40万円

調剤薬局の平均年収は、450万円〜700万円。
そのうちボーナスが、約70万円含まれています。
ドラッグストアには及びませんが、まずまずの年収です。

月収に換算すると、37万円〜58万円。

これを手取りに換算すると、28万円〜40万円になります。

調剤薬局は、残業が少なく勤務時間も一定のため働きやすさが人気の職種です。
仕事内容も薬剤師本来の調剤業務に専念できるため、スキルが身につきやすいといえるでしょう。

病院の手取りは平均26万円〜41万円

病院の平均年収は、400万円〜650万円。
年収のうち60万円がボーナスとなります。
薬剤師の職種の中でも低めなのが特徴です。

月収に換算すると、33万円〜54万円となり手取り額は、26万円〜41万円

病院薬剤師は、年収が低いものの臨床医療や最先端の医療に携われるなどの利点も多くやりがいのある職種です。

薬剤師の中でもキャリアアップしたい人におすすめな職種だといえるでしょう。

製薬会社(MR)の平均は26万円〜54万円

製薬会社の平均年収は、650万円〜1,000万円です。

年収のうち100万円はボーナスを含みます。

特に、MR(医療情報担当者)という医薬品の営業は歩合制の場合が多く、高年収になりやすいのが特徴。

中には、1,000万円以上稼ぐ薬剤師もいるでしょう。

製薬会社の平均月収は、54万円〜83万円。

手取りに換算すると、26万円〜54万円です。

製薬会社に勤める薬剤師は、高給でやりがいのある仕事ですが、実力で給与が決まるシビアな世界です。
また、製薬会社の人件費削減のため優秀なMRだけを残す方針の企業が増えてきています。

薬剤師の手取り額をアップさせる6つの方法

手取り額を増やす方法

ここまで、雇用形態別・職場別に薬剤師の手取り額を解説してきました。

当然、誰もが手取り額は多い方が嬉しいものですよね。

そこで、ここからは薬剤師の手取り額をアップさせる方法をいくつかご紹介していきましょう。

薬剤師の手取り額を増やす方法

  • 手当が多い企業に転職
  • 所得控除
  • ふるさと納税
  • 昇進
  • 転職
  • 副業や投資で収入を増やす

手当が多い企業に転職

企業によって、社員に支給される手当はさまざまです。
手当の代表的な例でいえば残業をすることに支給される、時間外手当があります。

その他にも以下のような手当が設けられている企業が存在します。

  • 役職手当
  • 資格手当
  • 通勤手当
  • 皆勤手当
  • 単身赴任手当
  • 住宅手当
  • 家族手当
  • 深夜手当

このように、手当が多ければ多いほど手取りは、増えていきます。
手取りを増やしたいのであれば、手当の多い企業を選びましょう。

ちなみに、中小企業よりも大企業の方が手当が多い傾向にあるようです。

15種類の所得控除

所得控除とは、ある一定の要件を満たしていることで、支払う税金を少なくできる制度です。
2021年現在は全15種類の所得控除があり、申請することで控除されます。

  • 基礎控除
  • 医療費控除
  • 雑損控除
  • 寄附金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 障害者控除
  • ひとり親控除
  • 寡婦控除
  • 勤労学生控除

控除の条件は、働き方や経済状況に応じて法改正されることが多く2020年では、以下のような法改正が行われました。

    2020年に改定された所得控除条件

    • ひとり親控除が新設
    • 2,400万円以下の所得の基礎控除が48万円に引き上げられ、給与所得控除が10万円引き下げ

    ふるさと納税

    ふるさと納税は、寄付金額の合計から2,000円を差し引いた金額が、来年納付予定の住民税から控除されます。
    また、所得税に関しては還付という形で返金されるのです。

    ただ、控除の上限額は年収や家族構成で異なるため、控除の上限を把握しておく必要があります。

    控除を受けるためには、確定申告や事前に申請するワンストップ特例制度のどちらかの申請が必要です。

    ふるさと納税先は、自分の好きな自治体を選ぶことができ、返礼品も充実しているためおすすめの節税方法だといえるでしょう。

    実際に、以下のような返礼品がもらえます。

    昇進

    薬剤師として収入を上げるには、管理薬剤師などの管理職を目指します。

    ひとことで昇進といっても、職場ごとにキャリアも違うのでそれぞれの代表的な役職について見ていきましょう。

    職種 キャリア例
    ドラッグストア
    • 店長・薬局長
    • エリアマネージャー
    • 本社の部長職経営幹部
    調剤薬局
    • 管理薬剤師
    • ラウンダー
    • エリアマネージャー
    • 経営幹部
    病院
    • 薬剤部主任
    • 薬剤部長
    • 専門薬剤師
    • 認定薬剤師
    企業
    • 管理薬剤師
    • MR(医療情報担当者)
    • CRE(治験コーディネーター)
    • CRA(臨床開発モニター)

    薬剤師の年収は、年功序列で勤続年数が長ければ給与は上がりますが、実力を評価してくれる企業であれば、若いうちから昇進できて、手取りはアップするでしょう。

    転職

    転職をすることも手取りを増やすのに、有効な方法の一つです。

    転職すると、手取りが低くなってしまうと考える人も多いようですが、それは就職先によって大きく異なります。

    例えば、実力・能力主義の企業やインセンティブ制度を導入している企業であれば、自分の実力次第で大幅に手取り額はアップするでしょう。

    また、転職時に自分のスキルや資格をアピールして給与交渉をするという方法もあります。

    しかし、そういった好条件の転職先を自分で探すとなると、難しいのが現実です。

    そこで、頼りたいのが「転職エージェント」

    転職エージェントなら、自分の条件を伝えるだけでコンサルタントがあなたの代わりに求人を見つけ出してくれます。
    また、給与交渉などの代行も行ってくれるので、言い出しにくい項目もスムーズに進むでしょう。

    おすすめの転職エージェントや転職サイトについては、以下の記事を参考にしてください。

    副業や投資で収入を増やす

    最後は、副業や投資などで収入を増やすことで、手取り額を増やす方法です。

    近年では、企業の副業解禁などが話題になっていますが、薬剤師にもできる副業や投資があります。

    例えば、正社員として調剤薬局で働きながら、ドラッグストアの深夜勤務を兼業すると深夜手当がつきかなりの収入アップにつながります。

    また、在宅でできる仕事としては、メディカルライターや海外の薬剤添付文書の翻訳などクラウドソーシングサービスなどで案件を見つけることが可能です。

    投資などで収入を増やしたい人には、長期的な資産運用が前提の投資法であるもの(NISAや投資信託)がおすすめ。

    このように、複数の収入源で手取り額を増やすことは、これからの時代必要になってくるスキルといえるでしょう。

    まとめ:薬剤師の手取り額は増やせる!

    手取りを増やそう

    ここまで、薬剤師の給与から引かれる税金や、実際手元に残る手取り額について解説してきました。

    まとめ

    • 薬剤師の手取り額は額面の約80%
    • 額面が上がれば引かれる税金も上がる
    • 15種類の所得控除や転職、昇進など手取り額を増やす手段はいくらでもある

    働いてる以上、誰もが「手取り額をもっと増やしたい!!」と思うのは当然です。

    そのためには、国の制度や収入を増やす努力が必要。

    まずは、自分の手取りをもう一度見直し増やす方法を検討してみてはいかがでしょうか?

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