薬剤師の病院から調剤薬局へ転職する前に知っておきたい6つのポイント

※本ページはアフィリエイト広告が含まれています。   ※口コミ・評判に関しては調査会社への依頼や公式サイトから一部抜粋して掲載しています。

「病院は夜勤が大変すぎるから、薬局に転職したい」

「子供が生まれたが、今働いている病院は給料が上がらない……薬局のほうが年収が高そう」

転職の理由は人それぞれですが、病院から薬局への転職を考える薬剤師は多いです。

同じ「薬剤師」という資格を生かす職業とはいえ、病院と薬局では業務内容や求められる役割が異なるため、転職後に戸惑う方がいるのも事実……

 

転職してから「こんなはずではなかった!」と悩まないためには、転職前に薬局への転職のメリットや注意点を十分にチェックしておくことが欠かせません。

今回は、病院で働く薬剤師の方に向けて、薬局に転職する前に知っておくべき6つのポイントを解説します

この記事をお読みになると、今後ご自身が薬局薬剤師として活躍するためにお役立ていただくことができます。

目次

病院薬剤師と薬局薬剤師の違いとは?

はじめに、病院薬剤師と薬局薬剤師の違いを4つのポイントから解説します。

業務内容

病院薬剤師は院内調剤や病棟業務のほかにも、DI業務や外来化学療法の立会い、無菌製剤の混注などを行っています。病院によっては治験や救急救命業務、チーム医療へも深く関っている薬剤師も多いです。

一方、調剤薬局で働く薬剤師の主な仕事は、外来患者の処方せんによる調剤業務です。調剤後の監査、服薬指導、薬歴の記入も一連の流れで行います。

薬局に来る患者は基本的には入院・手術のような緊急性がない状態といえるため、比較的落ち着いた空気の中で働けることも大きな違いと言えます。

 

また、近年は地域包括ケアシステムの推進の流れを受け、在宅業務に進出している薬局も増えてきました。患者宅を訪問しての在宅業務や、地域連携薬局の薬剤師として医療機関と連携する場面もあるでしょう。

平均年収

一般的には、調剤薬局のほうが病院よりも年収が高い傾向が見られます

薬剤師転職サイトの大手「薬キャリ」による薬剤師の年収調査によると、調剤薬局、ドラッグストア、病院、企業の業種別の薬剤師年収は以下のようになっています。

業種 都市部エリア(*1) その他エリア(*2)
調剤薬局 年収507.1万円 年収522.1万円
ドラッグストア(調剤併設を含む) 年収542.2万円 年収556.3万円
病院 年収467.2万円 年収490.8万円
企業(製薬・医薬品卸・治験など) 年収504.8万円 年収532.0万円

(*1)都市部エリア:北海道・東京・大阪・愛知・福岡

(*2)その他エリア:(*1)以外の都道府県

引用元:薬剤師の年収情報総まとめ|薬キャリ

この結果からも、病院のほうが薬局よりも平均年収が低い傾向にあることが分かります。

夜勤の有無・残業の頻度

とくに急性期病院や病床数の多い病院では、夜勤や当直、土日の当番出勤があるケースが一般的です。残業も多くなりがちで、病院の職場風土によっては自己研鑽的な目的から残業が常態化しているケースもあるようです。

一方、薬局では基本的に夜勤や当直はありません。土日出勤については薬局の営業時間次第ではありますが、隣にあるクリニックの診察日に合わせて休みが設定されているケースも多いです。

残業は店舗によりけりと言えますが、転職前に配属先店舗の残業状況を確認することができます。

福利厚生の充実度

病院の福利厚生は法人の方針によって異なりますが、激務である割に福利厚生が充実していない病院も多いです。

一方、薬局は病院よりも女性の比率が高い傾向にあり、人材確保のために産休・育休など福利厚生を充実させている薬局が多くみられます

大手調剤薬局では、産休・育休明けの復職後や中途採用の薬剤師に対する研修制度を充実させているところもあります。病院からの異業種転職であっても研修があれば安心なのではないでしょうか。

病院から薬局に転職する理由とは?

病院から薬局に転職する理由は様々ですが、年収アップや産休・育休など福利厚生の充実を求めたり、夜勤のない労働環境を希望したりして薬局薬剤師への転職を行っています。

一般的な傾向として、病院よりも薬局のほうがライフワークバランスを保ちやすい職場が多いです。

結婚したり、子供が増えたり、将来的な出産に備えた労働環境を求めたりする薬剤師にとって、薬局への転職は魅力的と言えるのではないでしょうか。

薬剤師が病院から薬局に転職するメリットは?

病院薬剤師から薬局への転職を成功させると、収入・ライフワークバランス・患者と接する機会の3点からメリットが得られます。

収入が上がる

平均収入は病院より薬局のほうが高いため、転職によって年収アップが望めます

結婚や子供の誕生で収入アップを望む方にとっては、欠かせないポイントとなるのではないでしょうか。

 

転職活動のときには求人票で年収額を確認することができるので、自分のケースでは具体的にどの程度年収アップするか、はっきり調べることが可能です。

夜勤がない・休みを取りやすい

病院と違って薬局には基本的に夜勤がないため、夜勤による生活リズムの乱れや体力的・精神的な緊張状態を避けることができます。

休みの取りやすさは店舗によりけりですが、転職時に休みを取りやすい薬局を吟味することで、これまでの職場よりも休みを取りやすくすることが可能です。

より身近に患者と接することができる

病院から薬局に転職することで、患者さんとより身近に話す場面を多く持つことができます。

病院薬剤師は病棟で服薬指導を行いますが、退院後の患者と接する機会はありません。

 

一方、薬局薬剤師は外来通院している患者さんが処方せんを持ってくるたびに投薬するので、より長期的に接することが多くなります。

親しくなると、患者さんが家族(服薬キーパーソン)のことや、服薬コンプライアンスについても話題にしてくれることもあり、密なコミュニケーションを取ることが可能です。

管理職昇進などでやりがいアップ

病院では管理職のポストが限られているため、昇進したくても難しいというケースがあります。例えば薬剤部内に何十人と薬剤師がいる病院では、主任や薬剤部長に昇進するのは至難の業と言えるでしょう。

 

しかし調剤薬局では、経営拡大のために新規店舗を増やしている薬局も多いので、管理職昇進を目指しやすいです。管理薬剤師や店舗責任者としてのやりがいを見出したり、将来的にはマネージメントに関わったりする機会を得やすいのは、薬局の魅力の一つと言えるのではないでしょうか。

薬剤師が病院から薬局に転職するデメリットは?

 

病院から薬局への転職はメリットだらけ……という印象がありますが、人によっては「やっぱり病院のほうが良かった」と後悔する場合もあります

とくに、薬剤師としての専門性の高さを求めて病院で働き続けてきた方にとっては、「薬局の仕事はもの足りない」と感じる場合も……

具体的なデメリットを見ていきましょう。

チーム医療から遠ざかる

病院に比べて、薬局での薬剤師業務は医師・看護師ら他業種の医療スタッフとの距離が離れています。

薬局内の薬剤師とは密接な連携を求められますが、職場外の医療人と連携する機会は少ないといえるでしょう。

 

在宅医療のチーム連携の一環として訪問看護師や介護支援員と接する機会はあるかもしれませんが、病院薬剤師のチーム医療とは異なるものです。

これまでの病院勤務で、医師らに積極的に薬剤師としての意見を伝えてきた方にとっては、チーム医療に関われないことをもどかしく感じる場合もあるようです。

単調作業と感じる場合も

これまで急性期病院などで、病棟や外来化学療法の業務、注射剤の混注といった高度な業務を行ってきた病院薬剤師の方にとっては、調剤薬局の業務が「単調でつまらない」と感じることもあるようです。

調剤薬局での業務は、まだまだピッキングや監査といった対物的な業務が多く、患者への服薬指導や在宅業務もあるものの、業務の幅という点では病院には及びません。

薬局での業務にやりがいを見出せなければ、働くことが苦痛になりかねないでしょう。

病院から薬局に転職する際の注意点

病院から薬局に転職する薬剤師は、今までと異なる知識が必要であり、異なる環境での活躍を求められるため苦労することもあります

同じ「薬剤師」とはいえ、新たに学び直すことも多いです。

薬局への異業種転職では、次の4点に注意しましょう。

レセプト・保険診療の知識不足で苦労しやすい

病院から薬局への転職でとくに苦労しやすいものの一つとして、レセプトや保険関係の知識が挙げられます。

病院には医事課があるため、レセプト業務を病院薬剤師が行うことはまずありません。多少点数に疎くても、問題なく働くことができるのではないでしょうか。

しかし調剤薬局では、事務スタッフがいるとはいえ、薬剤師が保険請求に関わる場面は少なくありません。調剤報酬点数やレセプト請求の知識が必要となります。

会計も薬剤師が行う場合が多く、「馴れないうちはレジ打ちで苦労した」という薬剤師の話もよく聞きます。

分からない点は他のスタッフに教えてもらったり、研修制度を活用したりすることで、少しずつ保険関連の知識を補っていくことが重要です。

患者からプレッシャーを受けやすい現場である

病棟での服薬指導は、入院患者を訪ねて説明を行う形であるため、急ぐよう患者から急かされる場面は少ないといえます。

一方、薬局は外来患者が目の前で待っているというプレッシャーを直接受けやすい環境です。重たい処方せんの一包化や粉砕なども、患者の待ち時間が短くなるよう迅速にこなさなければなりません。

これまでと違う「患者からのプレッシャー」を実感しやすい点に注意が必要です。

自分の薬剤師としてのビジョンに合っていないとつらい

収入や休みの取りやすさだけを目的にして薬局へ転職してしまうと、業務の違いにためらったり、やりがいを見いだせず喪失感を味わう危険があります。

薬局に転職した後の、5年後、10年後の自分の薬剤師像を明確に描けますか?

薬局薬剤師として医療に貢献する自分の理想像がきちんと描けるならば、もちろん心配いらないでしょう。

転職先薬局の経営状態・将来性を見極める必要がある

転職する薬局の経営基盤がしっかりしているかどうか、注意して見極めましょう。

個人経営の薬局や小規模薬局では、大手に買収される可能性もあるでしょう。買収後にも継続して働くことも可能かもしれませんが、経営方針や業務体系の変化は避けられません。

また、メインで処方せん応需しているクリニックなどが閉院した場合、門前にあった薬局が閉店に追い込まれるリスクがあります。

薬局の将来性や経営基盤も含めて、転職先を吟味するように注意しましょう。

病院から薬局への薬剤師転職で転職サイトをすすめる理由

病院から薬局へ転職を希望する薬剤師には、薬剤師専用の転職サイトの活用を強くおすすめします。

転職サイトを利用することで、病院薬剤師ならではの問題点にもスムーズに対応できるでしょう。

異業種転職は情報不足になりやすい

病院から薬局という異業種へ転職する際には、福利厚生や職場環境、店舗のシステムについての情報収集が欠かせません。

しかしこれまで薬局で働いたことのない方には、「どこのポイントを気を付けたらいいか分からない」というケースも多いのではないでしょうか。

たとえば病院の院内処方箋と、調剤薬局で応需する外来処方せんとでは、同じ枚数・診療科でも「重たさ」にかなりの違いが生じる場合があります。また、病院の薬剤部と調剤薬局とでは、単純に薬剤師人数だけを比べても業務の忙しさを推測することは出来ません。

どのようなポイントに注意したらよいのか、個々の薬局にどんな特徴があるのか、転職サイトのエージェントから情報を引き出しましょう。細かい情報収集を個人で行うには限界があるため、薬局業界に精通したエージェントからの情報が重要です。

多忙な病院薬剤師でも効率よく転職活動を行える

病院薬剤師は多忙であるため、「じっくり転職活動を行いたくても時間が足りない」という方もいるようです。

「病院勤務の忙しさから脱却してライフワークバランスを充実させたい」という理由で転職する方も多いくらいですから、転職活動にまで手が回らない可能性があります。

そんなときこそ、転職サイトが強い味方になってくれます。

自分の希望の条件を伝えておきさえすれば、担当エージェントが適した薬局をピックアップして求人票を回してくれるので、とても効率的です。

忙しい病院薬剤師だからこそ、厳選した求人の中から効率よく候補を絞っていく必要があるのです。

転職の希望条件に見合った職場を提案してくれ

転職サイトでは、登録後に担当エージェントから転職の希望条件に関するヒアリングがあります。

単に年収や福利厚生の条件だけでなく、求職者の性格や、転職先への要望、どんな薬剤師として将来活躍していきたいかといった薬剤師ビジョンについても伝えることができます。

ヒアリングで人物像を掴んだうえで、コンサルタントは厳選した求人情報を提示してくれるのです。

「そもそも転職するべきか決めかねて、悩んでいる」といった状態でも、相談できるのもメリットといえます。

薬局業界の知識や各店舗の内情に詳しいコンサルタントを有効活用して、薬剤師としてのキャリアプランを構築したり、適した職場を探したりしてみましょう。

転職サイトの情報力を生かして、病院から薬局への異業種転職を成功させよう

夜勤のない労働環境や年収アップなどを求めて、病院から薬局への転職する薬剤師の方は多いです。

病院と薬局では業務内容がことなるため、最初は戸惑うことも多いでしょう。とくにレセプト請求や患者と密に接触する場面の多さなどは、病院との大きな違いといえます。

5年後、10年後も薬局薬剤師として活躍するという明確なビジョンを描いた上で、転職先の薬局を選ぶことが大切です。

異業種転職の情報不足は、転職サイトのコンサルタントを活用して補いましょう。薬局薬剤師としてのみなさんのさらなるご活躍を、心から応援しています!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる