公務員薬剤師が民間の調剤薬局に転職する前に知っておきたい4つのこと

公務員薬剤師が民間の調剤薬局に転職する前に知っておきたい4つのこと
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「公務員薬剤師を辞めて民間で働きたい・・・」
「公務員から民間への転職は大変?」

公務員の薬剤師といえば安定の職種であり誰もが羨むものですが、実際に働いてみると激務だったり残業が多かったりとなかなか大変です。

しかし、いざ転職するとなると”公務員”という安定を手放して、民間で薬剤師として働いていけるのか不安になる方も多いと思います。

この記事を読んでいるあなたも、公務員薬剤師から民間の調剤薬局への転職に不安を感じているのではないでしょうか?

この記事では、そんな不安を解消するために公務員と民間企業の薬剤師の働き方の違いや、民間薬剤師になるための4つの注意点について解説しています。

転職で後悔しないためのコツも紹介していますので、ぜひ最後までお読み頂き参考になれば幸いです。

この記事で分かること

  • 公務員薬剤師と民間薬剤師の違い
  • 公務員を辞めるメリット・デメリット
  • 「公務員辞めたい!」と思った時にとるべき行動
  • 民間薬剤師へ転職するための4つの注意点
目次

公務員薬剤師と民間薬剤師の違いを比較

公務員 民間企業

公務員しか経験したことのない薬剤師にとって民間企業は、どんなものなのかあまりイメージが湧かないと思います。
まずは、公務員と民間薬剤師の違いについて把握していきましょう。

以下では、給与や仕事内容などのさまざまな面で、民間と公務員の違いを比較しています。

給与

民間薬剤師 公務員薬剤師
平均月収 39万円 41万円
賞与 83万円 184万円
平均年収 562万円 682万円

参考:厚生労働省「令和元年 賃金構造基本統計調査」、総務省「令和3年 国家公務員給与等実態調査」より

厚労省の統計である「令和元年 賃金構造基本統計調査」によると、民間薬剤師の平均年収は、562万円(給与479万円、賞与83万円)と公表されています。

一方で、総務省が公表している「令和3年 国家公務員給与等実態調査」によると国家公務員の平均年収は682.1万円(給与497.6万円、賞与184.5万円)です。

公務員と民間では、年収に120万円もの差が出ています。

平均月収の差は、2万円と大きく変わらないものの、賞与額に関しては公務員の方が年間で184万円(4.45ヶ月分)と非常に多い支給額となっているのです。

ただ、民間薬剤師でも職種や勤めている企業によっては、公務員の年収を上回る給与をもらっている方もたくさんいるので、一概に民間の薬剤師が公務員より給与が低いとは言い切れません。

しかし、民間の薬剤師に転職すると年収が下がってしまう可能性は大きいといえるでしょう。

福利厚生

公務員には、大きく分けて「年次休暇」「病気休暇」「特別休暇」「介護休暇」の4種類の休暇が与えられます。
年次休暇は民間でいうところの「有給休暇」にあたり、年に20日の範囲内で取得することができます。

一方で、民間企業の有給休暇は半年勤務すると10日付与される企業が一般的です。

また、育児休暇においても民間企業は1〜2年が限度、公務員の場合は最長で3年まで取得できます。

その他、民間の福利厚生は大企業であれば転勤の際の引っ越し費用や家賃補助、扶養手当など企業によってさまざまです。

民間に転職する際には給与だけでなく、福利厚生もチェックすることが大切です。

退職金

公務員 大企業 中小企業
退職金平均
(定年の場合)
2,090.6万円 約2,268万円~2,500万円 約1,083万円~1,200万円

公務員は退職金制度があり、勤務年数に応じて支払われます。

仮に国家公務員が定年退職した場合の平均退職金相場は、2090.6万円です。(参考:人事院

一方で、民間企業の定年退職金の相場は企業規模によって異なり、大企業が約2,268万円~2,500万円、中小企業が約1,083万円~1,200万円程度という結果となりました。
(参考:就労条件総合調査 / 平成30年_就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)の支給実態

また、民間の中で何らかの退職金制度を設けている企業は、80.5%です。
つまり、民間企業の方針によっては退職金制度自体がない会社が5社中1社はあるということになります。

このように、民間企業は公務員のように必ず退職金制度が義務付けられているわけではありません。

退職金についてもっと知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

仕事内容

公務員薬剤師と一言で言ってもさまざまな仕事内容があります。

主な仕事内容としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 医薬品・環境衛生の監査
  • 医薬品や食品の検査
  • 薬物犯罪の取り締まりや住民への啓蒙活動 など

一方で民間企業の薬剤師の主な仕事内容は、職種によって以下のように異なります。

  • 調剤薬局・・・調剤業務、服薬指導
  • ドラッグストア・・・調剤業務、OTC医薬品の販売
  • 病院・・・調剤業務、製剤業務、外来での服薬指導
  • 製薬会社などの企業・・・自社製品の販売促進、研究職 など

民間と公務員薬剤師の仕事内容で大きな違いは、調剤業務の有無です。

公務員薬剤師は、調剤業務以外の監査や検査業務が中心で、患者に対しての服薬指導や調剤業務の機会があまりありません。

民間の場合は、職種にもよりますが主な仕事内容が調剤業務や服薬指導のため、薬剤師らしい仕事ができるでしょう。

公務員薬剤師を辞めるメリット

公務員を辞めるメリット

公務員薬剤師を辞めるとどのようなメリットがあるのでしょうか?

以下では、公務員薬剤師を辞めることで得られるメリットについて解説していきましょう。

公務員を辞めるメリット

  • 年収がアップする可能性がある
  • 将来の選択肢が広がる
  • 副業ができる

年収がアップする可能性がある

民間の薬剤師になることで年収が上がる可能性があります。

先述の通り、全体の平均としては公務員薬剤師の方が年収は高めです。

しかし、大企業の研究職や製薬会社のMRなどの年収は、1,000万円以上の薬剤師も珍しくはありません。
実際に、大手製薬会社である中外製薬の平均年収は、1,100万円です。(参考:2021年「中外製薬有価証券報告書」

また、MRなどの職種は、営業実績によるインセンティブが給与に反映されるため高収入になりやすいといえるでしょう。

このように、民間企業の薬剤師は自分の実力次第で年収を飛躍的にアップさせることができます。

将来の選択肢が広がる

公務員で働いていると、将来の選択肢というのがある程度見えてしまう部分があります。

毎日同じ業務をこなし、定年まで公務員として働き続ける。
安定という面では保証されていますが、選択肢というのが狭くなりがちです。

民間企業に転職することで、将来のキャリアの選択肢だったり、やりたいことが自分で決められます。

将来の選択肢が広がるという意味では、民間企業の薬剤師の方がやりがいはあるといえるでしょう。

副業ができる

公務員薬剤師は、基本的に副業が禁止されています。
なぜなら、国家公務員法や地方公務員法では「営利に関わる活動は禁止されている」からです。

株式などの投資は認められていますが、国の労働者である以上はそれ以外の営利活動には関わることはできません。

一方で、民間企業の副業は企業によって制約は異なりますが、業務に影響が出なければ基本的に副業に寛容な会社は多いでしょう。

副業ができることで、給与アップにもつながり、同時に本業以外のスキルを身につけられます。

公務員薬剤師を辞めるデメリット

公務員を辞めるデメリット

ここまで、公務員薬剤師のメリットについて解説してきました。
しかし、公務員を辞めるということは良いことばかりではありません。

ここからは、公務員を辞めると起こるデメリットについて見ていきましょう。

公務員を辞めるデメリット

  • 周囲から「もったいない」と言われる
  • 社会的信用が下がる
  • 民間企業に馴染めない可能性

周囲から「もったいない」と言われる

公務員を辞める決断をして、最初に訪れるデメリットは周囲の人から「もったいない」と言われてしまうことです。

世間からするとまだまだ「公務員になれば安定した生活が保証される」「公務員は定年まで働くのが普通」という考えが浸透しています。
そのため、公務員を辞めるという決断をした人に対して、批判的な意見の人が多いのです。

しかし、最終的に辞めるか辞めないかを決めるのは本人次第なので、周囲からの「もったいない」という意見は参考程度に受け止めておきましょう。

社会的信用が下がる

公務員は、社会的に信用度が高く住宅ローンなどが組みやすい傾向にあります。

民間企業に転職した場合、一定期間会社に勤めることで社会的信用度は上がりますが、転職を繰り返していたり、勤続年数が浅いとローン審査が通りにくい傾向にあるようです。
また、極端な話ですが公務員から民間に転職して1ヶ月後に会社が倒産する可能性もゼロではありません。

公務員という安定した職を手放すと社会的な信用は、多少なりとも落ちることはデメリットだといえるでしょう。

民間企業に馴染めない可能性

公務員として働いていると、マニュアルがきちんと出来ていてその通りに仕事をこなしていれば文句は言われません。

しかし、民間企業は営利目的で働いているため、そもそも仕事に対する考え方が違ってきます。
民間企業の薬剤師は、会社の売上や業績のために行動しなければ務まりません。

仕事に対するモチベーションや民間企業の考えに馴染めないと、転職は厳しいでしょう。

公務員薬剤師を「辞めたい」と思った時にとるべき行動

公務員を辞める前に

公務員を辞めたい一心から、いきなり辞めてしまうのは少しもったいない気がします。
辞めてしまう前に、出来る行動や対策があるのです、

以下では、公務員を辞める前に出来ることやとるべき行動を紹介していきましょう。

公務員を辞めたいと思ったら・・・

  • 異動を申告する
  • 仕事内容の見直し
  • 身近な人に相談する
  • 思い切って休むのもアリ

異動を申告する

まずは、人間関係や業務内容に不満がある場合は、異動を申告しましょう。

公務員はどうしても人間関係が狭くなりがちです。
そのため、上司と関係が悪くなると苦痛でしかありません。

また、業務内容に不満がある場合もあるでしょう。

異動を申告することで人間関係が変わったり、新しい業務に携わることができます。

ただ、異動を申告しても100%自分の希望が通るわけではありませんので注意しましょう。

仕事内容の見直し

仕事量が多く残業などの理由から辞めたいと思っている場合は、仕事内容の見直しをしましょう。

例えば、日々行っている業務で時間がかかったり、効率が悪いやり方をしていないでしょうか?

公務員の業務は、マニュアル化されており古いままのやり方も存在します。
そんな時は、業務内容の見直しをして効率よく仕事をすることで、残業時間が減らせるでしょう。

また、業務量が多い場合には他の人に任せられる仕事を見つけ、分担してもらうのも一つの方法です。

身近な人に相談

公務員を辞める前に、身近な人に相談してアドバイスをもらうのも有効な方法です。

自分の考えだけでは、思考が偏りがちになり考えがまとまりません。

そこで、さまざまな立場の人に相談することで視野や考えが広くなるでしょう。

ここで気をつけたいのが「誰に相談するのが良いのか」ということです。

相談相手で気をつけたいのが、批判的な意見を言ってくる恐れのある人には相談しない方が無難です。
また、なるべく経験豊富で同じような境遇を経験している人に相談するのがおすすめ。

さまざまな人の意見を参考にし、最後は自分で決断していきます。

思い切って休むのもアリ

どうしても職場に行くのが辛くて「今すぐにでも辞めたい!!」と思ってる薬剤師もいるでしょう。

そんな時は、思い切って休むのもアリです。というか、どうか休んで下さい。

公務員は「病気休暇」というものがあり、休職後働かなくても3ヶ月間は給与の全額が支払われます。
また、1年以内であれば給与の8割が支払われるのです。

病気休暇を使えない場合は、年次休暇を使って1週間くらい休むのも良いでしょう。

人間は弱っている時は、冷静な判断能力が低くなります。
休んで、今一度考えてからでも公務員を辞める判断をしても遅くはないでしょう。

公務員が民間の薬剤師への転職する際の注意点4つ

公務員から転職 4つの注意点

公務員薬剤師が民間に転職する際に気をつけなければならないことはあるのでしょうか?

以下では、公務員から民間に転職する際の注意点を4つ解説していきましょう。

公務員から民間企業に転職する薬剤師が気をつけたいこと

  • 志望動機を明確にする
  • 退職のタイミング
  • 公務員の経験が民間で活かせるとは限らない
  • 転職はプロに相談する

志望動機を明確にする

まずは、志望動機を明確にする必要があります。
公務員から、民間企業に転職するときに人事が一番聞きたいのは「志望動機」です。

「なぜ、安定している公務員を辞めてまでうちの企業を志望しているのか?」ということを企業は一番気になります。

そこで、面接官を納得させられる志望動機を言えることで、採用確率は上がるでしょう。

自分がなぜこの企業を選んで、転職したいのかをはっきりとさせておく必要があるのです。

退職のタイミング

公務員を退職するときのタイミングも大切です。

最もオーソドックスな退職時期は、年度末の3月末でしょう。
また、ボーナス支給後の6月と12月に辞める人も多いです。

ただ、次の転職先が決まっている場合は、上記のタイミング関係なく即日報告するようにしましょう。
なぜなら、早めに報告しないと業務の引き継ぎや転職する企業にも迷惑をかける恐れがあるからです。

退職のタイミングは、それぞれですが逆算しながら考えて上司に報告するようにしてください。

公務員の経験が民間企業で活かせるとは限らない

民間企業では、公務員薬剤師で培ってきたスキルや能力が必ず活かせるとは限りません。

主な公務員の仕事は、監査や検査など薬事業務以外のものが多いです。
一方で、民間の調剤薬局やドラッグストアは、調剤業務や服薬指導などの薬事業務が中心となるでしょう。

そのため、公務員で行ってきた業務が民間では通用しない可能性があります。

また、民間企業では売上を上げるためにスピードも要求されるため、公務員とのギャップを感じてしまうかもしれません。

公務員が民間薬剤師への転職をする際には、初心帰って一から学ぶ姿勢が大切です。

転職はプロに相談する

本格的に公務員から民間に転職を検討しているなら、転職サイトへの登録は必須です。

薬剤師の転職サイトは、調剤薬局から製薬会社まで数多くの民間企業の薬剤師求人が揃っています。

転職サイトは、企業とのつながりも強いため、ハローワークで探すよりも良い条件の求人が見つかりやすいのです。

また、薬剤師一人にコンサルタントが担当し、あなたの転職活動を全面的にバックアップしてくれます。
履歴書や面接同行、志望動機の対策までサポートしてくれるでしょう。

薬剤師におすすめの転職サイトは、こちらの記事にてご覧いただけます。

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まとめ:公務員でも民間でも薬剤師としてのやりがいを見つけよう

公務員からの転職は計画的に

ここまで、公務員薬剤師が民間の企業に転職するメリットデメリット、注意点などを解説してきました。

まとめ

  • 公務員薬剤師は福利厚生や年収面では恵まれている
  • 公務員を辞めると仕事の選択肢が広がる
  • 公務員のスキルが民間企業で活かせるとは限らない
  • 公務員が辛いと思ったらまずは休む
  • 公務員薬剤師の転職は転職サイトを活用

公務員薬剤師は、民間企業よりも確かにさまざまな面で優遇されており恵まれています。

しかし、働いている本人が辛くて辞めたいと思えばその限りであありません。
むしろ、民間に転職した方がのびのびと働ける場合もあります。

最後に公務員や民間に関係なく、薬剤師としてのやりがいを感じられる職場に出会えることを心から願っています。

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