薬剤師をやめて違う仕事がしたい!転職方法とあなたが取るべき選択肢とは…?

※本ページはアフィリエイト広告が含まれています。   ※口コミ・評判に関しては調査会社への依頼や公式サイトから一部抜粋して掲載しています。

「薬剤師を辞めて、まったく別の職業を一から始めたい」

「薬剤師としての経験を活かしつつ、免許に縛られない生き方を選びたい」

薬剤師の中には、薬剤師としての現場から退いて新しい働き方を選ぶ方もいます。

 

しかし、薬剤師免許所有者のほとんどが調剤薬局や病院などで働いているため、「別の仕事を探したいけれど、どう探したらいいか分からない!」と悩んでしまう方も多いようです。

さらに、「薬剤師免許をムダにするようでもったいない」「家族に引き留められた」など、キャリアチェンジをためらわせるさまざまな事情がありますよね。

 

今回は、薬剤師を辞めて他の仕事を探したい方に向けて、転職方法やよくある質問を解説します。

この記事を、薬剤師免許に頼らない新しい生き方選びに役立てていただければ幸いです。

目次

薬剤師を辞めて違う仕事を始める人もいる

実際に、薬剤師を辞めて国家資格を用いずに働いている人はいます。

私事ではありますが、筆者も薬剤師からライターへ転職した者のひとりです。

 

そもそも薬剤師になろうと決めた理由も人それぞれです。

自分の意志で薬剤師を目指そうと決めた方よりも「なんとなく」あるいは「実家の稼業の関係で」など消極的な事情で薬剤師になった方のほうが、薬剤師から離れるケースが多いのかもしれません。

 

本人の決意と覚悟さえあれば、薬剤師免許にとらわれないで働くことは可能です。

厚生労働省の『平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』によると、薬局や医療機関などで働く薬剤師が圧倒的多数ではあるものの、その他業務に従事する薬剤師は全国に数千人単位で存在しています。

 

<施設・業務の種別に見た薬剤師人数(2018年12月31日時点)>

薬剤師人数 構成割合
総計 311,289人 100.0%
薬局の従事者 180,415人 58.0%
医療施設の従事者 59,956人 19.3%
介護保険施設の従事者 832人 0.3%
大学の従事者 5,263人 1.7%
医薬品関係企業の従事者 41,303人 13.3%
衛生行政機関または保健衛生施設の従事者 6,661人 2.1%
その他の業務従事者 6,517人 2.1%
無職 10,339人 3.3%

参考:平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況|厚生労働省

 

全体の2%前後という割合ではありますが、薬剤師業務に関わらずに働いている薬剤師もいるのです。

この数を多いと見るか、少ないと見るかは人それぞれといえるでしょう。

キャリアアップとキャリアチェンジはまったく違う

薬剤師から免許を用いない他業種への転職は、「キャリアチェンジ」と呼ばれます。

キャリアチェンジは未経験の業界への転職であり、薬剤師が薬剤師免許を用いて行う「キャリアアップの転職」とはまったく異なるものである点を覚悟しましょう。

<キャリアチェンジとキャリアアップの違い>

  • キャリアチェンジ:未経験の業種に転職すること
  • キャリアアップ:経験のある職種での昇進や、高いポジションにつくための転職

非薬剤師の仕事にキャリアチェンジすることは、ゼロからのスタートを意味します

国家資格を活かして高収入を稼ぎだすことのできる薬剤師の中には、収入ダウンや新人扱いにつながるキャリアチェンジに抵抗感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

薬剤師の経験を生かした他業種転職

薬剤師として臨床の場で働いた実績を活かして、他の業種に転職することが可能です。

完全なキャリアチェンジというよりは、キャリアアップの色合いが強いかもしれません。

具体的な職種をご紹介します。

大学職員、講師

母校の大学薬学部などで、教員になる人もいます。

各大学の教員募集に応募して採用されれば、なることができます。

薬剤師免許は必須ではありませんが、免許が有利に働く場合があります。役職は助教、講師、准教授、教授の順に昇格していき、大学ごとに昇進条件がことなります。

ただし、講師になるまでに博士号を取得することがほぼ必須であるため、6年制薬学部しか卒業していない方は大学院に入り直して4年間の博士課程で研鑽を積む必要があります

薬剤師の現場を離れてつつも医療・薬学に貢献したいという方は、母校の研究室を訪ねて情報収集してみてはいかがでしょうか。

CRA、CRCなど企業転職

薬剤師を辞めて、CRA(臨床開発モニター)やCRC(治験コーディネーター)として、企業に転職する方もいます。

また、製薬企業の薬事申請品質管理部門に入社するという選択肢もあります。

いずれも薬剤師としての経験を活かして働くことが可能ですが、調剤薬局などと比べて求人数が非常に少ないので難易度は高いです。

完全に未経験からの転職となると、さらにハードルは高くなります。

年齢が上がるほど転職に不利となるため、転職を決断したら早めに情報収集を始めましょう。

一般企業への転職

化粧品メーカー、食品メーカーのような一般企業で商品開発や品質管理部門として働くことも可能です。

マイナビ(マイナビ薬剤師ではなく一般向けのマイナビ)などの転職サイトには、「未経験可」「中途採用ハンデなし」などの求人情報も数多く掲載されています。

人材コーディネーターやキャリアカウンセラーなどの業種もあるので、薬剤師としての就業経験を活かして活躍できる職場を探すことができます。

メディカルライター

メディカルライターとは、製薬企業やCRO(医薬品開発業務受託機関)の医薬品開発のための書類などを執筆するライターです。

厚生労働省に提出するための薬事申請書類や、医療従事者向けの記事を作成するのが仕事です。

メディカルライターになるには、英語で読み書きするスキルや薬事関連の知識が必須となります。

 

メディカルライターの就職先は、製薬会社やCRO、医薬系出版社や医薬系広告代理店などです。

就職して実績を積んだあと、フリーランスとして独立するメディカルライターもいます。

薬剤師と無関係の職業例

給料や就職先にこだわらないなら、さまざまな職業にキャリアチェンジすることが可能です。

弁護士・調理師のような要資格の職種や、新卒占有率100%などの企業に入るのは不可能ですが、一般企業の中途採用に応募して合格すれば、薬剤師とまったく関係のない仕事を始めることができます。

パートやアルバイトでの採用ならば比較的容易ですし、在宅ワークのフリーランスとして開業する道もあります。

 

薬剤師としてのプライドに固執せず、その業種の新人として謙虚に働き始めることが重要です。

キャリアチェンジ後の業種で経験と実績を積み上げれば、薬剤師時代の年収を越えることも不可能ではありません。

とくに、管理職未満の経験の浅い薬剤師は年収も低めなので、薬剤師時代よりも高年収を稼ぎだせる日が来る可能性も高くなります。

飲食店・小売業

居酒屋やファミリーレストランなど飲食店、スーパーマーケットやアパレル系の小売店など、薬剤師とまったく関係のない企業で正社員やアルバイトとして働くことが可能です。

学生の頃「本当はカフェで働きたいんだけどな」「アパレルの仕事がしたいな」などと思ったまま、何となく薬学部に進んでしまい、チャレンジせず現在に至る……という方も意外といらっしゃるのかもしれません。

心に未練を遺したままで過ごすより、チャレンジしてみたほうが人生の質が良くなるでしょう。

パートやアルバイトでよいのなら、何歳になってもチャレンジ可能です。

事務職など一般企業への転職

一般企業で一般事務や総務、経理などとして働くこともできます。

事務職未経験でも採用可とする企業は多いです。

 

基本的なパソコンスキルとコミュニケーションスキルが必要ですが、薬剤師として勤務経験があれば一定のパソコンスキル・コミュニケーション能力を備えている方も多いのではないでしょうか。

正社員だけでなく、派遣社員・パートタイマーなど幅広い雇用形態を検討すると選択肢を広げることができます。

フリーランス(在宅ワーカーなど)

フリーランスとは特定の会社に属さないで、さまざまな顧客の仕事を請け負って仕事をするという働き方のことです。

会社に雇ってもらうばかりが「働き方」ではありません。自分のスキルを磨いて、個人で稼ぎ出すことは可能です。

具体的な職業例を以下に挙げます。

<フリーランスの職業例>

  • フリーライター
  • プログラマー
  • システムエンジニア
  • Webデザイナー
  • イラストレーター
  • ブロガー
  • アフィリエイター
  • ハンドメイド作家
  • ネットショップ経営者

事業所を構えて働くこともできますが、在宅ワーカーとして自宅で働くフリーランスも多いです。

継続して事業を行う場合は、税務署に開業届を提出して個人事業主の手続きを行う必要があります。

薬剤師から他の仕事にキャリアチェンジする方法

キャリアチェンジして企業で雇用されるためには、転職エージェントを介して転職するか、自分で直接求人先に応募するのが一般的です。

リスクを抑えながらキャリアチェンジの道を探りたいという人は、まずは副業として軽く試してみるのもおすすめです。

具体的な方法を解説します。

転職エージェント・転職サイトの利用

未経験業種の企業へ転職する場合には、転職エージェントや転職サイトを活用するのがおすすめです。

<転職エージェント、転職サイトの違い>

  • 転職エージェント:担当エージェントが求人を厳選紹介してくれる
    (例)リクナビエージェント、マイナビ転職エージェントサーチ
  • 転職サイト:自分で求人を探して募集する
    (例)リクナビ、マイナビ
  • 薬剤師専用転職サイト:自分で求人を探すこともできるが、担当コンサルタントから紹介してもらえる
    (例)リクナビ薬剤師、マイナビ薬剤師

転職エージェントに登録すると、担当エージェントが業界の基本情報や動向を教えてくれるるので、未経験の不利をカバーしやすくなります。

また、薬剤師専門の転職サイトでもCRCやCRAのような非薬剤師職種の求人情報を持っている場合があるため、積極的に活用しましょう。

ただし、薬剤師専門転職サイトの中には企業求人がほとんどないサイトもあるので、企業に強い転職サイトを吟味することをおすすめします。

リクナビ薬剤師、マイナビ薬剤師は企業求人も豊富なので、非薬剤師の転職の際もおすすめです。

求人募集に応募する

企業ホームページの求人から直接応募したり、知り合いのツテで面接を受けたりするのも、他業種へのキャリアチェンジに有効です。

採用面接の際には、採用担当者は「前職が薬剤師であること」に注目するでしょう。

なぜ薬剤師を辞めてその会社(業種)をめざすのかは、面接時にほぼ必ず問われる質問です。

「ただ薬剤師が嫌だったから」というだけでは通用しませんので、ポジティブな転職理由を答えられることが不可欠です。

まずは副業で始めてみるのも

「在宅ワークに転職したいけれど、未経験だから自分に適性があるかわからない……」という方は、副業で始めてみるのも一つです。

ランサーズやクラウドワークスのようなクラウドソーシングサイトでは、未経験でも記事ライティングやイラスト制作を受注することが可能です。

ただし、未経験ワーカーに高報酬を払いたいと考えるクライアントはほぼ確実にいないので、最初のうちはほぼ無報酬で経験を積み上げていく必要があります。

自分の本気と適性を試すためにも、在宅ワークは副業として始めるのが安全です。

薬剤師を辞める人のよくある悩み

薬剤師を辞めたい人がよく悩むポイントについて解説します。

薬剤師を辞めたいのか、今の職場を辞めたいのかわからない

今の職場がツラすぎて思考マヒしてしまうと、自分はこの職場を辞めたいのか、薬剤師そのものを辞めたいのか分からなくなってしまうことがあります。

辞めたい理由を自問自答し、「まだ薬剤師として働きたい」という気持ちが少しでも残っているなら、薬剤師として転職するのが現実的です。

薬剤師は患者さんの命を支える重要な職業ですし、社会的な信頼度も高くて給与に恵まれているので、生半可な気持ちで手放すのはおすすめしません。

薬剤師以外の仕事で本当にやりたいことがあるなら、キャリアチェンジへの覚悟と決断を固めます。

免許を無駄にするのがもったいない

薬学部修了までの高額な学費や、薬剤師としての安定収入を考えると、「免許を使わずムダにするのはもったいない」という気持ちが湧きやすいですよね。

信頼ある薬剤師という職業を手放すのはもったいない。確かに、その通りです。

 

心理学で「損失回避バイアス(損失回避の法則)」と呼ばれる心理があり、人間には得することより損失を避けることを選ぶ傾向があるといわれています。

ジョブチェンジによる未確定の成功よりも、薬剤師としての安定を失う恐怖を重視しやすいのです。

 

しかし、不本意に働き続けるなら人生を無駄にすることになります。

人生100年時代、自分が薬剤師として最後まで働き続けられるかどうか、自問自答してみましょう。

他にやりたい仕事が本当にあるのなら、キャリアチェンジを現実的に考える必要があります。

周囲に反対される

薬剤師を辞めるというと、十中八九、他人は「もったいない」と言います。

さらに、同居家族は収入面でのリスクを避けるためにも反対する可能性が高くなります。

いわゆる「嫁ブロック」のように、養う家族を抱えているほどキャリアチェンジのハードルがあがります

 

「半年後までに○○円稼ぎ出せなければ薬剤師に戻る」など、いざとなれば薬剤師に戻れるように退路を残して提案すると、家族も納得しやすいようです。

もちろん、自分自身は「退路を断ったような気持ち」になって見通しを立てて働かなければ、キャリアチェンジを成功させることは困難です。

お金が心配

薬剤師の高月給を失うと思うと、辞めるのをためらってしまいます。

お金の不安を解消するために、1年分程度の貯金を確保してから転職するという方もいるようです。

また、「奨学金を返済しないとやめられない」という人はまず、薬剤師として高収入の職場に転職して完済するのも一つです。

薬剤師としての収入を確保するために、単発の派遣薬剤師を続けるという手もあります。

現場から退いたら薬剤師業界には戻れない?

ブランクが長くなるほど、薬剤師に戻るのが困難になります。

薬剤師専門誌などで知識をアップデートし続けても、現場感覚の喪失は避けられません。

 

ですが、出産や介護で1~3年ブランクがあくのは、薬剤師にはよく見られることです。

再就職する場合には、アポプラス薬剤師のようにブランクのあるママ薬剤師などへの研修体制が整った転職サイトを活用するのも一つです。

本気で新しい仕事を始める覚悟があるのなら……

薬剤師を辞めたいのか、本気でやりたい仕事を今から始めたいのか。

この違いは自分のモチベーションと人生設計に直結するので、非常に重要です。

辞めることばかりに目が行くかもしれませんが、残りの人生のために再スタートするなら、一刻も早く始めるべきです。

 

惰性で薬剤師を続けていると、次の仕事のスタートが遅くなるので年齢的に不利になります。

新しい業界で本物になって稼ぎ出したいのなら、本気でスタートを切る必要があります。

まとめ:薬剤師免許はあなたの「一部」であって全部ではない

「薬剤師を辞める」のは作業としては簡単ですが、人生設計を見直したり収入を確保したりと、さまざまな困難が伴います。

ただ「嫌だから辞めたい」というだけだと、辞めたあとで喪失感で苦しむことになりかねません。

 

自分が残りの人生で何して生きていくのか、どうやって稼ぐのか真剣に検討し、自分の心が決まっているのなら一歩踏み出すことをおすすめします。

薬剤師免許は自分の一部ですが、自分のすべてではありません。

 

薬剤師の道を退いても、これまで働いて得てきた経験や学びは人生の糧となります。

皆さんがよりよい人生を歩まれることを、心から応援しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる