「1日だけ単発の仕事で、収入アップしたい」
「単発の仕事の時給はいくらもらえるの?」
「薬剤師の単発・スポットの仕事はどこで探せる?」
薬剤師の方で、単発やスポット派遣に興味のある方は多いでしょう。
しかし、薬剤師の場合は日雇いの仕事は少なく、どこで求人を見つけて良いのか分からない人も多いのではないでしょうか?
また、単発の薬剤師の仕事をするにはいくつかの条件があります。
この記事では、上記の悩みや疑問を解決し、単発・スポット派遣の仕事内容や気をつけるべきポイントを解説しています。
単発の薬剤師の仕事をやりたいと思っている人は、ぜひ以下の内容を参考にしてください。
この記事で解決する内容
- 薬剤師の単発・スポット派遣とアルバイト・パートの違い
- 派遣先の職場や仕事内容
- 薬剤師の単発・スポット派遣をする前に注意すべき点
- 薬剤師の単発・スポット派遣の時給相場
- 単発の仕事のメリット・デメリット
- 単発の薬剤師の仕事に向いている人・向いていない人
- 薬剤師の単発の仕事でよくある質問
薬剤師の単発・スポット派遣とは?
薬剤師は、出産や結婚で職務にブランクがあっても資格さえあれば社会復帰しやすいのが魅力。
しかし、人間関係の煩わしさやブランクが長く、復職に不安を抱えている薬剤師は少なくありません。
また、正社員やパート・アルバイトで働いている薬剤師も「隙間時間に気軽に稼げる仕事がないかな?」と思っている薬剤師も多いと思います。
そんな薬剤師におすすめの仕事が、単発・スポット派遣です。
薬剤師の単発・スポット派遣とは最短数時間〜数日間のような短期間の雇用形態のことを指します。
通常、派遣というと数ヶ月〜数年単位のイメージですが、単発・スポット派遣の場合は最短で数時間〜、長くても1~2ヶ月程度です。
そのため、長いブランクで社会復帰が不安な薬剤師や「今月だけ収入を増やしたい」という薬剤師にはぴったりな雇用形態だといえるでしょう。
アルバイト・パートとの違い
単発・スポット派遣とアルバイトやパートの最大の違いは、雇用先が異なるという点です。
アルバイトやパートの場合、雇用先は勤務している職場なので給与は経営者や企業からもらうことになります。
一方で、派遣の場合は雇用先が派遣会社になるので、給与は経営者や企業からではなく、派遣会社からでるのです。
福利厚生も派遣先の企業のものではなく、派遣会社の福利厚生が適応されます。
また雇用期間はアルバイト・パートの場合、基本的に定められていません。
しかし、派遣の場合はあらかじめ雇用期間を決めてから就業するのが一般的です。
雇用期間は、最短で1日数時間〜数ヶ月ごとの更新のものまでさまざま。
就業場所も派遣会社からの指示で決まるので、パートやアルバイトのように職場が決められているわけではありません。
薬剤師の単発・スポット派遣の職場や仕事内容
単発・スポット派遣には、さまざまな派遣先があります。
以下では、薬剤師の派遣先と仕事内容について見ていきましょう。
ドラッグストアは高時給が魅力
薬剤師の単発・スポット派遣の中でも最も多い求人が、ドラッグストアです。
近年では、ドラッグストアの大手企業による急速な店舗拡大に伴い、薬剤師が不足しています。
そのため、店舗によっては深刻な人材不足を解消するために、短期間で働きやすい派遣薬剤師の求人を出しているのです。
特に、忙しい土日祝日の派遣ニーズが高まっており、時給も高い水準に設定しているドラッグストアも多数あります。
また、OTC医薬品を扱っている店舗であれば、幅広い知識とスキルが身につくでしょう。
調剤薬局は柔軟な働き方ができる
調剤薬局は、単発・スポット派遣の中でも人気の職場です。
なぜなら、土日祝日は基本的に休みの調剤薬局が多く、勤務時間も柔軟に調整できるため働きやすいのが魅力。
子育てや、家庭との両立をはかりたいママさん薬剤師には、ぴったりの職場だといえるでしょう。
しかし、調剤薬局は特定の医療機関の処方箋しか扱わないため、スキルアップしにくい職場もあります。
病院は医療関係業務の派遣は原則禁止されている
病院への薬剤師派遣は、厚生労働省の労働者派遣法により原則として禁止されています。
ただし、下記のケースの場合は病院への薬剤師派遣が認められているのでみていきましょう。
病院への薬剤師派遣が認められている例
- 紹介予定派遣(TTP)である
- 病院、診療所以外の施設への派遣である
- 産休・育休・介護休業の代替業務である
紹介予定派遣とは、最大6ヵ月間は派遣として働き、企業と労働者が双方合意の上で正社員に登用するという雇用形態です。
病院、診療所以外の施設とは、特別養護老人ホームや保育園などの施設への派遣は認められています。
また、産休・育休・介護休暇の代替で一定期間のみの派遣は認められているのです。
このように、病院でも派遣の求人はありますが、求人数が少ないため限られているといえるでしょう。
【注意点】薬剤師の単発・スポット派遣を始める前に知っておくべきこと
薬剤師が単発・スポット派遣をする前に知っておきべきことや注意すべき点はあるのでしょうか?
以下では、薬剤師の派遣を始める前に3つの注意点について解説していきます。
- 基本的に30日以内の短期労働は禁止
- 単発・スポット派遣の求人に応募するには条件がある
- 地域によって求人量が異なる
- 「薬剤師賠償責任保険」の有無を確認しておく
基本的に即日の派遣薬剤師は労働者派遣法で禁止されている
平成24年10月1日より、労働者派遣法改正法が改正されたことで、基本的に30日以内の短期労働は禁止となりました。
「日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)の原則禁止(適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務の場合、雇用機会の確保が特に困難な場合等は例外)」
引用:厚生労働省
しかし、現実には派遣薬剤師の求人は数多く募集されています。
では、なぜこ単発・スポット派遣の求人は違法にならないのでしょうか?
次の項目では、単発・スポット派遣ができる薬剤師の条件を解説していきます。
単発派遣で薬剤師をするには条件がある
先述の通り、薬剤師の単発・スポット派遣は原則として禁止されています。
しかし、以下の4つの条件のいずれかに当てはまる薬剤師は単発・スポット派遣として勤務が認められているのです。
単発派遣が認められる条件
- 60歳以上の人
- 世帯年収が合計で500万円以上
- 本業収入が500万円以上の人
- 学生(定時制、通信制の課程の在学者等を除く)
上記の条件に一つでも当てはまれば、単発・スポット派遣の求人に応募できます。
ただ、法的には勤務しても問題のない条件であっても、本業やパート先の企業が副業可能かどうかを必ず確認してください。
また、上記の条件に当てはまっていても、現職の管理薬剤師や公務員薬剤師の方は兼業はできないので、覚えておきましょう。
地域によって求人量が異なる
薬剤師の単発・スポット派遣の求人量には地域差があります。
求人量は、東京・大阪・名古屋などの都市部に集中し、そこから離れるほど求人量は少なくなります。
派遣を雇う側の企業の前提としては「忙しいから一定期間だけ働いて欲しい」というのが本音でしょう。
そのため利用客が多い都会は、多忙になりやすく派遣のニーズが高まり、必然的に求人は多くなるのです。
ただ、地方でも全く求人がないわけではないので、地方に住んでいる人でもチャンスはあります。
薬剤師賠償責任保険に加入の有無を確認
単発の薬剤師勤務であっても、服薬指導や調剤ミスで重大な医療事故の責任を負わされる可能性があります。
そんなもしもの時のためにも「薬剤師賠償責任保険」の有無を確認しておきましょう。
最近では、派遣やパートでも万が一のために加入している薬剤師は増えてきているのです。
個人で加入する場合は、保障額に応じて年間3,600円~28,500円かかります。(参照:日本薬剤師会)
単発で薬剤師賠償責任保険に加入していない場合は、派遣会社に相談してみましょう。
薬剤師の単発・スポット派遣の時給相場
薬剤師単発派遣の時給は平均3,000円
単発・スポット派遣薬剤師の時給相場は2,500円〜3,500円です。
平均時給にすると3,000円ほどが相場になります。
また、地域や職種によっても時給は異なるので、いくつかの求人例をみていきましょう。
まずは、東京都品川区の調剤薬局の求人です。
参考:ヤクジョブ.com
時給は、2,700円からで週5日勤務で高時給の求人。
参考:ヤクジョブ.com
次は、期間限定の病院薬剤師の求人です。
時給は2,500円とやや低めの時給ですが週3勤務が魅力の求人。
参考:ヤクジョブ.com
最後は、三重県の調剤薬局の求人です。
都市部との時給を比較してみると、地方の方が派遣の時給は高い傾向にあります。
アルバイトやパート時給との比較
結論からいうと、単発・スポット派遣の時給は、アルバイトやパートよりも高いです。
参考:ヤクジョブ.com
このように、同じ地域・職種の求人でも時給が最大で1,000円も違うのです。
単発派遣の最大の魅力は、なんといっても時給の高さで効率よく稼げることでしょう。
薬剤師の単発・スポット派遣のメリット
単発・スポット派遣の薬剤師はさまざまなメリットがあります。
以下では、単発派遣薬剤師のメリットをいくつか紹介していきましょう。
高時給
まず、一つ目のメリットは「高時給の求人が多い」ということです。
先述の通り派遣薬剤師の時給は、アルバイト・パートよりも高時給。
しかし、高時給のために
「何か裏があるんじゃないか」
「凄く忙しい店舗に配属されて激務なのでは」
と心配される人もいるでしょう。
なぜ、単発の薬剤師の求人は時給が高いのかというと、それは「欠員が出て緊急で募集している求人だから」です。
企業側からすれば、「この金額の時給を出してでも早急に薬剤師を手配したい!!」と考えています。
なので決して、激務や怪しい理由はありません。
残業がほとんどない
単発派遣薬剤師は、一日何時間と勤務時間がはっきりと決められているので、残業はほとんどありません。
また、高時給のため派遣会社側も残業はなるべくさせたくないはずです。
そのため、子育てに忙しいママさん薬剤師や隙間時間に少しだけ働きたいと考えている薬剤師には非常にメリットのある働き方だといえるでしょう。
条件に合いそうな求人を紹介してくれる
派遣会社に登録すると、まずはあなたの希望する勤務地や時間、その他の要望などをヒアリングしてくれます。
そして、それらの条件に合いそうな求人を紹介してくれるので、パートやアルバイトのように自分で探すという手間もありません。
ただ、自分でも求人を探してみることで希望にあった求人が見つかりやすくなるので、求人はこまめにチェックしておきましょう。
職場での人間関係の悩みが減る
単発・スポット派遣薬剤師は、短期間での勤務になりますので、長期間一ヶ所の職場に勤務することは少ないです。
そのため、人間関係に悩んでいる薬剤師にとってはメリットのある働き方だといえるでしょう。
もしも万が一、合わない職場であれば派遣会社と相談して、新たに違う職場を探してもらうことも可能です。
このように、単発の派遣は職場の人間関係に頭を抱えなくてもいいのがメリットだといえるでしょう。
薬剤師の単発・スポット派遣のデメリット
ここまで、単発・スポット派遣薬剤師のメリットを解説してきました。
しかし、派遣に薬剤師には留意しておかなければならないデメリットもあります。
以下では、派遣薬剤師のデメリットをいくつか解説していきましょう。
求人状況が不安定
単発派遣の薬剤師は、企業側からすれば「忙しい時だけに欲しい助っ人」です。
悪く言えば一番必要性の低い存在だといえるでしょう。
そのため、派遣の求人状況は不安定になりやすく、突然契約が切られ職を失ってしまう可能性が高くなります。
収入に余裕があって、「今月だけお金が欲しい」という理由で単発派遣を選ぶなら全く問題ありません。
しかし、派遣がメインで働いている人の場合は、かなりリスキーな働き方であるといえるのです。
同じ派遣先に3年以上いられない
労働者派遣法では、派遣期間制限により同じ派遣先に3年以上勤務できないというルールがあります。
ただ、以下の条件の人は同じ職場でも3年を超えて働くことが可能です。
- 60歳以上の人
- 派遣元で無期雇用されている派遣労働者
また同じ職場でも、別の部署に移動することで雇用契約の更新ができます。
さらに、派遣会社から「雇用安定措置」を受けることができれば、派遣先への直接雇用の打診をしてもらうことも可能です。
ボーナス・退職金がない
単発・派遣薬剤師には、正社員のようにボーナスや退職金制度がありません。
つまり時給は高いですが、正社員ほど待遇には期待できないのが派遣のデメリットです。
お小遣い稼ぎ程度なら、単発派遣はおすすめできますが、将来性を考えると派遣に福利厚生は期待しない方がいいでしょう。
異動願いができない
単発・スポット派遣は、条件をヒアリングし求人を紹介してくれますが、基本的に異動願いができません。
正社員のように、移動願いを提示できないので、自宅から離れた職場になってしまうことも少ないでしょう。
また、条件をつければつけるほど求人が限定されてしまうため、なかなか派遣先が見つからないというデメリットもあります。
ただ、一定期間勤務すれば新たな職場を紹介してもらえるので、次の派遣先を素早く見つけるためにもこまめに求人をチェックしてください。
単発・スポット派遣に向いている人向いていない人
単発の薬剤師の仕事は、向き不向きがあります。
以下では、単発派遣薬剤師に向いている人と向いていない人を解説していきましょう。
向いている人
単発・スポット派遣に向いている人は、下記のような薬剤師です。
- 家事と育児を両立させたい
- 本業とは別に期間限定で効率よく収入をアップさせたい
- ブランクがあって社会復帰に不安を抱えている
単発の薬剤師の仕事は、時給も高く空いた時間に効率よく稼げるのが魅力。
上記のような人には、ぴったりの働き方です。
向いていない人
一方で単発・スポット派遣に向いていない人は、下記のような薬剤師です。
- キャリアを積みたい薬剤師
- 安定した職場に勤務したい薬剤師
- 新しい環境が苦手な薬剤師
上記のような人は、単発の薬剤師業務には向いていないでしょう。
単発の仕事は、キャリアが形成しにくく昇進も見込めません。
また、安定を求める薬剤師は、長期間の派遣ではなく、正社員かパートを検討すべきです。
派遣は、さまざまな職場に配属されるので、いかに新しい職場に馴染めるかが重要になってきます。
そのため、環境の変化が苦手な人にとって派遣は、向いてない雇用形態だといえるでしょう。
薬剤師の単発・スポット派遣についてよくある質問
単発・スポット派遣を検討している人の中で、不安や疑問を抱えている人は多くいるはずです。
ここからは、単発・スポット派遣に関する素朴な疑問に答えていきます。
どこで求人を探せばいい?
単発の薬剤師派遣求人を探すには、まず派遣会社に登録する必要があります。
しかし、いざ派遣会社に登録しようと思ってもどこがいいのか迷ってしまうでしょう。
派遣会社にもさまざまな特徴があり「条件提示から紹介までがスムーズ」「高時給の求人が多くある」「ヒアリングが丁寧」などが見極めるポイントです。
また、登録前に単発の薬剤師の求人を探していることを伝えておくことをおすすめします。
薬剤師の派遣時給が下がってるって本当?
薬剤師の派遣の時給額が全体的に下がっていることは、事実。
なぜなら、自粛や在宅での時間が増えたため、患者や顧客の来店率が減少していることが原因です。
薬局自体が忙しくなくなったため、単発のニーズ自体が減っています。
そのため、単発の求人そのものも減ってきているのが現状です。
しかし、緊急性のある求人や地方の派遣はいまだに高時給の傾向にあるので、そこを条件に狙っていくのが良いでしょう。
派遣薬剤師はかかりつけ薬剤師になれる?
派遣薬剤師でも、かかりつけ薬剤師にはなれます。
かかりつけ薬剤師には、以下の条件を満たしていることが前提です。
かかりつけ薬剤師になるための条件
- 3年以上の薬局勤務経験を有する
- 半年以上、同一薬局に在籍している
- 週32時間以上その薬局に勤務している
- 認定薬剤師である(e-ラーニングなどで必要単位数を集めたうえで認定申請が必要)
- 直近の1年以内に地域の医療活動に貢献している
- かかりつけ薬剤師となった患者に対して電話番号、勤務シフトを伝え、24時間相談可能にしておく
- 患者からの同意を得たうえで同意書にサインをしてもらう
ただ上記の条件だと、半年以上同じ職場に勤務しなければならないので、単発派遣ででかかりつけ薬剤師になるには、ほぼ不可能でしょう。
有給ってあるの?
派遣薬剤師でも有給は取得可能です。
以下の条件を満たすと、有給付与の対象者になります。
継続勤務年数(年) |
0.5 |
1.5 |
2.5 |
3.5 |
4.5 |
5.5 |
6.5以上 |
付与日数(日) |
10 |
11 |
12 |
14 |
16 |
18 |
20 |
週所定労働日数 |
1年間の所定労働日数 |
継続勤務年数(年) |
|||||||
0.5 |
1.5 |
2.5 |
3.5 |
4.5 |
5.5 |
6.5以上 |
|||
付 与 日 数 (日) |
4日 |
169日~216日 |
7 |
8 |
9 |
10 |
12 |
13 |
15 |
3日 |
121日~168日 |
5 |
6 |
6 |
8 |
9 |
10 |
11 |
|
2日 |
73日~120日 |
3 |
4 |
4 |
5 |
6 |
6 |
7 |
|
1日 |
48日~72日 |
1 |
2 |
2 |
2 |
3 |
3 |
3 |
参照:厚生労働省
単発の派遣から正社員になれる可能性はある?
単発の派遣薬剤師のであっても、そこから正社員になれる可能性はあります。
まずは、短期間だけ勤務してみて継続したければ、派遣会社に相談すると企業に掛け合ってもらえるでしょう。
ただ、企業側も単発の仕事は短期間の契約を前提としているので、継続して勤務できるかはあなたの仕事ぶりや実力次第です。
まとめ
ここまで、単発・スポット派遣薬剤師の時給相場や、メリット・デメリットについて解説してきました。
まとめ
- 単発・スポット派遣をするには条件がある
- 時給相場は2,500円〜3,500円と高時給の求人が多い
- 単発・スポット派遣の求人は減少傾向にある
- 派遣会社への登録は必須
単発・スポット派遣の薬剤師は高時給で隙間時間で稼げることが魅力です。
まずは、派遣会社に登録して、自分が求めている条件の求人を探してみるところから始めてみましょう。
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