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くるくる巻いて作ろう!棒いなり寿司

 

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くるくる巻いて作ろう!棒いなり寿司

2月の行事といえば節分やバレンタインデーがありますが、「初午(はつうま)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
初午とは、いなり寿司をお供えして穀物の豊作を願うお祭りで、昔から大事にされてきた行事の一つです。

初午はどのような行事なのか、なぜいなり寿司が初午にまつわる食べ物なのか、についてご紹介します。

 

初午とは

初午とは立春を過ぎた最初の午の日のことで、全国各地の稲荷神社で五穀豊穣(穀物が豊かに実ること)を願って祭りが行われます。

そもそも、「午の日」の「午」とは何でしょう。
カレンダーに書いてあるのを見たことがあるという人もいるかもしれませんね。

「午」は、数字の代わりに年数や日数を表すために使われてきた言葉、十二支(じゅうにし)の1つです。
十二支は、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の12種類の動物の名前が付いていて、年月日や方角、時刻を表すことができます。

日ごとに割り振られたものを「日干支」といい、その日の運勢などが示され昔は1日の予定や決め事をする際の拠り所として使われてきました。

今年は、2月1日が未(ひつじ)から始まります。
申(さる)、酉(とり)と順番に並べていくと、初めて午(うま)が来るのは2月12日で、この日が「初午」です。

約1,300年前の2月の初午に稲荷山に稲荷大神が降臨されたことから、全国の稲荷神社では「初午大祭」が行われます。
大祭では、いなり寿司が供えられ、五穀豊穣、商売繁盛、無病息災、家内安全などが願われます。

稲荷山や稲荷神社は日本各地にありますが、京都にある「伏見稲荷神社」は全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮で、ここでいう稲荷山は京都にある稲荷山を指します。
「稲荷」という言葉は、稲(食物)の豊作を願って祀られた神様を「稲が生る=いなり」と名付けたことから使われています。

また、稲荷神社にはきつねの石像があるため、お稲荷様といえばきつねのイメージがありますが、きつねは神様そのものではなく神様の使いです。
神様と同様に使いも目に見えないため、透明を白と表したことから白狐(びゃっこ)として信仰されています。

 

どうしていなり寿司を供えるの?

『初午にはいなり寿司をお供えする』とお伝えしましたが、数ある食べ物の中からなぜいなり寿司なのでしょうか。

お稲荷様の使いであるきつねの好物はネズミです。
しかし、殺生を避けるためネズミの代わりに大豆でできている油揚げを用い、その中にお稲荷様(農耕の神)からの恵みである米を詰めたいなり寿司が供えられるようになりました。

初午の日は一年で最も運気が上がる日と云われ、その日に合わせて様々な幸いを願いながら食べるのが「初午いなり」です。

また、いなり寿司は関東と関西で形が違うことはご存知でしょうか。
一般的に関東では米俵に見立てて俵型に、関西ではきつねの耳に見立てて三角形に作られることが多いです。

そして、形だけでなく味付けや具材も異なります。
関東では濃い目に味付けた油揚げに具のない酢飯を詰めますが、関西ではしょうゆなどで甘辛く炊いたしいたけやにんじんなどを混ぜ込んだ酢飯を詰めるため、油揚げは薄く味付けます。

また、いなり寿司の他にも各地域で初午にちなんで食べられているものがあります。

・初午団子
岐阜県周辺では、繭玉を模した団子にきな粉をまぶすほかに、団子を焼いて醤油をつけたり、ぜんざいや汁物に入れたりして食べます。

なぜ繭の形をしているかというと、岐阜県などの養蚕をしていた地域で繭が多くできるようにとの願いを込めて供えられたからといわれています。

・しもつかれ
栃木県の郷土料理の一つで、すりおろした大根やにんじん、油揚げ、大豆、鮭の頭、酒粕、をしょうゆや塩で味付けたものです。

正月に食べた鮭の頭や節分の大豆などの残りもので作られるしもつかれは、本来神様へのお供え物としてはふさわしくないと思われますが、初午の日に供えるとき以外は作らないもの=特別なものとして位置づけられたそうです。

見た目や味付け、供えるものが違っても、神様に対する感謝や祈りの気持ちは大切に受け継がれています。

親子で作ろう!くるくる棒いなり

一般的にいなり寿司は俵型や三角形ですが、今回は一風変わった形のレシピをご紹介します。

<材料 4本分>
・ご飯 1合分
・油揚げ 4枚
☆だし汁 300ml
☆しょうゆ 大さじ2
☆みりん 大さじ2
☆砂糖 大さじ4
● 酢 大さじ1と1/2
● 砂糖 大さじ1
● 塩 小さじ1/2

<作り方>
(1)炊いたご飯が温かいうちに、合わせた●の調味料を回しかけ、切るように混ぜて酢飯を作る。
(2)油揚げは、伸ばすように丸い箸やめん棒を転がした後、湯通しし水気を切る。
   長い一辺を残し、ほかの三辺をキッチンバサミで切り、油揚げが大きな長方形になるように開く。
(3)鍋に☆を煮立てて(2)を入れて弱火で10~15分ほど煮る。
(4)(1)の酢飯を油揚げの長さに合わせて棒状に握る。
(5)(3)が冷めたら、軽く汁気を絞って広げ、海苔巻きの要領で(4)の酢飯を巻く。

 

☆アレンジポイント

・ご飯に白ごまやゆかりなどを混ぜてもおいしいです。
 ご飯の味が濃くなる場合は、油揚げの味付けを2/3ほどに抑えて、味のバランスをとりましょう。
・巻きづらいときは、工程(2)の際に、四辺すべてを切ってさらに半分に切り、小さな正方形様にして巻くと良いでしょう。(1枚の油揚げから4つ作れます。)

お子さんと作るポイント

 

☆1~3歳のお子さんには

◎油揚げに丸い箸やめん棒を転がしましょう
まな板の下に滑り止めシートや、濡らした布巾を敷いて行いましょう。
油揚げを開きやすくする大事な工程であることや、できた後にお礼の気持ちを伝えると、お子さんのやる気や自己肯定感の向上にもつながるでしょう。

◎ご飯を握ってもらいましょう
ラップでご飯を包み、油揚げに乗る大きさに形を整えてもらいましょう。
大人が作った見本があればお子さんにもイメージが伝わりやすいですね。

☆4~6歳のお子さんには

◎酢飯を作ってもらいましょう
調味料の計量係、ご飯を混ぜる係、うちわで冷ます係などを分担・おまかせしたり、順番に交代しながら行うと、“酢飯を作る”という工程も楽しく取り組めるのではないでしょうか。
お子さんに合わせてできそうな作業をおまかせしましょう。

◎ご飯を巻いてみましょう
ご飯を油揚げの長さに握った後に、油揚げでご飯を巻いてみましょう。
ご飯の太さによって巻きやすさが異なりますので、ちょうどよい太さをお子さんと話し合いながら見つけてくださいね。

 

まとめ

2月の食にまつわる行事「初午」についてご紹介しました。
稲荷神社には狛犬ではなく白狐が置かれているので、近くの稲荷神社に行ってみるのも良いですね。

身近にあるいなり寿司ですが、由来や地域ごとの特徴を学ぶことはご家庭でできる食育の一つです。

今年の2月は恵方巻やチョコレートだけでなく、「初午」のお話をしながらいなり寿司を作って食べてみてはいかがでしょうか。


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