お酢でたまごの殻が溶ける?実験方法について紹介!

「学校の自由研究のネタに困っている」
「休日に親子で何かをしたい」
「身近なものを使って、子供に化学の知識をつけてもらいたい」
保護者の方の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、煩わしい準備を必要としない、お酢など身近にあるものを使った、たまごの殻を溶かす実験方法を紹介していきます。

本記事を読むことで、お酢でたまごの殻がどのように溶けていくのか、その過程がわかります。また、天気が悪くても家の中で手軽にできる実験であるため、子供と一緒に楽しく行えるでしょう。

化学への興味を持ってもらえるよう、本記事を参考に子供と一緒に実験をして、本当にお酢でたまごの殻が溶けるのか検証してみてください。

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お酢でたまごの殻は溶ける?

お酢にたまごの殻を浸していると、徐々に溶解していきます。すると、薄膜だけが残り、プヨプヨしたたまごができあがります。

このプヨプヨしたたまごをさらに水に浸しておくと、再びたまごは変化し、最後は予想外の姿になるでしょう。

お酢に浸したことによって変化していくたまごの様子を観察し、どうしてこのようになるか、子供と一緒に考えてみてください。

実験に必要なもの・環境・準備

用意するお酢は、特別な味がついていない、一般的な食酢が良いでしょう。最低でも250~300mLは必要になります(途中、入れ替える場合はその倍量が必要になります)。

たまごを入れる容器の材質は、お酢で変質しないプラスチック製が適しているでしょう。しかし、お酢の臭いが染みつく可能性もあるため、注意が必要です。

新聞紙は床が濡れないための敷物として使用しますが、キッチンや洗面台、浴室など、濡れても良い場所で実験するのもおすすめです。

  • 食酢
  • たまご1個
  • 容器
  • 新聞紙

実験の方法・手順



たまごを容器に入れ、その容器にたまごが隠れるくらいお酢を注ぎ、1〜2日間浸し続けます。お酢に浸すと、すぐにたまごの殻が溶け始め、表面から気体が発生します。

時々、たまごを軽く水洗いしたり、お酢を新しいものに入れ替えたりすると、たまごの殻が早く溶けるでしょう。たまごをお酢に浸けていると、しだいにその表面が軟らかくなっていきます。表面を触ってみると、弾力があるのがわかるでしょう。

殻が溶けて内部の色が見えてきたら、薄膜に包まれたプヨプヨのたまごを軽く水洗いし、今度は水に1日浸します。容器内のお酢を捨てて、水に入れ替えましょう。薄膜は破れやすいため、お酢と水を入れ替える際は気をつけてください。

1日水に浸したら、プヨプヨのたまごを新聞紙の上に取り出し、観察します。たまごを触ったり、針で刺したり、写真に撮ったりしてみましょう。また、中の黄身がどのようになっているかも確認すると良いでしょう。

実験終了後は、たまごを新聞紙で包んで捨てます。観察中に針を使う際は、ケガをしないよう取り扱いに注意しましょう。

  • お酢にたまごを1〜2日浸す
  • プヨプヨしたたまごを軽く水洗いして、水に1日浸す
  • たまごを新聞紙の上に置き、観察する

実験からわかること

たまごの殻が、お酢に4~5%ほど含まれている酢酸と反応し溶けていくことで二酸化炭素が発生します。これが、お酢に浸したたまごの殻の表面から発生する気体の正体です。

たまごの殻が溶けてくると、殻の内側にある卵殻膜という薄膜が見えてくるでしょう。酢酸によってたまごの殻が完全に溶けると、薄膜に包まれた殻のないプヨプヨのたまごができあがります。

このプヨプヨのたまごを今度は水に浸しておくと、水が薄膜を通ってたまごの中に入り込んできます。すると、たまごは徐々に大きくなり、中の圧力も高くなっていくでしょう。

お酢に浸した段階のたまごは、殻の表面に二酸化炭素が泡となって付着したり、時々動いたり、少しずつ色が変化してきたりするため、その遷移を観察できます。実験の最後には、たまごの薄膜を破って、中身の状態を確認しても良いでしょう。

子供と一緒に、たまごの変化や手触りなどを楽しんでみてください。また、なぜそのようになるか考えてみるのも、おもしろいでしょう。

出典:食酢|農林省食晶総合研究所
参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/73/3/73_3_200/_pdf

※実験は安全性に十分配慮して行ってください。実験結果が記事と異なる場合でも弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。