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【HUCRoW(フクロウ)とは】子どもの脳の特性を診断|ワーキングメモリの構成要素や発達のヒントが見つかる

 

【HUCRoW(フクロウ)とは】子どもの脳の特性を診断|ワーキングメモリの構成要素や発達のヒントが見つかる

目次

 

子どもの発達に違和感「うちの子、もしかして…」

「わが子の行動や情緒に違和感を覚える。」
「何か発達に異常があるのではないかと不安になってしまう。」

 

近年、脳の発達の偏りが原因で学習や集団行動に支障が見られる「発達障害」という言葉を耳にする機会が多くなり、子どもの脳の特性に着目する保護者や教育者も増えています。

 

子どもの脳の特性を知ろうとすることは、子どもにとってプラスに繋がります。たとえ「発達障害」に該当しない子どもであっても脳の発達には人それぞれ違いがあり、その違いに応じて学習方法や接し方などを工夫することで、子どもの強みを活かしやすくなったり日常生活での困難を軽減することが可能になったりします。

 

今回は、「HUCRoW(フクロウ)」というアセスメント(評価・課題分析)を開発した広島大学の湯澤正通先生と、ワーキングメモリ教育推進協会理事・上級インストラクターの野瀬愛未さんに、子どもの脳の発達に重要なワーキングメモリや効果的な接し方について伺いました。

 

子どもの「できない、苦手」をどう解決すればよいかわからない大人たち

―今、小学校の現場ではどのようなことが起こっていますか?

湯澤先生:音読がスムーズでなかったり先生の板書を書き写せなかったり、読解問題が解けない、計算ができないという子どももいれば、落ち着いて先生の話が聞けなかったり授業中に教室から抜け出したりするような子どももいます。

 

授業がわからなければ学校に行ってもつまらないので、不登校になる子どももいます。

 

―学校の先生方はどのように指導されていますか?

湯澤先生:先生方も子どもの指導に悩んでいます。

 

「できない・苦手だ」ということはわかっても、それをどう解決すればいいのかがわかりません。

―親も小学校に入ってからの子どもの様子に驚かされますね

湯澤先生:そうですね。保育園・幼稚園とは異なり、小学校に入るとプリント学習や音読などを通じて「できる・できない」がはっきりしますから、「あれ、うちの子もしかして…」と違和感を覚える親御さんも多いです。

 

カギを握るのは、脳のワーキングメモリ

―子どもたちが抱える問題は脳の発達の影響でしょうか?

湯澤先生:認知心理学の観点から、脳の情報処理機能を表す「ワーキングメモリ」という考え方があります。

 

私たちは、何か見たり聞いたりすると、その情報が脳の中に入ります。情報は言葉や数などの音声を理解する「音声情報」と、形や位置などのイメージを認識する「視覚情報」に二分されます。
それぞれを脳の中で記憶したり整理したりすることで、人間の行動に繋がります。
黒板に書かれた言葉の文字を視覚情報として認識し、音の情報に変換して頭の中に記憶し、再度文字に戻して、ノートに書きます。

 

この情報を記憶し、処理する機能がワーキングメモリで、いわば「脳の黒板」や「脳の入口」のようなものです。

 

―「ワーキングメモリ」について詳しく教えてください

湯澤先生:脳の黒板が大きければ、いろいろな情報を書いたり消したりできますが、これが小さいと多くの情報が書けなかったり、黒板上が混乱したりしてしまいます。

 

また、情報の入口が小さいと多くの情報が脳に入りません。黒板や入口の大きさは、人それぞれ異なります。

ー学習や集団行動に難点がある子どもはワーキングメモリが小さいのでしょうか?

湯澤先生:そうですね。一般的にワーキングメモリが小さいと、先生の話を聞いても途中で頭の中がいっぱいになり、たくさんの話を聞けなかったり、最初に聞いたことを忘れたりします。

 

だから、読解問題が解けなかったり授業についていけなくなったりして、授業中もボーッとしがちです。ワーキングメモリは学習可能性の指標として位置付けられており、就学前にWISCを受検しワーキングメモリが基準を満たせば入学後に学力が伸びますが、ワーキングメモリが弱いと学習に躓きやすいことがわかっています。

 

―ワーキングメモリの大きさによる違いは、小学校に上がってから顕著になるのですか?

 

 

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