薬学部に入って私が後悔したこと・薬学生が後悔しそうなこと6つ

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「薬学部になんか、入らなければよかった……」

と後悔している薬学生もいるかもしれません。

薬剤師の国家資格取得を目指す6年制薬学部は、他の一般的な学部より専門性が高く、授業カリキュラムにも特色があります。

受験生の方にとっても、なんとなく薬学部に入ってしまうと「こんなはずじゃなかった」と後悔する場合があるので要注意です。

今回は薬学部卒業生の筆者が、薬学部で後悔しやすいポイントについて解説します! この記事を参考に、後悔のない薬学部生活を送りましょう。

目次

薬学部に入って後悔すること6つ

薬学部に入ってから後悔するポイントはおもに6つ。

<薬学部なんか入らなきゃよかった! 6つの後悔ポイント>

  • 勉強の難しさ
  • 高額な学費
  • 休みの少なさ
  • キャンパスライフの不満
  • 学科振り分けで6年制薬学部に入れない
  • 本命だった医学部などへの未練が捨てられない

多かれ少なかれ、薬学生なら思い当たる点もあるのではないでしょうか。

順番に見ていきましょう。

勉強カリキュラムがきつい

薬学部は必修授業がたくさんあるため、しっかり勉強しないと落ちこぼれてしまいます。

薬学部の必修科目は日本薬学会による「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に則っており、かなり過密で専門性の高いスケジュールが6年間にしっかりと詰まっているのです。

一例として、日本大学の薬学部と文理学部国文学科の必修カリキュラムを比較します。

<同大学の薬学部と文理学部の必修カリキュラム比較>

薬学部 文理学部国文学科
1年次 共通科目、基礎生物・化学・物理・数学、情報リテラシー、物理学、微積分、法学、心の探求、薬学教育A(基礎薬学実習、早期臨床体験、病気と薬、ヒューマンコミュニケーション、化学1・2、薬品分析化学、薬用植物学、細胞生物学1・2、昨日系亜地学)、薬学教育B 共通科目、日本文学入門1・2、日本語学入門1・2
2年次 医療倫理、医療と法、薬学教育A(創薬化学系実習1・2)、生物系薬学実習1・2、薬品物理化学1・2、臨床分析化学、有機化学1・2、生薬学、微生物と疾病、生化学、分子生物学、他) 基礎演習1・2、文学史(上代・中古・中世・近世・近代・現代)
3年次 薬学教育A(創薬化学系実習3、精製薬学実習、薬理学実習、薬学と社会1、放射科学、分子構造解析、有機化学3、天然医薬品科学、免疫、間強毒性額、疾患と薬物治療2・3、他) 特殊探求ゼミナール1・2、文学史(上代・中古・中世・近世・近代・現代)、文学講義(上代・中古・中世・近世・近代・現代)
4年次 薬学教育A(薬物動態学・製剤学実習、プレ実務実習1・2、薬学と社会2,生物有機化学、健康・環境衛生学、環境と悪性腫瘍、EBMと薬物治療、他) 特殊探求ゼミナール3・4、卒業論文1・2、文学講義(上代・中古・中世・近世・近代・現代)
5年次 薬学教育A(薬学実務実習、基礎薬学総合演習講義)
6年次 薬学教育A(卒業研究、実務薬学総論、総合講義)

参照:日本大学薬学部ホームページ日本大学文理学部ホームページ

 

薬学部の必修科目・専門科目の多さ、実習の多様さなどが見て取れるのではないでしょうか。

1年次からかなりのボリュームで実習やレポート課題があるため、他学部より過密スケジュールです。

実際、自分が薬学部に通っていたときもレポートや実習の多さに戸惑っていました。

 

また、とくに偏差値が低い大学薬学部を中心に、過半数の学生が留年してしまうような状況も見られます。

ストレートで進学して国家試験に合格できた学生の割合が20%程度しかない大学もあり、過酷な勉強についていけない生徒が多数いることが想像されます。

学費が高い

国立大学は全国一律入学金と授業料が定められており、6年間の学費は約350万円となります。

しかし、私立薬学部の学費は一般的な学部よりも高額であることが有名です。

医学部・歯学部・獣医学部に比べれば安いのですが、6年間のトータルで、薬学部では最低1,200万円程度かかります。

 

<2022年度私立薬学部、国公立薬学部、他学部の学費例>

大学 入学金 授業料年額 初年度納入金 6年間学費
慶應義塾大学薬学部薬学科 200,000円 1,720,000円 2,473,350円(設備費等含む) 16,312,950円
日本大学薬学部 400,000円 1,400,000円 2,450,000円(設備費等含む) 12,300,000円
国立大学全般 282,000円 535,800円 817,800円 3,496,800円
慶応義塾大学文学部 200,000円 890,000円 1,358,350円(設備費等含む) 7,119,600円
慶応義塾大学医学部 200,000円 3,040,000円 3,843,350円(設備費等含む) 22,069,600円

上記の表から分かるように、私立薬学部の学費はかなり高いです。

大学に納める学費だけでなく、実際には教科書代や生活費、交通費なども必要なのでより高額となるのは避けられません。

 

そのため、高額な学費を払えなくなって後悔したり、薬剤師という職業に学費に見合う価値を見いだせなくなって後悔したりする薬学生もいるのです。

休みが少ない

薬学部は一般的な学部に比べて休みが短いため、「せっかく大学生になったのに長期旅行に行けない」「あまり遊べない」と、薬学部選択を後悔する学生も多いです。

休みの長さは大学により異なりますが、たとえば夏休みの場合、1・2年次には7月の定期テスト終了から9月の始業まで1~1カ月半程度がお休み。

他学部では一般的に9月中旬くらいまでの2カ月程度の夏休みとなりますから、やはり薬学部はカリキュラムが多い分、お休みが少なめです。

 

さらに、薬学部では3年次から配属先の研究室によって夏休み・冬休みの長さが異なります。

研究室によっては、ほとんど休みがないというケースも……

 

しっかり休みたい人は、定期テストで再試にならないよう勉強を頑張り、研究室選びにも慎重になったほうがよいでしょう。

キャンパスライフを楽しめない

前述の通り、薬学部は勉強カリキュラムが過密なので「勉強漬けになってキャンパスライフを楽しめない!」というケースが起こりやすいです。

サークル活動に打ち込んだり、友達と遊んだり、恋人を探したりする時間も少なめになってしまいます。

勉強が苦手な人は復習や補講で時間を削られて、さらにキャンパスライフを充実しづらくなるでしょう。

 

また、総合大学ではなく薬学部の単科大学に入った場合は、さらに他学部の学生との交流が減るので注意しましょう。

この記事の筆者は薬学部のみの単科大学の卒業生です。1学年200人程度しかいない私の大学では、1年生前期くらいのタイミングでだいたいの人間関係がグループ化してしまい、学内で新しい人間関係を作るのが困難でした。

とどのつまり、仮に「学年の途中から陰キャから陽キャに代わって友達をたくさん増やそう!」と決意しても、既にまわりの人間関係が固定化しているので困難です。

 

他大との合同サークルにでも入るか、バイトでもしない限り、他学部の学生との接点は得られません。

キャンパスライフを楽しみにくいのは、薬学部の要注意ポイントといえるでしょう。

学科振り分けで薬剤師を目指せない

大学によって、入学時に6年制/4年制薬学部を選択して受験するケースと、両学科一括募集されて在学中に6年制/4年制の学科に振り分けられるケースがあります。

<進級時に学科振り分けが行われる大学例>

このように、国公立大学の一部では、受験の際には6年制/4年制の区分なく薬学部として一まとめに募集します。

また、東京大学や金沢大学の一般選抜前期日程のように、「理科二類」「理系学部」などとして他の理系学部とまとめて募集する大学もあります。

 

せっかく努力して国公立の薬学部に入っても、成績が振るわなければ薬剤師の受験資格のない学部に振り分けられてしまうので注意が必要です。

 

学科ごとに定員があり、自分が希望の学科に入れるかどうかは本人希望や成績などによって決まります。

 

ちなみに、4年制薬学部を卒業しても、薬剤師国家試験を受けることはできません。

薬剤師免許取得を目指して入学した人にとっては、「薬剤師になるために入学したのに、絶対に薬剤師になれない」という悲惨な結末となるリスクがあるので注意しましょう。

医学部志望者が妥協で薬学部に入ると後悔する

よくある話かもしれませんが、「医学部のすべり止めで受けた薬学部に、妥協で入学する」というケースがあります。

私の知り合いにも複数名いましたが、「本当は医者になりたかったんだよな……」と就職後にお酒の席でくよくよしている人もいました。

医師と薬剤師はまったく異なる職種なので、妥協で目指すとモチベーションを維持しづらいようです。

薬剤師はかなりの激務であるすが、社会的な評価は医師よりも低めであり、年収も医師には遠く及びません。

薬剤師になるという明確な目標・理想をもって学べる場合はもちろん問題ありませんが、妥協で薬学部に入ってしまうと、後悔しやすいといえるでしょう。

医学部の滑り止め以外にも、親のすすめで何となく薬学部に入ってしまった人なども、不本意な気持ちになって後悔につながりやすいです。

薬学部に入って良かったこと3つ

薬学部はもちろん、つらいことばかりではありません。

「薬学部に入ってよかった!」と実感できる3つのポイントを解説します。

就職活動がラク

薬学部、とりわけ薬剤師の就職活動は他職種に比べて非常に楽です。

令和4年6月の薬剤師の有効求人倍率は1.83倍であり、全職種の有効求人倍率平均である1.09倍と比較すると高いことがわかります。

(参照: 一般職業紹介状況(令和4年6月分)について,第21表ー7 有効求人倍率(パート含む常用)|厚生労働省ホームページ

 

この数字は求職中の薬剤師ひとりにつき1.83件の求人が出ていることを示しており、薬剤師不足の状況が見て取れます。

薬剤師の供給過多が叫ばれる昨今においても、地域や職種によってはまだまだ薬剤師は不足しています。

 

希望の病院の求人をピンポイントで狙う場合や、企業への就職を目指す場合などの就職活動は容易ではありませんが、調剤薬局やドラッグストアを希望するなら比較的容易に内定を勝ち取ることができるでしょう。

安定した職業に就ける

医療従事者である薬剤師は、超高齢化社会での活躍が求められる職種です。

薬剤師が飽和しているといわれて久しいですが、スキルと実績を積んだ薬剤師が今後も社会から必要とされるのは間違いありません。

 

全国の薬剤師の平均年収は565.1万円で、日本人の平均年収433万円に比べて有利であることが分かります。

(参照: 令和2年賃金構造基本統計調査|厚生労働省ホームページ令和2年分民間給与実態統計調査|国税庁ホームページ

 

自己研鑽を積まない薬剤師は飽和状態で淘汰される恐れがありますが、目的意識を持って働ける薬剤師ならば、世間一般の職種よりも好条件で、安定して働けます。

医療人としての知識と経験

薬学部で学ぶ医療・薬学関連の知識は、暮らしのなかで自分や家族のために役立てることができます。

大切な家族が不調を訴えているとき、自分の知識を生かして「薬の副作用かな? 受診したほうがよさそうだな」などと具体的な行動につなげることができるのです。

 

病院・調剤薬局での実習が始まれば、さらに医療人としての専門性を高めることができ、身の回りの人から重宝されるでしょう。

医療に詳しい身内がいると、家族も何かと安心です。

 

筆者の実体験ですが、知り合いの爪白癬治療薬の副作用を早めに気づいて教えてあげたり、不整脈のような不調があると聞いて強く受診をすすめたりして、深刻な状態になる前に対処できた経験があります。

あなたが苦労して積み重ねた知識と経験は、決して無駄になりません。

学んだことを生かして大切な人を守れた瞬間、「薬学部で学んでよかった!」と心から言えるようになるでしょう。

薬学部で後悔しないための秘訣!

薬学部なんか入らなければ良かった……と悲観せずに済むように、日頃から勉強をコツコツがんばりましょう。

薬剤師を目指す以上、勉強を避けては通れないからです。

目の前の課題を避けても、いつか自分自身で乗り越えるよりほかありません。誰にも代わってもらえないのですから、苦手科目も地道に克服していきましょう。

学力がつけば、結果的にプライベートを充実させるゆとりが生まれます。

また、在学中に他大や他学部の学生、社会人として活躍している薬剤師など、さまざまな人とのつながりを持つことも後悔を避ける秘訣です。

大学内の決まり切った環境だけにいると、視野狭窄におちいりがちです。

広く社会に目を向けると、困難を乗り越えるためのアイデアが生まれやすくなります。

【まとめ】後悔もある……でも、薬学部で良かった!

薬学部は忙しく、勉強も高度で大変です。

他学部に比べるとプライベートを充実させずらく、薬学部に入ったことを後悔する瞬間もあるかもしれません。

 

しかし、覚悟を持って入学した以上、可能なら薬剤師免許取得・就業まで、突き進むことをおすすめします。

大変なことも多いですが、薬学部ならではの「この選択で良かった!」と思えるメリットもあるからです。

 

就職活動での苦労が少なく、安定した仕事で活躍できる薬剤師。

自分のため、大切な誰かのために、ぜひ薬学部生活を実り多いものにしてくださいね。

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