薬学部ってしんどい?新入生が知っておきたい大学生活のポイント

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「薬学部はしんどいって聞くけれど、実際どの程度きびしいの?」

「勉強が忙しすぎて寝る時間もないし、留年だらけだって本当!?」

 

6年制薬学部を目指している、あるいは入学した人の多くは、「薬学部は実際しんどいのか?」と気にかけているのではないでしょうか。

結論、しんどいです。

 

他学部(とくに文系)と比べるとレポート地獄ですし、暗記科目と専門知識のオンパレード、国試合格を見据えた勉強も欠かせません。

……ですが、遊べます。恋愛もバイトも可能です。要領よく乗り切るには、基礎学力とコツが必要かもしれません。

今回は、薬学部がなぜしんどいのか、どのように対策を取れば比較的楽しく生活できるのかを徹底解説します。

筆者は2000年代に薬学部に入学・卒業・国試合格して薬剤師になりました。当時と今では20年近くの隔たりがありますが、今の薬学生にも共通しうる経験をピックアップしながら、近年の動向とともに解説します。

薬学部卒業生のナマの声、参考にしてみてください。

目次

薬学部がしんどい5つの理由

薬学部がしんどいといわれるのには、5つの理由があります。

他学部と比べると遊べない

他学部に比べると、薬学部は頻回にテストやレポートがあるのでしんどいです。

「大学に入ったら夢のキャンパスライフが待っている!」……というイメージを持っている人にとっては、残酷なほど勉強だらけの毎日となるでしょう。

 

薬学部には必修科目が多く、実験の実習後には基本的にレポート提出が課せられているので、低学年から忙しく感じる方が多いです。

暗記・化学ばかりでしんどい

薬学部の勉強は、暗記が非常に多いです。

微生物のラテン語名、生薬名、医薬品名や医薬品の用法用量などは、基本的には理屈抜きで暗記していくしかありません。

ストーリーや理屈がないと記憶できない……という方には、過酷な勉強となるでしょう。

 

化学は細分化され、1年次から有機化学、物理化学、分析化学、生化学などを学んでいくこととなります。

化学嫌いな人にとっても、薬学部の勉強はそうとうしんどいです。

薬学部は「ぼっち」には地獄

友達や仲間がひとりもいない「ぼっち」状態で生活するには、薬学部はかなりしんどいです。

なぜなら、人脈がないと定期テストの過去問や研究室選びなどの重要情報を得られなくなってしまうからです。

 

入学試験や国家試験の過去問とは違い、定期テストの過去問は先輩にコピーさせてもらって引き継いでゆくもの。

先生によってはテスト問題にかなりクセがあったり、教科書にないけれど授業で扱ったポイントなどを出題してきたりすることも多いので、過去問がないと対処できない事態も多いです。

 

また、研究室選びの際には表向きの特色だけでなく、人間関係や性格がキツイ助教の有無など、生の情報が欠かせません。

情報が得られない「ぼっち」状態では、薬学部生活はハードモードに直結します。

 

ちなみに、薬剤師として働き始めると協調性を要求される場面が多くなるので、学生時代から「他の人と最低限うまくやる」というスキルを身につけておくことをおすすめします

研究の道に進む場合でも、研究室の上下関係が厳しい場合は協調性が不可欠です。

留年だらけでしんどい

とくに偏差値30台以下などの新設薬学部では、「簡単に入学できるけれど、大量の学生が毎年留年している」という深刻な状況が発生しています。

年次ごとの進級ができなかったり、6年生でも国家試験に合格できる見込みのない学生は卒業留年となってしまうのです。

 

実際に、いくつかの私立大学の偏差値と留年率、ストレートで国試合格できた学生の割合を以下の表でご覧ください。

 

<私立大学薬学部の偏差値・卒業率・留年率・ストレート国試合格率>

大学名 学部学科 偏差値 6年制学科の修学状況(2015年度入学生)
入学時人数 卒業者数 卒業率 留年率(*1) 国家試験合格者数 ストレート国試合格率
A大学 薬学部薬学科 62.5 150人 133人 88.7% 11.3% 120人 80.0%
B大学 薬学部医療薬学科 37.5 101人 50人 49.5% 50.5% 24人 23.8%
C大学 薬学部薬学科 35.0 164人 37人 22.0% 78.0% 30人 18.3%
D大学 薬学部薬学科 BF(*2) 179人 56人 31.3% 68.7% 40人 22.3%

参考資料:
・2023年度入試難易予想ランキング表(私立大)|河合塾(https://www.keinet.ne.jp/university/ranking/2023/ks10.pdf)閲覧日2022年6月9日
・薬学部における修学状況等 2021年(令和3年)度調査結果|厚生労働省(https://www.mext.go.jp/content/20220218-mxt_igaku-100000059_01.pdf)閲覧日2022年6月9日
(*1)留年率:ストレートで卒業できず、1~5年次または卒業試験で留年した者の割合。(100ー卒業率)%で算出。
(*2)BF:ボーダーフリー。不合格者が少ないなどにより、偏差値を設定できない状態。

 

このように、大学によっては170人近い薬学生が入学していても、ストレートで卒業できる生徒は全体の2割程度しかいないというケースも見られます

一緒に入学した人のうち、5人に4人は留年しているという、しんどい状況です。

 

やはり薬学部で学んで薬剤師になるまでには、基本的な学力が不可欠といえるでしょう。

大学選びの時点で、偏差値だけでなく国試合格率や留年率もチェックしておかないと、相当しんどい未来が待ち受けているかもしれません……。

学費がしんどい

私立薬学部は年間200万円程度、卒業までストレートでも1200万円程度の学費がかかります。

家庭の経済環境によりますが、費用面もかなりしんどいです。

 

奨学金を借りている学生にとっては、「こんな高額な学費を、卒業後に返済できるのだろうか」と考えると気が重くなってしまうでしょう。

薬剤師は他職種より年収が高いので、働き始めれば学費返済は決して難しくありません。

しかし、在学中はしんどいと感じるのではないでしょうか。

しんどい薬学部生活に関する、よくある質問

薬学部に入った学生が気になる、生活上の質問を集めました。

土日は休める?

土曜に授業や研究室が入っているケースはありますが、土日に休むことは可能です。

夏休みが短めなので、「長期休暇を利用して数週間の海外旅行へ!」というような華やかな遊び方はしづらいかもしれませんが、休んだり遊んだりすることはできます。

 

日ごろからコツコツが勉強しておくと、テスト勉強の手間も減りますし赤点や追試を避けられます。

大学生活には誘惑が多いのが悩みではありますが、しっかり休みたい人ほど、こまめに勉強を頑張りましょう

睡眠はとれる?

寝れます、大丈夫! 薬学部でも睡眠をしっかりとって暮らせます。

テスト直前の追い込み期間に寝不足になるのは、他学部でも普通に見られることなので仕方ない面もあるでしょう。

日頃からしっかり予習・復習しておく、基礎学力を高めておくといった地道な対策が、睡眠を維持して薬学部ライフを送ることにもつながります。

 

不夜城のような研究室に入ると、研究に忙殺されて睡眠を削られる可能性もあるので注意が必要です。

バイト・サークル活動はできる?

バイトやサークル活動は、薬学部でも可能です。

ただし、実習やテストが多いため自由時間が少なく、バイトやサークルに全力投球するのは難しいかもしれません。

 

夏休み中などに短期間バイトをしたり、調剤薬局やドラッグストアで将来のイメージを模索しながら働くといった働き方が可能です。接客業や家庭教師をする薬学生もいます。

薬学勉強の世界だけで視野狭窄におちいらないためにも、バイトやサークルで外の世界との接点を持つことをおすすめします

恋愛はできる?

薬学部でも、恋愛はできます。

むしろ薬剤師として働き始める前に、出会いを探しておくことをおすすめしたいくらいです。

 

薬学部の男女比は1:1程度であることが多いので、出会いを求めることは可能です。

実験やグループ学習、クラス飲みなどのときに、異性と接点を持つ機会もあるでしょう。

 

実際に、薬学部内で付き合っている友人も多くいましたし、薬学部実習で知り合った薬学部の彼と結婚した友人もいます。

 

「夫婦そろって薬剤師」という状況に閉塞感を感じる場合は、他学部と交流できるサークルやバイト、合コンに乗り出しましょう。

薬学部はそれなりに魅力的に見えることが多いようです。

高額な学費を払える経済基盤、学力の高さ、有資格ゆえの将来性あたりが、ポイントなのかもしれません。

 

卒業して薬局や病院という狭い社会に入ってしまうと、異性の乏しい村社会であることも多く、出会いが減ります。

学生時代にまったく恋愛をしないで女性だらけの職場に入る知り合いも数名いましたが、就業後の出会いがないと困っていました。

 

身動きしやすい学生時代。恋愛方面にもアンテナを張ると安心です。

薬学部6年間のしんどさレベルを徹底把握!

「薬学部は学年が進むごとにしんどくなる」ともいわれていますが、実際には科目数の増えるタイミングや実務実習などの影響を受けるので、いそがしさのレベルはまちまちです。

どうやら2年次が鬼門のようで、1年から2年に上がるタイミングに専門科目が増えてしんどくなる人や、2年修了時に進級できず留年してしまう人が多いです。

 

それでは、各学年の「しんどさレベル」をチェックしてみましょう。

1年

6年間で最もラクをしやすいのが、1年次です。

科目が少なめで、薬理学や薬物動態学のような専門科目がまだ始まっていないからです。

 

1年次の前半は、薬学人としての教養や心構えなどいわゆる「薬学と社会」の教科や、基礎的な化学、数学、物理などが多いでしょう。

2年

2年次に入ると、しんどくなった! と感じる学生が増えます

テスト科目は10科目以上になり、医療薬学の科目が本格的に始まるからです。

免疫学や臨床分析など、より専門用語の多い実践的な内容に近づいていきます。暗記も多いです。

 

なお、2年から3年に上がるタイミングで留年する人がとくに多いといわれています。

3年

2年次同様に専門科目が多く、科目ごとの難易度も高くなっているので、かなりテストがしんどいです。

留年者が多い大学では、3年次には仲間がグッと減っているかもしれません。

 

サークルの部長は3年生から選ばれることが多く、また、引退も基本的には3年生のときです。

3年生の秋には、研究室選びが始まります。

4年

4年次は研究室に所属しており、5年次からの病院・薬局実習に向けて、勉強の総仕上げに入る時期です。

科目数は3年次より少なく、これまであった英語や情報科学が終わっているので授業数も減ります。

 

しかし、4年には薬学共用試験(OSCEとCBT)の試験対策が始まるので要注意。テスト期間以外も共用試験対策で忙しくなります。

5年次以降の実務実習を受けるためにはOSCEとCBTに合格が必須となりますが、合格率はそれぞれ97~99%程度と高いので、まじめに勉強していれば問題なく合格できるでしょう。

 

4年生はサークル引退しているので、そのぶん時間に余白ができるかもしれません。

なお、4年生後半から5年生前半には就職活動を開始します。

5年

5年次といえば、病院と調剤薬局での実務実習。病院と薬局で、あわせて22週間の実務実習が行われます

授業は基本的にはありません。補講や予備校講師による国家試験対策などがあります。

 

5年次には、本格的な就職活動の準備が始まります。

インターンシップに行ったり企業説明会に参加したりと就活関連の忙しさが増すでしょう。

6年

6年制は就活(面接)と卒業試験、国家試験があるので、薬学部の総仕上げといえるほど忙しい年次です。

今後の人生に直結するので、きわめて重要な1年間となるでしょう。

 

大学によっては、国家試験合格が困難と予想される学生が、卒業試験の段階で不合格・卒業留年となるケースも見られます。

6年間のしんどい勉強・実習をしっかり乗り切って、国試合格につなげましょう。

薬学部はしんどいけれど、価値はある

薬学部は、他学部と比べるとしんどいです。

しかし、しんどい勉強の先に国家試験の合格があると思えば、努力するだけの価値はあります

 

医療人である薬剤師は社会からのニーズも高く、薬剤師飽和が危惧されている昨今でも、向学心を持って研鑽を積んでいれば問題なく活躍できます。

新卒の時点で高年収を得ることも可能であり、社会的なステータスも高めといえる薬剤師。

みなさんもぜひ、薬学部生活のしんどさを覚悟しながら最大限エンジョイしてください!

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