薬剤師も30代になると結婚、出産、昇進など環境がかわり転職など考える人も多いのではないでしょうか？
「30代の薬剤師だけれど、転職先を見つけることはできるだろうか？」
「初めての転職なんだけれど、30代の薬剤師が押さえておくべきポイントはある？」
「未経験な職場は可能？」
と悩む30代の薬剤師はとても多いです。
とくに現状では、先行き不透明な状況で転職をしり込みしてしまう人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、30代の薬剤師は若い戦力として重宝されて求人が多く、転職はそれほど難しくありません。
実務経験者がその職種での転職に有利となることは言うまでもありませんが、調剤未経験の人でも求人をきちんと確認すれば転職できます。
この記事では、30代の薬剤師が転職を成功させるために知っておきたい転職事情や選択肢についてお伝えします。
この記事を読むと、30代の今こそ転職にふさわしい時期だと納得でき、自信を持って転職活動を行えるようになるでしょう。
結論からいうと30代の薬剤師であれば転職はさほど難しくなくいろいろな求人を探せば目的の労働条件、ポスト、給与の勤務先を見つけることも不可能ではないでしょう。
ただ、自分一人で条件にあった求人を見つけ出すのはかなり大変なので薬剤師向けの大手転職サイトを使うと効率的に転職先を見つけることができます。
他にも数多くの転職サイトはあるのでおすすめの薬剤師向け転職サイトを知りたい方は下記の記事をチェック！
30代薬剤師の転職者は多く転職するにはチャンスが多い
30代の薬剤師は若さと実務経験の両方を持っているため、転職需要が高いです。
新型コロナウイルス感染拡大はさまざまな業界の転職市場に暗い影を落とし、たとえば調剤薬局では医療機関の受診控えの影響で、非正規雇用を中心とした人員削減の流れが見られます。
しかし全国的に薬剤師はまだまだ不足の状況であるため、20代～30代の若年層は正規雇用の求人が多く出ており、コロナ禍の現状でも転職しやすいと言えるでしょう。
厚生労働省の平成30年（2018年）医師・歯科医師・薬剤師統計の概況によると、年齢階級別の薬剤師人数は30代が79,076 人（25.4％）と最も多くなっています。
30代は薬剤師業界を支える重要な世代であり、雇用ニーズも高いのです。
30代前半の薬剤師はとくに転職に有利
20代後半から30代前半のいわゆる「アラサー」世代は、転職活動で一番有利な年齢層です。
なぜなら、新卒で就職して仕事慣れしてきたアラサー世代は、「ある程度のキャリアを積んだ即戦力」と考えられているからです。
また、薬剤師が初めて転職に踏み切るタイミングは30代前半にあたる「入社10年目」という人が最も多く、転職の盛んな年代です。
転職サイト・薬キャリの「薬剤師の転職実態調査－vol3.転職活動」によると、薬剤師の転職タイミングは10年目が圧倒的に多いことが明かされています。
新卒からずっと同じ職場で働いてきた30代前半の薬剤師の中には、自分のキャリアや人生設計を見直して転職を決める人も多いのです。
30代前半は採用側のニーズが高く、同時に転職願望が強い世代です。
30代後半の薬剤師は選択肢が減り始める
30代の薬剤師は転職に有利な年代ではありますが、35歳を過ぎてくると採用側の対応がやや厳しくなってきます。
世間一般では「35歳限界説」とも言われ転職年齢の現実的な限界は35歳と言われており、薬剤師業界でもその傾向は見られます。
採用側は「即戦力になり、なおかつこの会社で長く働ける人材」を求めているため、ほぼ同レベルの転職希望者が現れた場合、若いほうの薬剤師を採用したくなるのは道理と言えるでしょう。
とくに大手企業では年齢が高いほど人件費が高くなる傾向が見られるため、費用負担を避けたい採用者側にとっては、アラフォー以上の薬剤師を敬遠するケースがあります。
さらに、未経験者を採用する場合は「伸びしろの多い、若い年代」が好まれ、30代後半以降の未経験者は採用されづらくなってくることに注意しましょう。
30代後半はこれまで積んできたキャリアを磨き上げて戦力として活躍すべき時期であり、この時期に新たなキャリアを積み直すのであれば、しっかりと信念を持って転職に挑む必要があります。
可能であれば30代後半を迎える前に転職したいものです。
30代の薬剤師の転職は「これが最後」と考える（特に未経験の職場）
薬剤師としてスキルアップしていくためには、1つの業種・会社でキャリアを積んでいく必要があり、転職を繰り返していると将来的な年収や実績に悪影響が出かねません。
そのため、30代の薬剤師は「これが最後の転職」と考え、転職先を十分に吟味する必要があるのです。
こちらの記事
でも解説した通り40代に突入してしまうと様々な要因から転職は厳しいものになります。
※職場を選ばなければないわけではありませんが…
30代の薬剤師が転職先として選べる業種は多く、調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業など、自分のスキル次第で可能性が広がっていきます。
年齢が高くなるほど転職は難しくなっていき、表立って年齢制限を設けていなくても実際は年齢で選考が不利になる会社も存在するため、転職を決めた場合は少しでも若いうちに転職活動を始めることが大切です。
転職に有利な30代薬剤師｜あなたは条件満たしている？
30代の薬剤師の中でも特に転職がスムーズに進みやすいのは、どのような薬剤師でしょうか。
次の3つのケースが挙げられます。
マネジメント経験が豊富
管理薬剤師やエリアマネージャーなど、管理職経験がある30代の薬剤師は転職で有利になります。
なぜなら、転職先でも管理薬剤師を任せることができるからです。
転職サイトの求人で、急募の管理薬剤師募集が出ているのを目にしたことはありませんか。
ドラッグストアや調剤薬局の新店オープン時や、既存店舗で管理薬剤師のポストに空きが出て、人材が用意できない場合などに、「急募・管理薬剤師」の求人が出ます。
管理薬剤師は各店舗に必ず置かなければならないため、会社側は「給与水準を上げてでも人材確保したいという」意向があるのです。
30代薬剤師で管理職経験のある方は、管理薬剤師としての転職を検討してみましょう。
実務経験が豊富
調剤薬局や調剤併設型ドラッグストアの店舗では、調剤経験のある30代の薬剤師は採用されやすいです。
薬剤師不足の現場では調剤未経験可とする職場も多いですが、会社側としては、即戦力が欲しいので出来るだけ経験者を雇いたいと考えています。
調剤経験があるだけでなく、コミュニケーションスキルが高く、複数科目の処方対応経験や在宅医療の知識があると、さらに採用ニーズが高まるでしょう。
薬剤師の業務は政府主導で「対物業務から対人業務へ」と移行しつつあるため、在宅患者訪問薬剤管理指導料や居宅療養指導加算の算定・実務経験がある薬剤師は、転職先でもそれらの業務ですぐに活躍できるため重宝されます。
認定薬剤師の資格を保有
認定薬剤師とは、認定薬剤師制度による一定期間の研修・実技を通して一定期間内に所定の単位を取得し、専門知識・技術があると認められた薬剤師のことです。
日本薬剤師研修センターの認定する研修認定薬剤師などが挙げられます。
認定薬剤師の資格を持っている薬剤師も、転職に有利になります。
なぜなら、認定薬剤師は「かかりつけ薬剤師」になるための要件の一つであるためです。
かかりつけ薬剤師の在籍は地域支援体制加算の算定要件に関わるため、店舗の売上に貢献することができます。
【かかりつけ薬剤師の要件】
- 保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があること
- かかりつけ薬剤師指導料を算定する薬局に週32時間以上勤務かつ1年以上在籍していること
- 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定薬剤師を取得していること
- 医療にかかわる地域活動の取り組みに参画していること
【注意】30代薬剤師でも転職に不利なケース
採用ニーズが高い30代の薬剤師ですが、採用基準は年齢だけではありません。
次の条件に当てはまる人は、転職に不利になる恐れがあります。
転職回数が多い
転職を繰り返していると、採用側から敬遠されることがあるので注意しましょう。
採用にあたり、これまで職務経歴は非常に重要なポイントとなります。
働いて1、2年のうちに転職を繰り返しているケースでは、人事担当者に「この人は、せっかく採用してもすぐ辞めてしまうのでは」と思われ敬遠されかねません。
採用側は人材の募集に手間やお金をかけており、採用後は研修などによりその人材に投資することになります。
すぐ離職されてしまうと、投資がムダになってしまうのです。
30代の薬剤師の場合、1～2回の転職ならばあまり不利になりませんが、それ以上転職を繰り返している人は転職が難航する覚悟をしましょう。
面接時に、転職を希望する理由を合理的に説明できるよう、入念な準備が必要です。
即戦力が求められる！キャリア・スキルが乏しい人は難しい
30代の薬剤師の転職では、これまで培ってきたキャリアが重視されます。
会社側は前職のポジションや業務内容を確認し、今までの経験はこの会社でどう生かせるのか見通しを立てようとしています。
調剤未経験からの転職であっても、これまでのキャリアがやはり重要です。
仮に調剤未経験であっても、「前職では管理職経験があるのか」「どんな業界知識を持っているのか」といったポイントが、転職先での貢献度に関わってくるでしょう。
企業・病院・ドラッグストアなど他職種間を渡り歩いて短期間で転職を繰り返している人は、「中途半端でスキルが足りないはずだ」と見なされ、キャリアビジョンが不明確な人と見られる恐れがあります。
転職理由があいまい
面接時にはほぼ必ず「なぜこの会社・この業界に転職するのか」と質問されますが、理由を明確に答えられない薬剤師は、採用されにくいでしょう。
「前職でのキャリアアップに限界を感じ、この会社でスキルアップを志している」「この会社の地域貢献への取り組みに魅力を感じた」など、ポジティブな回答を用意できる薬剤師は、採用側にとって魅力的です。
実際には「人間関係」「日々のストレス」などネガティブな理由で転職活動を始める人も多くいます。
しかし、そのような場合でも自分の転職理由を深堀りすると、ポジティブな側面に焦点を当てることにつながります。
30代薬剤師に多い転職理由は？
30代薬剤師によくある転職理由としては、次の5つが挙げられます。
【30代薬剤師のよくある転職理由】
- スキルアップ・キャリアアップしたい
- 年収を上げたい
- 労働条件が良い職場で働きたい
- 現職での人間関係が悪い
- 出産・結婚都合での転職・復職
転職で採用側に面接理由を伝えるときは、ポジティブな表現で説明しましょう。
「前職の業務内容に限界があり、転職によってスキルアップやキャリアアップを実現したい」という人は、その熱意を積極的に伝えるのがおすすめです。
出産や結婚などライフステージの都合による場合も、そのまま伝えて差し支えないでしょう。
ネガティブな転職理由は、掘り下げて前向きな面を引き出すのがポイントです。
【転職理由のポジティブな言い換え】
- サービス残業が苦痛で転職したい
→「効率的な業務をできるよう前職でも尽力してきたが改善されず、メリハリのある業務で高い成果を上げて貢献したいと思った」 - イジメやパワハラを受けて転職を決めた
→「協調性や意思疎通を大切にする職場で働きたい」
自分では良い表現に置き換えられない場合には、転職コンサルタントに相談するとアドバイスがもらえるのでおすすめです。
30代の薬剤師転職で年収を上げる方法
世間一般では転職により年収が下がってしまうことも多いのですが、30代の薬剤師転職では年収が上がるケースも多いです。
前職のキャリアを生かせる転職や、病院などもともと年収設定が低い職場からの転職では、とくに年収アップが期待できる。
転職直後の年収アップが難しい場合も、昇給率の良い会社を選ぶと徐々に昇給していくでしょう。
30代薬剤師の平均年収
厚生労働省の令和元年度賃金構造基本統計調査によると、30代の薬剤師の平均年収は以下のようになっています。
| 年齢 | 男性薬剤師の平均年収 | 女性薬剤師の平均年収 |
| 全年齢 | 600.6万円 | 535.7万円 |
| 30～34歳 | 581.1万円 | 507.7万円 |
| 35～39歳 | 653.6 万円 | 542.3万円 |
出典：令和元年度賃金構造基本統計調査 職種別第2表 職種・性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 （平均年収は「きまって支給する現金給与額」×12＋「所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」より算出）
30代の後半は薬剤師全体の平均年収を上回ってくる時期と言えます。
ただし、年収は業種や都道府県ごとに大きく異なってくるので、単純に数字だけで比較するのは避けましょう。
参考として、マイナビ薬剤師が保有している求人から業種別の平均年収を引用します。
業種 平均年収 病院薬剤師 434.6万円 調剤薬局 488.3万円 ドラッグストア 512.5万円 製薬会社 543.2万円
また、地域によって薬剤師の人数や需要が異なり、年収に大きな差が生じています。
2019年のデータでは、薬剤師の平均年収が最も高い都道府県は静岡県で698．7万円、最も低い都道府県は長崎県で428．2万円と、270万円もの開きがありました（参考：都道府県別 薬剤師年収ランキング（2020年版）｜薬キャリ職業ナビ）。
数字だけでの単純比較は避けるべきですが、自分の年収や昇給ペースが不条理に低い場合は、転職を考慮するのも一つの選択肢です。
管理薬剤師として転職する
これまで一般薬剤師として働いていた30代薬剤師の中には、管理薬剤師として転職する人もいます。
すでに管理職経験がある人は、さらに歓迎されるでしょう。
管理薬剤師になるための必要な資格や要件はありませんが、管理薬剤師への昇進または管理薬剤師として転職するときは3年以上の実務経験が必要になるケースが多いです。
かかりつけ薬局では管理薬剤師の薬局勤務経験を5年以上としているため、そちらに倣って5年以上の実務経験を要求されるケースもあります。
管理薬剤師は責務の重さに相関して高年収となり、一般薬剤師の平均年収を280万円程度上回っています。
管理薬剤師の平均年収 一般薬剤師の平均年収 年収差 751.8万円 473.9万円 277.9万円
経験を活かせる職種を選ぶ
30代の薬剤師転職では、これまでの経験が合否を分ける大きなポイントになります。
例えば調剤薬局で勤務していた人は、スキル・実績次第で「経験者歓迎」記載の求人で高年収を叶えることも可能です。
認定薬剤師などの資格を持っている薬剤師に対して、月当たり1万円程度の資格手当が支給してくれる会社も多いので、転職活動では積極的にアピールしましょう。
反対に、「未経験からの転職」の場合はキャリアが生かせず年収ダウンしてしまう可能性があります。
30代薬剤師が転職できる職種は？
30代の薬剤師におすすめの転職先としては、調剤薬局、ドラッグストアが特におすすめです。
また、難易度は高いものの病院や企業の薬剤師を目指せるのが、30代の薬剤師の特徴と言えるでしょう。
それぞれの職種について説明します。
調剤薬局
調剤薬局は、転職希望の薬剤師に特におすすめしやすい職種です。
なぜなら調剤薬局は全国におよそ6万店舗も存在しており、まだまだ薬剤師不足の現場も多くて求人豊富になっているためです。
30代に限らず若手から50代以降まで幅広い年代の薬剤師が転職可能な職種が、調剤薬局です。
ただし、大手の調剤薬局の採用は新卒や若い人材に限定されており、40代以降は不利です。
大手調剤薬局に転職したい人は、30代の今、踏み切りましょう。
中小・個人の調剤薬局では、50歳以上の高年齢でも比較的採用されやすいですが、研修体制が整っていない現場も多いです。
経営トップの方針に大きく左右されるので、しっかりと調査してから転職を決めましょう。
ドラッグストア
高収入を狙う30代薬剤師の人には、ドラッグストアへの転職がおすすめです。
ドラッグストア業界では調剤部門の拡充戦略を取る流れが見られ、調剤併設型店舗の薬剤師募集が増えています。
大手調剤薬局と同じく、40代以降は人件費などの事情で採用されづらくなるため、30代のうちに転職するのがおすすめです。
ただし調剤薬局に比べて夜遅くまで勤務があったり、品出しなどの雑務や営業ノルマの負担が重かったりするケースがあるため、自分の体力やライフスタイルと相談してから転職を決めましょう。
病院
病院薬剤師は新卒採用でほぼ充足していることが多いので、30代の中途採用は難易度が高くなります。
とくに急性期病院や大学病院などへの転職は、至難の業と言えるでしょう。
慢性期病院では中途採用の募集が出ているケースもあり、病院勤務経験者であれば30代以降でも採用されることも可能です。
ただし、病院薬剤師としての勤務は夜勤や当直などかなりハードな業務が多いため、年齢を重ねていくと体力的に厳しくなる点に注意してください。
病院勤務する一般薬剤師の年収低めであり、ポストに飽き出づらいので昇進・昇給が難しいことも押さえておきましょう。
企業
企業への転職も30代薬剤師なら可能ですが、狭き門と言えるでしょう。
企業薬剤師は、土日休みの職場が多くて福利厚生がしっかりしていることが魅力ですが、中途採用の求人が非常に少なくなっています。
CRA（臨床開発モニター）やMRは、高年収で人気も高い職種ですが、未経験からの転職は現実的にはかなり難易度が高めです。
ただ薬剤師の資格を持っているというだけでは、中途採用はほぼ不可能です。
製薬企業や医療品卸業、医薬品の物流センターなどの管理薬剤師は、未経験でも採用され得る職種です。
少人数の職種であり滅多に求人が出ないので、企業の管理薬剤師への転職を希望する人は、転職サイトに登録してコンサルタントと綿密な連絡を取るのがおすすめです。
求人が出次第すぐに連絡するよう頼んでおき、いつでも転職活動を行えるように準備しておきましょう。
30代薬剤師が転職を成功させるためのチェックポイント
30代の薬剤師の転職は「これが人生最後の転職」と捉えて慎重に勧めましょう。
「とりあえず職場を変えた」「良さそうな求人だったから」という程度の判断で転職に踏み切ると、失敗するリスクが高くなってしまいます。
転職を成功させるための具体的なチェックポイントは以下の5つです。
どうして転職したいのか
「面接時に転職理由をどう伝えるか」という以前に、自分が転職したい本当の理由・目的を自身に深く問いかけましょう。
深堀りすると、「今は転職すべき時期か」「自分には本当に転職が必要なのか」を冷静に判断することができます。
一時の感情に流されず、自分の本音に向き合って考えることが重要です。
今の職場では実現できない課題や目標がある人は、「絶対に転職したい」という強い動機づけが持てるため、迷わず転職に踏み切れるでしょう。
希望の求人条件は？
年収、転勤の有無、残業時間、休みの取りやすさ、通勤時間、福利厚生、職場の雰囲気…転職先を決めるときの条件はいろいろありますが、必ず条件に優先順位をつけましょう。
自分のスキルや実績、家庭環境などを考慮して、自分が何を重視して働くかを考えます。
たとえば30代の既婚女性で出産希望の薬剤師であれば、「育休・産休が取れて時短勤務できる職場」という条件の重要度が高まるのではないでしょうか。
「求人票の年収や通勤距離だけを見て判断する」といった表面的な条件に踊らされず、自分の状況や価値観に見合った優先順位と照らし合わせて判断しましょう。
あなたの求める条件は大手の転職サイトなどを使うと自力よりも簡単に探すことができるでしょう。
自分のスキルとキャリアは把握できているか
転職活動を行うに当たり、自分の実績やスキルを整理する必要があります。
例えば自分に管理薬剤師を務める能力があるかどうか、在宅業務の多い職場でも即戦力になれるかなどが挙げられます。
今はまだ十分な能力を持っていないという人でも、将来的にどのようなキャリアを目指しているかを明確に把握できていれば、採用担当の人にも熱意を伝えることができます。
これまで働いてきた経験や反省点から、「自分にはどんな職場が合っているのか」を把握して自分に合った転職先を探しましょう。
ここまでにお伝えした転職理由や転職条件の優先順位、自分のキャリアなどは、必ず紙に書いて整理してください。
文字にすることで、現状や今後の目標が把握しやすくなり、履歴書を作成するときにも便利です。
認定薬剤師の資格を持っている人は、転職でも有利なので十分にPRしましょう。
認定薬剤師の種類
認定薬剤師は、「公益社団法人薬剤師認定制度認証機構（Council on Pharmacists Credentials：CPC）」によってプロバイダー認証された機関が認定する薬剤師のことであり、自己研鑽を積んでいる薬剤師の証拠ともなります。
また、認定薬剤師の資格があればかかりつけ薬剤師の一要件となることは、前述の通りです。
認定薬剤師の一例を紹介します。
【認定薬剤師の一例】
- 研修認定薬剤師（公益財団法人日本薬剤師研修センター）
：法規や医療薬学など多分野の研修を受講し、自己研鑽を積んだ薬剤師 - プライマリ・ケア認定薬剤師（一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会）
：患者を総合的に見て必要な対策が取れる能力（プライマリ・ケア能力）を認められた薬剤師 - 在宅療養支援認定薬剤師（一般社団法人日本在宅薬学会）
：在宅療養支援の知識・技能・態度を備えて薬物療養を支える薬剤師 - 糖尿病薬物療法認定薬剤師（一般社団法人日本くすりと糖尿病学会）
：糖尿病領域の薬物療法の専門家としてチーム医療に貢献できる薬剤師
40代以降のキャリアプランは明確か
転職活動を行う前に、自分の薬剤師としてのキャリアプランを明確にしましょう。
将来像を描くことで、自分が転職すべきかどうか判断しやすくなります。
厚生労働省の「薬剤師の需給推計（案）」によると、今後の薬剤師供給過多は決定的であり、2045年には最大126,000人の薬剤師が過剰になると言われています。将来的なビジョンを描けない薬剤師とって、働きづらい社会となるのは必至です。
引用：どの業種で働き、どんな薬剤師として活躍していきたいのか考え、逆算して自分のキャリアプランに見合った転職先を選びましょう。
転職サイトを活用できているか
30代の転職を成功させるためには、転職サイトの活用を強くおすすめします。
なぜなら、大量の求人の中から自分に適した案件を見極める必要があるためです。
情報収集が不十分なまま転職してしまうと、「思っていた職場と違うので、もう一度転職したい」と悩むことになりかねません。
非公開求人を含めた多様な選択肢の中から、あなたの人生設計に見合った求人を紹介してくれる、転職サイトを活用しましょう。
担当コンサルタントと、少なくとも2週間に1度の頻度で連絡を取り合うことで、求職者の中での優先順位を下げられることなく、案件を紹介してもらいやすくなります。
複数の転職サイトを利用すると理想の求人を見つけやすくなり、相性の良いコンサルタントに出会える可能性もアップするのでおすすめです。
まとめ：30代の転職は難しくないができるだけ早めに！
- 30代薬剤師は求人豊富！
- 調剤薬局・ドラッグストアが最も転職しやすいが、30代の薬剤師なら病院・企業も検討可能
- 今後のキャリアプランを見通して、「最後の転職」となるよう転職先を厳選する
- 沢山の求人の中から自分の価値観に見合った求人を選び出すには、転職サイトの活用がおすすめ
以上、30代の薬剤師の転職事情や選択肢、コツなどをお伝えしました。
薬剤師供給過多の時代は、すでに始まりつつあります（特に都内など大都市部）
時代に淘汰されない「ビジョンある薬剤師」になるため、30代の薬剤師転職を成功させましょう！
また、前述しましたが30代後半になるにつれて転職は不利になります。自分の条件にあった転職先を探したいなら30代前半のうちに転職先を探すのがベストです。
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