薬剤師がオワコンと言われる理由って?薬剤師って職業に将来性を感じないあなたへ

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「薬剤師って、もうオワコンなんじゃない?」

ネット掲示板で「薬剤師なんていらなくない?」のような書き込みを見たり、薬剤師仲間と愚痴をこぼしあっていたりするとき、ふと薬剤師の将来性が心配になってくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

薬剤師はオワコン……そんな言葉を聞くと、ゾッとしてしまいますよね。

そこで今回は、薬剤師がオワコンといわれる理由や自分自身がオワコン薬剤師にならないようにするための具体的な方法を解説します!

生き残れる薬剤師になるために、この記事をぜひ役立ててくださいね。

目次

薬剤師がオワコンと言われる理由

オワコンとは「終わったコンテンツ」を意味するネットスラングで、時代にそぐわなくなって需要を見込めないサービスのことを言います。

薬剤師がオワコンと揶揄される理由について解説します。

調剤バブルの終焉

医薬分業は1997年に当時の厚生省が37のモデル国立病院に完全分業を指示して以来、飛躍的な発展を遂げました。

2020年には院外処方箋受け取り率は75%を突破し、処方箋発行枚数8億枚を超える状態になっています。

そして、医薬分業化に伴って、病院門前の好立地に薬局を立てて収益を上げる「調剤バブル」と呼ばれる現象がたびたび問題視されてきました。

(引用元:医薬分業とは|公益社団法人日本薬剤師会

 

しかし、これまで右肩上がりに上昇してきた院外処方せんの受け取り率も、近年ではほぼ横ばいになっています。

日本薬剤師会ホームページの「医薬分業進捗状況(保険調剤の動向)」によると、院外処方せん受け取り率の全国平均は平成31年3月で75.8%、令和2年3月で76.6%という状況です。

 

医薬分業が進み切った状況にあるため、「門前薬局を作れば処方箋が大量に来て収益を上げられる」という調剤バブルはもはや過去のものになったといえるのかもしれません。

調剤報酬の変遷

高齢化社会で医療財源がひっ迫し、将来的には医療費削減のために調剤報酬がマイナス改定をされる可能性があります。

調剤報酬は薬局の収益源でもあるため、点数ダウンは薬剤師の収入減につながる要素です。

時代の流れについていけない薬局は、マイナス改定の影響を受けてオワコン化するリスクがあります。

 

直近の令和4年度(2022年)調剤報酬改定では、とくに大きな4つの変更点がありました。(参照:令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤)|厚生労働省

<令和4年度調剤報酬改定の4大ポイント>

  • 地域支援体制加算の変化
  • 新たな報酬体系への変更
  • オンライン服薬指導と資格の確認
  • リフィル処方箋の開始

とくに薬局のオワコン化につながりかねないポイントについて、以下に解説します。

地域支援体制加算の変化

地域支援体制加算はこれまで38点でしたが、地域医療への貢献度に応じて、施設基準の区分により39点、47点、17点へと細分化されることになりました。

地域貢献できない薬局にとっては経営悪化につながる要素であり、「オワコン化」を加速する要因にもなりかねません。

新たな報酬体系への変更

これまで処方日数ごとに点数区分がなされていた内服薬調剤料は、今回の改訂によって一律24点となりました。

施設の調剤管理料では処方日数に応じて加算がつき、対物・対人業務をそれぞれ分けて評価される形に変更されています。

 

また、服薬管理指導料では算定要件がより具体的になり、「患者の薬剤の使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに、必要な指導等を実施すること」が算定要件に明記され、患者フォローアップの重要性が増しています。

対人業務の重視が明確化されてきている中、地域医療に貢献できない薬局はマイナス改定の影響を強く受け、オワコン化するケースもあるでしょう。

就職状況の悪化傾向

薬剤師の転職は長い間ずっと薬剤師優位の「売り手市場」でしたが、近年は採用企業側に優位となる「買い手市場化」が顕著です。

とくに都市部では薬剤師が充足傾向にあり、薬剤師免許を持っていれば楽に就職できる時代は過去のものになりつつあります。

それにもかかわらず、古いイメージに縛られて「薬剤師は転職し放題」という認識を持ち続けている人が多いのが実状です。

 

厚生労働省のいわゆる「0402通知」以降、ピッキングなどの一部業務を非薬剤師に任せる薬局も増えており、薬剤師の雇用縮小へとつながる要素となっています。

また、ドラッグストアでは人件費削減のために登録販売者にできる業務は登録販売者に任せ、薬剤師数を調整する場合もあるでしょう。

 

現在、薬剤師の総数としては需要と供給がほぼ均衡していますが、将来的には供給が需要を上回る見込みであるため、就職状況は厳しくなる可能性が高いです。

薬剤師需給予測

(引用元:薬剤師の需給調査方法(案)|厚生労働省

 

とはいえ、2022年現在は薬剤師国家試験の合格率は例年70%前後で安定しており、薬剤師数の急増などもないので、他職種に比べればまだまだ就職・転職しやすい状況といえるでしょう。

とくに30代までの薬剤師なら、さほど苦労せず転職できるケースも多いです。

給与面での不振

薬剤師の平均収入は世間では「高い」といわれていますが、中小の薬局では昇給体系がきちんと確立されておらず40代以降の給料が伸び悩むケースも見られます。

そのため、「6年制薬学部に通って高い学費を払った割には稼げない」と薬剤師が不満を持つ場合があります。

 

厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査「職種別第1表」では薬剤師全体での平均年収は562万円で、日本人の平均年収436万円(国税庁 令和元年分民間給与実態統計調査参照)よりも明らかに高収入です。

しかし、年齢別の賃金比較では40代あたりから大卒の一般労働者のほうが薬剤師よりも平均年収が高くなる傾向が見られます。令和2年賃金構造基本統計調査から、企業規模100999人の条件で平均年収を算出したものが以下の表です。 

年齢            大卒一般労働者の平均年収(万円)  薬剤師の平均年収(万円)
全年齢    564        568
2024           318    328
2529            412       447
3034  478        488
3539         546      547
4044 623 598
4549            689 685
5054      785  648
5559         780    664
6064             566   557
6569        516     517
70歳~   520 397

令和2年賃金構造基本統計調査      1表  年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額より算出

 

薬剤師は女性比率が高く育児や介護などの事情が平均年収を押し下げている可能性があるものの、生涯年収で考えると「薬剤師は意外に年収が低い」と考える方もいます。

「思ったよりも年収が上がらない」という事情が、薬剤師をオワコンと嘆きたくなる理由の一つになっているのかもしれません。

「薬剤師業界」自体はオワコンにはならない

薬剤師をとりまく社会情勢や業務内容は以前と大きく変化していますが、給与や就職状況をみると「オワコン」と呼ぶような悲観的な状況ではありません。

医療従事者として必須の職業である以上、薬剤師そのものがオワコンになってしまうことは今後もないと断言できます。

しかし、これからの時代、薬局や薬剤師は「求められる存在」と、「患者から必要とされず淘汰される存在」とに二極化していくことはほぼ避けられません。

時代の変化についていけない調剤薬局や低スキルな薬剤師は、オワコン化してしまうリスクがあるといえます。

オワコン化する薬剤師・薬局とは……?

薬剤師としての価値を見出されず苦労することになる薬剤師や、患者から求められなくなる薬局には、どのような特徴があるのでしょうか。

次に解説します。

不勉強な薬剤師

診療報酬の改定内容や医薬品情報などのアップデートを怠る、勉強しない薬剤師はどんどん時代から取り残されていきます。

その結果、薬局や患者から求められることのないオワコン薬剤師になってしまうのです。

ブランクが長く空きすぎた薬剤師や、現場経験が乏しい薬剤師も、即戦力になりづらいので意欲的に勉強しなければオワコン扱いされかねません。

無計画に転職を繰り返す薬剤師

薬剤師が飽和状態になってきた今、スキルアップをともなわない無計画な転職を繰り返す薬剤師は採用側から敬遠されるリスクが高まっています。

「今の人間関係をリセットしたい」「今より楽な就職先ならどこでもいい」というような、安直な転職は控えましょう。

オワコン薬剤師にならないためには、10年後、20年後の人生設計を明確にして、スキルアップ・キャリアアップに関わる転職を行うことが大切です。

在宅業務をやりたがらない薬剤師

調剤ピッキングなどの対物業務ばかりに執着して、在宅業務に進出する気がない薬剤師はオワコン薬剤師になりやすいです。

融通がきかない薬剤師は、職場に貢献できず転職や昇進でも不利になります。

地域包括医療に進出できない薬局

度重なる調剤報酬改定で、調剤薬局の地域包括ケアシステムへの参画が強く求められ、今後も加速していく見通しです。

そのような背景でも、いまだに門前のクリニックの処方箋応需ばかりに固執したり、在宅医療への進出をかたくなに拒み続ける薬局も見られます。

時代の求める薬局像から目を反らしている調剤薬局は、将来的にはオワコン化していくのではないでしょうか。

そのような薬局で働き続ける薬剤師は、つぶしが効かなくなりオワコン薬剤師になるリスクをはらんでいます。

まとめ:生き残れる薬剤師になろう

薬剤師という職業そのものがオワコン化することはありませんが、時代の変化についていけない、向学意欲のない薬剤師はオワコン化してしまう危険があります。

オワコン薬剤師になってしまうと、今後は転職でも大いに苦労することになるでしょう。

転職を行うときは自分のキャリアプランを明確にして、目標達成のための「前向きな転職」を実現しましょう。

患者に貢献できる薬剤師でありつづけることが、結果的に自分のオワコン化を防いで生き残るための方法になるのです。

みなさんの末永いご活躍を、心から応援しています!

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