新卒の薬剤師に最も人気の高い「病院薬剤師」。
医師や看護師と供に「チーム医療」として貢献できるので、薬剤師としてのやりがいを強く感じる業種です。
とはいえ、
「病院で働く薬剤師は年収が低いの？」
「勤務年数に伴い年収アップするの？」
そんな風に思っている薬剤師の方も多いようです。
結論からいうと、病院薬剤師はほかの業種に比べて年収が低い傾向にあります。
しかし年収アップを成功させやすい業種でもあるので、今後、年収を上げたい方はぜひ「病院薬剤師の年収アップのコツ」を押さえておきましょう。
本ページを読み終わる頃には、病院薬剤師の年収事情をよく理解できたうえで、収入を増やす方法を把握することができます。
「これなら出来そう」と思えるものに挑戦して、高収入の目指しましょう。
ただ、病院薬剤師の場合は規模にもよりますがポストが少なく高収入をめざすのは難しい。年収をアップさせたいなら転職などを視野にいれるのもおすすめ。
上記は編集部で調べた評判の良かった上位3つの薬剤師向け転職サイト。
他にもおすすめの転職サイトは数多くあるのできになる方は「薬剤師の転職サイトおすすめを比較・ランキング付け！失敗しない第一選択の選び方とは…？」
【職場別】薬剤師の平均年収ランキング！病院勤務は最下位？
薬剤師は、4つの業種に分類されており、それぞれ年収が大きく異なります。
また、働くエリアが「都市部（北海道・東京・大阪・愛知・福岡）」あるいは「地方」によって年収に大きな差が開きます。
職場と働くエリアに分けてまとめたのでチェックしてみてくださいね。
| 職種 | 都市部 | その他のエリア |
| ドラッグストア | 542万円 | 556万円 |
| 調剤薬局 | 507万円 | 522万円 |
| 病院 | 467万円 | 490万円 |
| 企業 | 504万円 | 532万円 |
参照：「薬キャリ職場ナビ」
都市部と地方、働くエリアによって年収ランキングの順位が異なるので見ていきましょう。
都市部は、
1位 ドラッグストア
2位 調剤薬局
3位 企業
4位 病院
となっています。
続いて、地方の年収ランキングでは
1位 ドラッグストア
2位 企業
3位 調剤薬局
4位 病院
となっており、いずれにしても「病院薬剤師」は、年収ランキングの最下位となっています。
病院勤務の薬剤師の平均年収・給料は？
「病院薬剤師」とひとくちに言っても、勤める病院の種類によって年収が大きく異なります。
大きく分けると「一般病院」と「診療所」に分類されています。
| 病院の種類 | 年収 |
| 一般病院（国立） | 572万円 |
| 一般病院（公立） | 607万円 |
| 一般病院（公的） | 601万円 |
| 一般病院（社会保険関係法人） | 641万円 |
| 診療所（個人） | 609万円 |
| 診療所（医療法人） | 786万円 |
参照：「第20回医療経済実態調査」
病院の中でも「診療所（医療法人）」と「一般病院（社会保険関係法人）」は比較的に年収が高いということが明確になりました。
【年齢・性別】病院に勤める薬剤師の年収一覧
病院薬剤師は、年齢や性別によって年収が異なるので、それぞれまとめました。
「マイナビ薬剤師」が実施した調査結果の一例をご紹介するので、参考程度にご覧ください。
※平均年収ではないということを念頭に置いておきましょう。
20代の病院薬剤師の年収
| 性別（病院の種類） | 年収 |
| 男性（大学病院） | 470万円 |
| 女性（一般病院） | 429万円 |
| 女性（公立・公的社会保険関係法人の病院） | 448万円 |
30代の病院薬剤師の年収
| 性別（病院の種類） | 年収 |
| 女性（大学病院） | 426万円 |
| 男性（一般病院） | 584万円 |
| 女性（公立・公的社会保険関係法人の病院） | 460万円 |
40代の病院薬剤師の年収
| 性別（病院の種類） | 年収 |
| 女性（大学病院） | 550万円 |
| 女性（公立・公的社会保険関係法人の病院） | 800万円 |
| 女性（一般病院） | 624万円 |
50代の病院薬剤師の年収
| 性別（病院の種類） | 年収 |
| 女性（大学病院） | 550万円 |
| 男性（公立・公的社会保険関係法人の病院） | 800万円 |
| 男性（一般病院） | 720万円 |
年齢別に年収を見てみると、勤務年数を重ねるごとに年収が増加していることが分かります。
なお、「主任」「薬局長」などの役職に就くことで、年収が大幅にアップしているようです。
なぜ病院勤務の薬剤師は年収が低いの？
ここまでで「病院勤務の薬剤師は年収が低い」ということが分かりました。
なぜ病院で働く薬剤師は年収が低いのかを紐解いていくと下記の2つが理由だと考えられます。
- やりがいがあり人気な職場だから
- 医師・看護師より給料を低く設定しやすい
それぞれ詳しく解説していくので見ていきましょう。
やりがいがあり人気な職場だから
病院薬剤師は、医師や看護師などほかの医療スタッフとともに「チーム医療」に携わることができます。
時には、医師や看護師へ薬剤に関するアドバイスをしたり、患者さんの症状を診て適切な薬を処方したりとやりがいを感じる仕事です。
そのため、新卒の薬剤師の方から人気が高く、人手が足りていることも年収が低い理由の一つ。
一方、ドラッグストアは、「M&A」や「多店舗展開」による影響で、薬剤師が人手不足の状態にあります。
薬剤師が居なければ成り立たない業務が多いので、高年収・高優遇で薬剤師の人員を確保しているのです。
医師・看護師よりも給料を低く設定しやすい
病院の経営者は、医師や看護師の給料を第一に確保する必要があります。
そのため、薬剤師の年収は優先順位として「医師>看護師>薬剤師」となってしまうケースがほとんど。
一方、調剤業務や専門的な接客が必要な調剤併設型のドラッグストアに勤める薬剤師は、第一優先として給料設定をされるため年収が高い傾向にあります。
経営者にとっての優先順位が年収にもダイレクトに影響するということを知っておくといいかもしれませんね。
※「調剤併設型ドラッグストア」とは、一般的な医薬品や化粧品などを販売しているドラッグストアに、医師からの処方箋を受け取りお客様へ提供する調剤薬局が併設されている店舗のことです。
病院勤務の薬剤師が年収をアップさせる方法
病院勤務の薬剤師が年収をアップさせる方法は、下記の通りです。
- 資格を取得して手当をもらう
- 国公立病院へ転職する
- 副業をする
- 地方の病院に転職する
- 薬剤師専門の転職サイトを利用する
自分にあう方法を見つけて年収アップを成功させましょう。
資格を取得して手当をもらう
専門性の高い資格を取得することで、基本給に上乗せして手当がもらえるケースも。
具体的には、
- 認定薬剤師
- 専門薬剤師
などの難関資格を保有することで、経営者に「チーム医療に欠かせない薬剤師」だと認識されるはずです。
そうなれば、医師・看護師のように高年収・高優遇を受けられるでしょう。
国公立病院へ転職する
国公立病院へ転職をすることで、定期昇給やボーナスの支給があるので年収アップに繋がるでしょう。
国（厚生労働省）や地方自治体に所属して働く薬剤師は、公務員扱いになります。
主に、
- 国家公務員薬剤師
- 地方公務員薬剤師
- 麻薬取締官
上記の3種類に分類されます。
公務員薬剤師は、民間企業と比較して急に倒産することがなく安定して長く働き続けられます。
育児休暇が3年間取得できるなど「福利厚生」が整っている点も公務員薬剤師の魅力です。
国公立病院で働く薬剤師の空き枠は少ないですが、薬剤師としてのキャリアを積んでいれば、転職ができるので検討してみてくださいね。
副業をする
副業をすれば、本業とは別に収入を得ることができるので年収を効率よく上げられます。
基本的に病院薬剤師は、平日に働くことが多いので、24時間365日営業のドラッグストアで「土日祝日」や「深夜」に勤務するパート薬剤師になるのもおすすめ。
日頃、こなしている薬剤業務をメインで行うので、慣れるまでの期間にかかる負担を軽減させられるはずです。
また、「在宅ワークで副収入を得たい」という方は、メディカルライターに挑戦してみてはいかがでしょうか？
メディカルライターとは、健康や医療に関する文章を執筆する仕事です。
医療従事者である薬剤師は、IT系業界に不足しているため、通常の文字単価よりも上乗せされるので大きく稼ぐことができます。
公務員薬剤師・管理薬剤師は副業が禁止されています。副業を始める際には、就業規則にしっかりと目を通しておきましょう。
地方の病院に転職する
一般的な企業では、都市部の方が年収が高く設定されています。
しかし薬剤師は、人手不足の影響で地方の方が年収が高い傾向にあるのです。
地方は、高齢化に伴い病院や薬局が増える一方、若手の薬剤師が不足しています。
薬剤師が居なければ成り立たない病院や薬局、企業は年収を高く設定し、薬剤師の人員を確保しているのです。
つまり、地方にある人手不足の職場は穴場ですので、「働く場所」にこだわりがなければ転職を検討してみてくださいね。
薬剤師専門の転職サイトを利用する
病院薬剤師が年収アップを目指すなら、高年収・高優遇の職場に転職することが一番の近道だといえます。
そして転職をする際には、薬剤師専門の転職サイトを活用しましょう。
薬剤師専門の転職サイトを利用することで、下記のようなメリットがあります。
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 面接の練習をしてくれる
- 人事にアプローチをしてくれる
- 面倒な手続きを代わりに行ってくれる
- 時給の交渉をしてくれる
一般的な求人サイトでは、考えられないほどの手厚いサポートを無料で受けられるので、納得のいく転職を成功させることができるでしょう。
まとめ：病院の薬剤師は大幅な年収アップを成功できる
病院の薬剤師は、ほかの業種と比較すると年収が低めに設定されています。
年収をアップさせたい薬剤師の方は、地方のドラッグストア、調剤薬局に転職するのも検討してみてくださいね。
薬剤師専門の転職サイトを活用すれば、自分の希望通りの職場が見つかるので、納得のいく転職を成功し、大幅な年収アップを実現させましょう。
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