公開日

2022/05/26

最終更新日

【看護師転職回数】10回以上転職しまくると不利になる?失敗しない方法を解説!

「ほとんどの看護師は一度は転職をしたことがある」こんな風に言われることもあるほど、看護師の転職は看護師以外の仕事に比べるとはるかに一般的です。そんな売り手市場の看護師でも転職回数が多すぎると転職に不利になることもあります。人によっては、「転職は何回までOKなのか」「転職したばかりだけど、もう一度転職できるか」と悩んでいるかもしれません。そこで本記事では、「看護師は転職回数が多いと転職に不利になってしまうのか」や「転職回数が多い看護師が転職を成功させるポイント」についてご紹介します。最後までお読みいただき、あなたの転職を成功させるための参考にしてくださいね。

目次

看護師の転職回数は実際に多いのか

転職が一般的になってきた最近でも看護師は転職回数が多い職種と言われています。そんな看護師ですが、平均してどのくらい転職をしているのでしょうか。ここでは、看護師の平均転職回数と看護師の転職回数が多い理由についてご紹介します。

看護師の平均転職回数は2回

看護師の平均転職回数は2回です。意外と少ないと感じるかもしれません。しかし、厚生労働省のデータでは一般企業の転職者の割合は7.2%となっています。このように、ほとんどの労働者が入社してから転職を経験していないことを考えると、看護師の転職回数は多いと言えるでしょう。

看護師の転職回数が多い理由

では、なぜ看護師は全体的に転職が多い職種と言われるのでしょうか。看護師の転職が多い主な理由は次の4つです。それぞれについてこれから詳しく解説していきます。

  • 体力的問題
  • 職場の人間関係
  • キャリアアップ・他分野への興味関心
  • 家庭の事情

体力的問題

看護師の転職理由として挙げられる理由の1つ目は、体力的な問題です。看護師は人員不足等の理由から長時間労働が多いです。そして、病棟勤務の場合は交代勤務で夜勤がある場合がほとんど。そのため、20代のうちは病棟でバリバリ働く看護師も、30代や40代になって体力が衰えていくと勤務自体が辛くなってきてしまう場合も多いのです。30代からは日勤のみの訪問看護ステーションやクリニックへの転職者が多くなります。

職場の人間関係

最近では男性看護師も増えてはきましたが、まだまだ看護師は女性社会の職場です。女性社会の独特な人間関係に悩まされる看護師も多い現状です。また、忙しい職場では働く人もピリピリとしやすく、上下関係が厳しい職場も多いようです。

キャリアアップ・他分野への興味関心

看護師は専門分野が細かく分かれており、活躍できる分野も多くあります。看護師になってから勉強していくうちに、違う分野へ興味を持ち、配置換えや転職を希望する看護師も多いです。

家庭の事情

看護師は先ほどもお伝えしたように、まだまだ女性が多い職場です。女性は男性よりも結婚や出産、育児などのライフプランが仕事へ与える影響は大きいです。仕事は楽しいけれど、育児と両立できず転職を考える人や結婚と共に引っ越して転職をする人も多いです。

採用担当者が転職回数が多い看護師に不安を感じる理由

転職経験がある人が大半を占める看護師ですが、新たな人材を採用する際に、採用担当者は転職回数が多い看護師に対してどうしても不安を感じてしまいます。その不安の理由としては、次の3つの理由が挙げられます。それぞれの理由について簡単にご紹介します。しっかりと確認して、採用担当者の不安を払拭できるように対策を練りましょう。

  • 入職してもすぐに辞めてしまうのではないか
  • 知識・スキルが不足しているのではないか
  • 何か原因があって転職をくりかえしているのではないか

入職してもすぐに辞めてしまうのではないか

看護師の採用や教育には莫大なお金がかかります。採用してすぐに退職されてしまうと、採用した病院(施設)にとっては大損失。そのため、採用時にはできるだけ長く働き続けてくれる人材を採用したいと考えています。転職回数が多いと、採用してもすぐに辞めてしまうのではないかという不安から不利になってしまう場合もあります。

知識・スキルが不足しているのではないか

特に20代や30代の若くて転職回数が多い看護師に当てはまります。知識やスキルが定着する前に転職をしてしまい、採用しても教育コストがかかってしまうのではないかという不安要素になります。

あなたに何か原因があって転職をくりかえしているのではないか

採用担当者は転職を繰り返す原因が環境ではなく、あなたにあることを危惧しています。例えば、同僚の看護師だけでなく、医師やコメディカルの方々と上手くコミュニケーションを取れないなどの原因で転職を繰り返している場合、採用しても同じ状況に陥ってしまいます。採用担当者はあなたに大きな原因がないかどうかをしっかりと見極めようとしてくるので、注意しましょう。

看護師で転職回数が多いとみなされる基準

転職回数が全体的に多い看護師ですが、何回以上の転職で「転職回数が多いな」と見られるのでしょうか。年代別に転職回数が多いとみなされる基準についてご紹介していきます。

20代は3回から注意が必要

20代では転職回数が3回を超えると注意が必要です。20代の看護師はスキルや知識を蓄える時期でもあります。20代の時期に転職を繰り返していると、知識不足やスキル不足と判断されてしまう場合もあります。

30代は6回以上は危険

30代は結婚や妊娠、出産、育児などのライフプランの変化が大きい時期です。そのため20代よりは何度か転職をしていても問題視はされない傾向にあります。しかし転職回数が6回を超えてしまうと、転職回数が多いと思われてしまう場合もあるようです。

40代以上は8回以上

40代以上になると、転職回数はそこまで重要視されないようです。しかし、8回以上の転職を経験していると、なぜ転職したのかについて聞かれることも多くなるので、転職をする際には対策が必要になるでしょう。

転職回数よりも在職期間が重要視される

看護師は転職回数よりもそれぞれの在職期間の方が重要視される場合が多いです。最近では特に「転職が絶対に良くない」と考える職場は減ってきています。前職、前々職の在職期間や転職理由によってはプラスに評価される場合もあります。

看護師が転職回数に関係なく、採用されるためのポイント

看護師の中には転職回数が多くてもすぐに転職できる人もいます。そんな看護師にはある特徴があります。ここでは、転職回数が多くてもすぐに転職できる看護師の特徴と転職回数に関係なく、採用されるためのポイントをご紹介します。ご紹介するポイントは次の通りです。しっかりと確認して、転職に困らない看護師になりましょう。

  • 退職理由を前向きに伝える
  • 一貫性のある説明をする
  • 経験豊富さを伝える
  • 転職先に関する情報収集から真剣さや積極性をアピールする
  • 面接官の懸念に対する回答を準備しておく
  • 経歴を偽らない

転職回数が多くてもすぐに転職できる看護師の特徴

転職回数が多くても転職に困らない人の特徴は次の5点です。この特徴を参考にしながら、次にお伝えする転職回数に限らず採用されるポイントを見ていきましょう。

  • 1か所でも3年以上の長期勤務をした経験がある
  • 丁寧な接遇で受け答えに気遣いが感じられる
  • 今までの職場に一貫性があり、専門分野を持っている
  • 転職理由を他責にせず、前向きに説明できる
  • 職場や患者の希望に合わせて柔軟に対応できる

退職理由を前向きに伝える

退職理由はどうしてもネガティブになってしまうことが多いです。そのまま伝えてしまうと、ネガティブなまま伝わってしまい、あなたの印象まで悪くなってしまいます。ネガティブな理由はポジティブな言い方に変換して伝えると印象が良くなります。例えば、「残業が多い」は「メリハリを付けて働きたい」に言い換えることができます。このように、同じことを言っていても言い方次第で受け取り方は全く変わります。また、家庭の事情などでやむを得ず退職した場合は正直に伝えましょう。やむを得ない事情に理解を得られない場合は、その職場はあなたと合っていない職場であると判断しても問題ありません。

一貫性のある説明をする

転職回数が多い場合、一貫性のある説明が重要となります。今までの経歴に一貫性がなく、あなたの看護師としてのキャリアプランが全く見えないと、「すぐに考えが変わる人」「一貫性がない人」という印象を与えてしまいます。これまでの経歴や志望理由に一貫性を持たせて説明することで、転職回数に関係なく「芯が通っている人」などの良い印象になります。

経験豊富さを伝える

転職回数の多さは逆に、経験が豊富とも言い換えることができます。多くの職場で何を経験してきて、どういったスキルを生かすことができるのかを具体的に伝えましょう。複数の部署経験があり、臨機応変に働くことができるという印象を与えると好印象になります。

転職先に関する情報収集から真剣さや積極性をアピールする

転職回数が多いことは必ずしもマイナスとなる訳ではありませんが、あまり良い印象があるわけではありません。事前に応募先の情報を調べて積極性をアピールすることが重要です。その際に、自分のスキルを活かせるポイントを伝えることができればさらに良いでしょう。また、応募先の職場でのキャリアビジョンを明確に伝えることで長く勤務したいという想いを伝えることができます。

面接官の懸念に対する回答を準備しておく

面接官は、転職回数が多い看護師に対していくつかの不安を感じています。予想できる懸念事項に対する回答は事前に準備してしっかりと対応できるようにしておきましょう。すぐに辞めてしまいそうだという印象を払拭するには、キャリアビジョンを明確に伝えたり、忍耐力・協調性などの長所のアピールが有効です。子どもがいる場合には、子育て支援の環境が整っているというアピールが良いでしょう。また、40代以上の人は、これまでのやり方にとらわれずに柔軟に対応したいという意思を示せるように工夫しましょう。

経歴を偽らない

転職回数が多く、経歴に不安要素がある人は過去の職務歴を改ざんしたいと考えるかもしれません。履歴書や職務経歴書の詐称は法律上では刑罰の対象とはなりません。しかし、詐称がばれてしまうと、病院(施設)側との信頼関係に大きな影響を与えます。場合によっては、解雇になる可能性もあります。経歴の嘘は普段のふとした会話などから意外とばれてしまうことも多いです。経歴は偽らず、しっかりと前向きに伝えることが重要です。

転職回数の多い看護師が転職に失敗しないためにすべきこと

転職回数が多い看護師は「次こそは良い職場へ転職したい」と思って転職活動をしていると思います。そんな看護師のために、転職に失敗しないためにすべきことをいくつかご紹介します。

  • 辞めたいと思った原因を正しく分析する
  • 転職先の情報収集を徹底する
  • 転職先が決まってから今の職場を辞める
  • 看護師に特化した転職サイトでプロに相談する

辞めたいと思った原因を正しく分析する

「転職したい」という思いには必ず原因があります。今の職場に不満がないときには転職しようとは思わないはず。その辞めたい原因を正しく分析し、その原因を解決できる職場を選ぶことで転職が失敗する確率は低くなります。辞めたい原因を分析した結果、今の職場を辞めることなく解決できることもあります。重要なのは、辞めたい原因から自己分析をして、仕事をする上での優先順位をしっかりと付けることです。完璧に満足できる職場に出会う可能性はかなり低いです。しかし、優先順位をしっかりと付けておくことで、完璧ではなくてもあなたが満足できる職場に出会う確率が高くなります。

転職先の情報収集を徹底する

転職先の情報は公式のホームページだけでなく、口コミサイトや転職サイトなど様々な角度から集めることができます。転職で失敗したと感じる原因の多くは、思っていたことと現実が違った時です。転職前に転職先の情報をしっかりと調べることで、転職前と後のギャップを埋めることができます。

転職先が決まってから今の職場を辞める

転職活動を始める前に今の職場を退職してしまう人が数多くいます。何か月も前に退職の相談をしないと辞めることができないという場合は仕方ないですが、そういった特殊な場合を除いて、転職活動は在職中に行うことがおすすめです。転職活動を通して、今の職場が良い環境であると気づくこともあります。退職すると、収入がなくなってしまいます。ある程度の貯蓄はあっても、ゆっくりと転職活動を続けていく余裕はどんどん無くなっていってしまうことがほとんどです。そして、焦って転職先を決めると、転職したことを後悔する結果になる場合も少なくありません。余裕を持って転職活動を進めるためにも、転職活動は在職中に行い、転職先が決まってから今の職場を退職することをおすすめします。

看護師に特化した転職サイトでプロに相談する

今まで何度も転職を繰り返してきた人は、転職のやり方や考え方に問題があるかもしれません。あなたに合った方法で、あなたに合った転職先を探すには転職のプロに相談するのも有効です。また、働きながら転職する際には、転職サイトを利用し、自分の時間をできるだけ使わずに転職活動を進めることも重要です。

今の職場を辞める前にしてみること

「今の職場が合わない」「やめたい」と感じているあなたに、今の職場を辞める前にぜひ一度試してもらいたいことがあります。今の職場がしんどくて辞めたいと感じているかもしれませんが、もしかすると今一時的に気持ちが落ち込んでいるだけかもしれません。今の職場を辞めた後に、「辞めなければよかった」と後悔することを防ぐためにも、次に紹介することをまず試してみてください。

  • 休息を取る
  • 仕事以外で楽しむ趣味や活動を見つける
  • 友人に相談してみる

休息を取る

看護師は身体的にも精神的にも体力を使う仕事です。患者さんに合わせて仕事をする中で、あなたが疲れ切っているかもしれません。毎日、ご飯をしっかりと食べて十分に睡眠をとれていますか?もしも食事や睡眠が十分でないなら、まずはしっかりと休息を取ってみてください。今悩んでいることも「悩むほどのことでもなかった」と感じるかもしれません。お部屋でアロマをたいたり、ゆっくりと湯舟に浸かることも大事です。一日の中で、あなたがリラックスできる時間を作ってみてくださいね。

仕事以外で楽しむ趣味や活動を見つける

看護師に多いのが、「お休みの日は寝て過ごしている」という人です。寝て休息を取ることも重要ですが、それでは何のために働いているのかわからなくなってしまうかもしれません。あくまで仕事はあなたの生活を支えるための活動です。仕事の疲れであなたの生活がおろそかになってしまうのは本末転倒です。お休みの日にすることがないという人は、カフェでゆっくりとしたり、散歩に出かけたりなどちょっとしたことでも大丈夫です。充実した時間を少しでも作り出してみましょう。

友人に相談してみる

看護師の仕事に悩んでしまう人の中には責任感が強く、自分だけで背負いこんでしまう人がいます。もしも、あなたがそういったタイプなら、あなたの悩みを1人で抱え込まずに信頼できる友人や同僚に相談してみましょう。そうすることであなたが深刻だと思っていた悩みも解決することができるかもしれません。

看護師は転職回数が多くてもポイントを押さえたら転職可能

ここまで看護師が転職回数に関係なく転職を成功させるポイントなどについてご紹介しました。いかがだったでしょうか。看護師業界は常に人員不足で売り手市場の職種です。転職回数が多くても、しっかりと対策さえすれば良い職場に転職することも可能です。そして、本記事があなたの転職活動のお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたの転職が大成功するよう、心よりお祈り申し上げます。

Photo by Joanna Kosinska on Unsplash