人工いくらが家で作れる?!高分子のしくみを調べよう

「夏休みの自由研究は何にしよう」
「化学を使って食べ物を作るって面白そう」
など、自由研究の題材に悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、天然由来の化学物質やオレンジジュースを使用して、人工のイクラを作る実験を紹介します。

記事を読んで人工のイクラを作ることで、物質が化学反応をおこし身近な食べ物に変身する様子がわかりやすく観察でき、子供の化学に対する興味を引き出すことができるでしょう。

手軽に実験を行うことができるので、子供でも楽しくイクラを作ることができます。どのようにすれば、より本物のイクラの大きさや形に近づけられるか、考えることで子供の好奇心や想像力を養うことができるでしょう。

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家で人工イクラを作ってみよう

コンブやワカメなどの海藻に含まれている、アルギン酸という天然の食物繊維を使用することで人工的にいくらを作ることができます。

アルギン酸を、塩化カルシウムを溶かした溶液に漬けることで、化学反応がおこり瞬間的に表面に膜をはり、いくらのようなつぶつぶを作ることができます。

上手く人工いくらが作れるでしょうか。子供と一緒にどうすれば上手くいくか、考えて工夫しながらチャレンジしてみてください。

実験に必要なもの・環境・準備

材料はインターネットなどで購入することができますが、水がつかめる実験キットなども売っていますので、それでも実験することができます。

アルギン酸などの粉や、水などを使用するため、机の上などが汚れる可能性があるので、新聞紙などを下に敷くか、布巾を用意しておきましょう。

アルギン酸ナトリウムは溶けるまでに時間がかかるので、少しぬるめのお水を用意したら溶けやすいです。

  • アルギン酸ナトリウム
  • 塩化カルシウム(乳酸カルシウム)
  • スポイト
  • 計り
  • プラスチックコップ2つ
  • スプーン(かき混ぜ用)
  • 食用色素(赤色)
  • オレンジジュース

実験の方法・手順

  • プラスチックコップ2つそれぞれに、水を100mlずついれる
  • 1つのプラスチックコップにアルギン酸ナトリウムを1gいれる
  • 溶けきるまで混ぜる(10分程度)
  • もう1つのプラスチックコップに塩化カルシウムを20gいれる
  • 溶けきるまで混ぜる
  • アルギン酸ナトリウムに食用色素の赤色とオレンジジュースをいれて混ぜる
  • 色のついたアルギン酸ナトリウムをスポイトで吸い取り、塩化カルシウムの溶液に落とす

アルギン酸ナトリウムを溶かす際は、水に少量ずついれて混ぜた方が溶けやすいです。溶けるのに10分ほどかかります。塩化カルシウムはすぐに溶けます。

混ぜ終えたアルギン酸ナトリウムに、微量の(小さじ1杯程度)のオレンジジュースと食用色素をいれて混ぜましょう。

綺麗なオレンジ色になったアルギン酸ナトリウムをスポイトで吸い上げ、塩化カルシウムの溶液に1滴ずついれます。

小さな赤いつぶつぶが浮かびあがってきたら、茶こしなどで救い上げると人工いくらの完成です。

実験からわかること

アルギン酸ナトリウムは、水溶性の食物繊維で、ワカメや昆布などに含まれていて、水に溶けやすく粘性が強い高分子化合物です。

ただしアルギン酸ナトリウムは、カルシウム溶液に触れると、固まる性質があるため、それを利用してカルシウム溶液に漬けることで化学反応がおこり、表面に膜を作ることで、人工的にいくらを作ることができます。

今回はオレンジジュースを使用しましたが、他にどんな色がつけられるか試してみても面白いですよ。ぜひ試してみてください。

この実験方法と同じ製法で、人工いくらを作り回転寿司などで出回っているので、知らない間に口にしているかもしれませんね。

ただし、今回は実験なので、すべて食べられる材料で作っていますが、決して口にはいれないように気をつけてください。

※実験は安全性に十分配慮して行ってください。実験結果が記事と異なる場合でも弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
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