新大学入試制度による入試制度の変更点4つ！共通テストで求められる能力とは

新大学入試制度とは

2021年から大学入試の入試区分の名称や共通試験などが変更になりました。1990年から2020年まで約30年間行われていた、大学の共通入学試験である「独立行政法人大学センター試験」が廃止され、2021年1月より「大学入学共通テスト」が始まりました。

また、国公立大の2次試験や私立大が独自に行う入試においても、高校での活動が評価されたり、記述式の問題を出題する大学が増えました。

反対に、AO入試や指定校・公募推薦等の推薦入試においても学力テストを実施する大学が増えています。

新大学入試制度をめぐる動き

新大学入試制度が取り入れられるようになった経緯の1つに、センター試験がマーク形式であったことが挙げられます。

現在、暗記すれば解けるという「知識偏重」の教育から、知識を自分なりに活用できる力を伸ばす教育にシフトしています。

マーク形式の問題よりも記述式の問題の方が、知識の活用力をはかることができるため、「大学入学共通テスト」には記述式の問題を含もうと検討していましたが、2021年現在、記述式問題の導入は延期になっています。

新大学入試制度による入試制度の変更点4つ

新大学入試制度にて、「知識偏重」の教育から「覚えた知識の応用」を重視した教育に変更になったことにより、入試制度がどのように変更されたのでしょうか。

変更になった次の4つの点について紹介します。1つ目は入試区分、2つ目は大学入学共通テストの導入、3つ目は各大学の個別試験の選抜方法の変更、4つ目は入試スケジュールです。

1：入試区分

新大学入試制度には主に、一般選抜（一般入試）、総合型選抜（AO入試）、学校推薦型選抜（公募推薦・指定校推薦）の大きく3つに分類できます。

一般選抜は今までの一般入試とほとんど変更がありません。ただ、出題される問題の内容が複雑になっています。

近年では、AO入試や公募推薦・指定校推薦での入学者が増え続けています。従来のAO入試や公募推薦・指定校推薦では学力テストを実施しない大学が多かったのですが、新大学入試制度が取り入れられてからは、学力テストが必須になっています。

一般選抜

新大学入試制度の一般選抜は大きく「国立大学の一般選抜」と「私立大学の一般選抜」の2つに分けられ、どちらも学力テストの点数によって合否が決定するものです。

国公立大学の一般選抜は、「大学入学共通テスト」と、2～3月に行われる「2次（大学個別）試験」の合計点で合否を決定します。

私立大学の一般選抜は、大学が個別に実施する学力試験によって合否が決まる選抜方法で、1月末～2月中旬に試験が実施されることが多いです。何校でも併願が可能で、同じ学部や学科でも併願できる場合が多いです。

総合型選抜

新大学入試制度の「総合型選抜」とは、AO入試と同等の試験です。半数以上の私立大学が取り入れている入試方式で、大学が求める人物を採用するために取り入れられています。

従来のAO入試では学力テストはありませんでしたが、「総合型選抜」では、学力テストが必須になりました。そのため、今後は学校の成績、大学入学共通テストの結果、更に大学毎の学力テストの結果が合否の決め手になる可能性があります。

学校推薦型選抜

新大学入試制度の「学校推進型選抜」は従来の「公募推薦・指定校推薦」と同等の試験です。従来の推薦入試は学力テストがありませんでしたが、変更後は学力テストが必須になります。

「学力推薦型選抜」は従来と同様、高校の学校生活や成績をもとに、学校長が大学に推薦書を書くことで受験資格を得られます。

推薦方法は従来と変わらず、「指定校推薦」と「公募推薦」があります。大学によって実施状況は異なりますが、大学が受け入れる高校を指定する指定校推薦と、出願条件を満たせば誰でも出願できる公募推薦を継続する大学がほとんどです。

2：大学入学共通テストの導入

前述したとおり、2019年度を以て「センター試験」は廃止され、「大学入学共通テスト」に変更になりました。

従来の「センター試験」は、覚えていれば解ける問題がほとんどでした。しかし、「大学入学共通テスト」は、暗記している知識を使って答えを導きだすような、一ひねりしている問題が追加されたり、英語はリーディングの試験が追加されました。

また、今までの一般選抜の合否の判断基準はテストの点数のみでしたが、これからは高校での活動や成績も合否の判定に影響します。

3：各大学の個別試験の選抜方法の変更

従来の大学入試は、学力テストや面接、小論文などパターンが限られていましたが、新大学入試制度になってからは、評価の方法も変更になっています。

評価の方法について、以下3つに絞ってお伝えします。