小学校の多くの運動会が5月になったのはなぜ?開催時期変化の4つの理由 小学校の多くの運動会が5月になったのはなぜ?開催時期変化の4つの理由 - chokomana
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小学校の多くの運動会が5月になったのはなぜ?開催時期変化の4つの理由

 

小学校の多くの運動会が5月になったのはなぜ?開催時期変化の4つの理由

 

小学校の運動会は春?秋?

スポーツに適している季節といえば春か秋のいずれかを想像する方が多いでしょう。小学校の運動会も、5月か10月のどちらかに多く行われます。以前は、10月に開催する小学校が多かったのですが、徐々に5月に実施する小学校も増えています。

 

なぜ、運動会の開催は、春と秋で分かれているのでしょうか。その理由を探っていきます。

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今まで多くの運動会が秋に行われていた理由

運動会が始まった明治初頭は、地域や学校によって違いました。

 

秋に運動会が行われるようになったのは、秋が農業の閑散期であることがあげられます。農作業は子どもも労働力だったため、収穫が終わった後でなければ、運動会を実施することができませんでした。

 

そのほかに、地域の秋祭りという要素が含まれていたということと、1964年の東京オリンピックが秋に開催されたということも、秋に運動会を行う風潮に拍車をかけました。

 

出典:東京オリンピック開催へ|公益財団東京オリンピック委員会
参照:https://www.joc.or.jp/past_games/tokyo1964/story/vol01_01.html

5月ごろに運動会を開催するようになった4つの理由

前述したように日本では運動会をはじめ、スポーツの行事は秋に行うことが定番でした。秋の気候がスポーツをするのに適していることや、農作物の収穫時期のタイミングなど、当時の日本の生活習慣と適合していたからです。

 

現在では、農業技術の向上により安定した食糧供給が可能になったことや最近は秋でも気温が高くなることから春にスポーツの行事を開催する小学校が増えています。

 

具体的に5月に運動会を行う4つの理由をみていきましょう。

 

1:残暑厳しい時期の練習が避けられる

5月ごろに運動会が開催される第1の理由として、残暑厳しい時期の練習が避けられるためです。

 

なぜなら秋ごろに運動会を実施すると、残暑が厳しい時期と重なり、生徒や教師の安全が脅かされるからです。

 

総務省が発表したデータによると、熱中症による救急搬送者は6月から9月の間が多くなっており、子どもの安全に関心が高まっていることから、過ごしやすい気候で運動会を行う小学校が増えています。

 

出典 : 過去の全国における熱中症傷病者救急搬送に関わる報道発表一覧 | 総務省消防庁
参照 : https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post1.html

2:天気のいい日が多い

日本における5月の気候は後半になると晴れる日が多く、空気もさわやかで過ごしやすいとされています。

 

台風が多い10月は、天候が不安定になりやすく、運動会が中止になるケースも少なくありません。台風が発生した数について、気象庁が公開している過去10年の統計によると、5月は6回、10月は37回となっています。

 

5月に開催される小学校が増えている理由は、天候が安定していることも大きいのでしょう。

 

出典 : 台風の発生数[日本標準時基準](2020年までの確定値と2021年の速報値)| 気象庁
参照 : https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/generation/generation.html

 

3:クラスの結束力が生まれる

文部科学省の学習指導要領には、運動会の目的は「体力や技術の向上だけではなく生徒同士が協力しクラスが1つとなって目標に取り組む」とあります。

 

入学や進級により、あたらしい仲間とスタートする春は、クラスが1つになりにくい状況です。
クラスに友だちが少ない春に運動会を開催することで、生徒同士が関係を構築しやすく、自分の居場所を見つけやすくなるでしょう。

 

出典:学習指導要領「生きる力」 | 文部科学省
参照:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/toku.htm

4:運動会当日の熱中症リスクを下げるため

熱中症は、運動会の練習期間にだけ懸念されるものではありません。運動会当日でも、熱中症にかかる危険があります。

 

運動会当日は、子どもや教師だけではなく、保護者や地域の関係者なども学校に集まるので、人数の増加とともに、熱中症になる確率もあがるでしょう。

 

地域によりますが、湿度が高く残暑が厳しい秋よりも、気候が穏やかな春に開催することで、熱中症にかかるリスクを下げる目的があります。

 

出典:過去の傾向から見る熱中症リスクカレンダー|環境省
参照:https://www.wbgt.env.go.jp/doc_trendcal.php

 

5月に運動会を行う2つのデメリット

 

 

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